ビジネスで「戦わずして勝つ」方法
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で1540人、そのうち東京445人、神奈川142人、埼玉210人、千葉150人、愛知51人、大阪89人、兵庫46人、京都18人、福岡101人などとなっています。厚労省の専門家委員会は、真意感染者は減少傾向にある物の原則のスピードが鈍化していると懸念を示しています。夜の人出が増えている地域もあり、また、これから春休み、卒業旅行、お花見などで人の移動が頻繁になるシーズンになるので再拡大が懸念されます。また、心配なのは、専門家委員会で、イギリス由来、万ア由来、ベトナム由来とは異なる変異株が90件以上見つかっているということです。この新型変異種は感染力が強まっているという懸念はないものの免疫効果が弱まるとのことなので、ワクチンがどのように影響するか見極める必要がありそうです。
さて、今日は、ダイヤモンド・オンラインの「ビジネスで『戦わずして勝つ』方法を、孫子の兵法に学ぶ」を取り上げます。
「『戦略』とは何か?勝ち抜き生き残るために、いかなり戦略をとるべきなのか?」古今東西の戦略思想家たちが頭を悩ませ、その英叡智を結集した多くの名著があります。その一つが孫武の「孫子」です。「孫子」は春秋時代(紀元前770~403年)の兵法家・孫武によって書かれたとされていますが、孫武の生没年・出生地も不詳で、「孫子」の原本も今のところ発見されていません。1972年に、山東省銀雀山で紀元前317年から134年頃と思われる漢墓から「竹簡孫子」が発掘されて、孫武が実在の人物だということは決着しているようです。
「孫子」の冒頭に、「兵とは国の大事なり。死生の地、存亡の道、察すべからざるなり」とあります。戦争とは、国家にとって回避できない喫緊の課題です。戦争は国民の生死に関わり、国家存亡の分かれ道でもあります。だから、戦争を徹底的に研究しなければならないというのです。
ビジネスも戦争に例えられることがあります。元々「戦略論」は、戦争で勝つために何を行うべきかというところで使われた言葉ですが、その後ビジネスにおいて戦略論が展開されるようになりました。当然、ビジネスにおいても戦略は必要で、生き残る為に徹底的に研究しなければなりません。
1.「連戦」してはならない。
- 百戦百勝は善なるものに非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するのは善の善なる者なり
戦いにおいては、自分も相手も傷つかないように勝つことを考えなければなりません。どちらが勝っても負けても、傷つけば疲弊し、回復に大変な時間と労力がかかります。一番いい勝ち方は戦わずに勝つことです。本来ならば、「百戦百勝」は素晴らしいことのはずですが、孫子は「そんなことは褒められたことではない。むしろ危うい。現実に戦ってしまったのだから」と言うのです。
ビジネスにおいても日常の争いごとにおいても、たたかつっしまえば無傷というわけにはいきません。たとえ勝ったとしても、何らかの傷を負います。相手の恨みを買い、新たな火種を植え付けることにもなりかねません。新たな火種を消そうとすれば、相手の傷を癒してあげるとか、金銭的・経済的の手当てをするなど、労力やお金のかかるサポートが必要になります。
だから、孫子は「戦ってはいけない」というのです。もちろん、ビジネスにしろ人生にしろ戦いであることは否めません。しかし、実際に戦う前に、自分も相手も傷つかない勝ち方、つまり戦わずに交渉で勝敗を決するような方法を考える必要があるのです。
2.戦う前に相手の戦闘心をくじく
- 上兵は謀(ぼう)を伐(う)つ
戦う前に確かめるべきことは、相手に戦う気があるかどうかです。戦う気があるのなら、相手が戦う気をなくすように仕向けるのがいいというのです。また、戦いの芽が小さいならば、小さいうちに摘み取ってしまうのです。
- 天下の難事必ず易きより起こり、天下の大事は必ず細(ちいさ)きより作(お)こる。
天下の難事・大事といえども、事の起こりは簡単に解決できる些細なことです。
相手の闘争心の芽を早めに摘み取っておけば戦いを未然に防ぐことができますし、早めに摘み取るのなら比較的簡単にできます。
この記事では、ライバル会社が自社と同じクライアントを狙っていると分かった場合の対処について書かれています。
- 相手会社の社長や担当者にあって、うちと戦う気があるか確かめる。
- 「戦意あり」と分かったら、態度を豹変させ、可能な限りの方法と回数で歴戦の強者としての実力を示す。相手の弱みを研究していることも示す。
- この戦いが「労多くして液少なし」と思わせるような要素を繰り出していく。
このような方法が採れるのは、自社が圧倒的に他社よりも有利な地位にいる場合(本気で戦っても勝つ場合)だけで、力が拮抗している通常の場合には難しいところです。
3.戦略の基本は、「非戦・非攻・非久」
- 善く兵を用うる者は、人の兵を屈するも戦うに非ざるなり
- 人の城を抜くも、攻むるに非ざるなり
- 人の城を毀(やぶ)るも、久しきに非ざるなり
この記事では、これを、「自分にしかできないオンリーワンの分野を持ちなさいということだ」と理解しています。そうすれば戦う必要はなくなりますし、よしんば争いが生じても、長引かせないことが重要です。
- 非戦・・・戦わずに勝つ方法を考えることです。ビジネスでも人生でも、誰にもまねのできないオンリーワンの分野を持てば、勝てないと分かっている相手に戦いを挑む者は出てきません。
- 非攻・・・自分から相手をねじ伏せるようなことをしてはいけません。相手が追い詰められて自分から崩れていくのを待てばいいのです。ビジネスにおいても自分が圧倒的な力を持つことで、ライバルを不利な状態にすれば自然と崩れていきます。
- 非久・・・戦わなければならなくなっても長引かせてはいけません。ビジネスでも戦いが長引くと双方ともに疲弊するだけです。緒戦に全力投入し、勝って主導権を握り、早いうちに切り上げることが肝要です。
他に、「負けるが勝ち」ということもあり得ます。当面は価値を譲ることで、将来の大勝利に賭けるという戦略ですが、そのためには中長期的な戦略が必要になります。
このように「孫子」には、ビジネスにおいても役立つ名言がいろいろと載っています。古典というべき有名な戦略論を読み解くことも必要です。