中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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休日の本棚 起業の神様

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おはようございます。

先日、ダイヤモンドオンラインに「コロナ問題の長期化で起こりうる『4つの経済的大変化』」というのがありました。コロナが長期化すると何が起こるかについて、「現在は実物経済の急停滞に留まっているコロナ問題が、金融システムの不全にまで波及するか否かで経済の様子は大きく変わりそうだが、各国の政府と中央銀行が金融システムを維持できたと仮定しても、⑴非接触型ビジネスの隆盛 ⑵新しいエンターテイメントビジネスの発生 ⑶安全保障型接触サービスへの需要 ⑷ベーシックインカム型経済への移行? の4つが起こる可能性があるとしています。

新型コロナによる働き方改革のみならず、社会や経済の変化が新型コロナ終息後の企業の在り方にも大きな影響を及ぼす可能性があることは否定できません。企業が今後コロナショックの中で存続しその後成長していくために何が必要かを考えていかなければならないでしょう。

そこで、起業の神様とも称えられるマイケル・E・ガーバー氏の本を取り上げます。ガーバー氏は、ビジネス・コーチング会社E-Myth Worldwideの創業者で「世界NO1のスモールビジネスの権威と称され、30年以上にわたりスモールビジネスを変革してきました。著書として「はじめの一歩を踏み出そう」「起業家精神に火をつけろ!」などありますが、今日は「企業の神様マイケル・E・ガーバーに学ぶ成功への10原則」(ソフトバンククリエイティブ)を取り上げます。帯に「新時代の起業家よ。<世界で最も成功する事業を目指そう!!>。必要なのは10の原則だけだ」とあります。

ガーバー氏は、「私が自分自身の革命を起こしたように、あなたもあなた自身の個人的な革命を起こすことが出来るように」この本を書いたと言います。

ガーバー氏は「私の頭の中には、<世界で最も成功するビジネス>を作り出す根拠となる次のような10の原則がある」として、その10の原則を一つずつ丁寧に説明してくれているのが本書です。

  1. 第1の原則…ビジネスは、正しく創られると現在の一万倍の規模に成長しうる
  2. 第2の原則…ビジネスは、創業の基となるアイデアよりも成果を上げることはない
  3. 第3の原則…ビジネスはすべてのパーツが全体の成功にも失敗にも影響するシステムである
  4. 第4の原則…ビジネスは、すべての顧客に対して、有意義で高度に差別化された結果をもたらすことにより、どのような経済状況においても、あらゆる市場で持続可能でなければならない
  5. 第5の原則…ビジネスは、成長する目的と意欲、決意を持った従業員が生徒となる学校である
  6. 第6の原則…ビジネスは、その種をまく土壌となる崇高な目的、実証すべきビジョン、果たすべきミッションを明示しなければならない
  7. 第7の原則…ビジネスは、崇高な目的を抱いた人にもたらされる果実である
  8. 第8の原則…ビジネスは、それ自体に生命を宿している。神に仕える中で、意義を見出す
  9. 第9の原則…ビジネスは、経済の構成要素である。経済の実態を動かしており、そのビジネスが属し、繁栄するコミュニティのために、経済の確実性を創り出す
  10. 第10の原則…ビジネスは、その成否を評価する新たな基準を創り出す。明示されているかどうかにかかわらず、すべてのビジネスが既存の基準を超えて繁栄する可能性を高めることに。

まず、ひとつひとつ簡単に見てみましょう。

第1の原則では、「好きなことからビジネスを創り出そうとすべきではない、すること自体を好きになるということ、本当に世の中に送り出したいと思えるビジネスかどうかが重要」と言われています。最初に完璧にきちんと「正しく」構築されれば、そのビジネスの複製を一万回でも作ることが出来るのです。これは独創的な心から生み出されるのです。

第2の原則では、「新しく生まれたアイデアは、あなたの内面から自然と湧き起らなければならない」「すべてのアイデアは暴走する」「価値のあるアイデアは、成し遂げられることを待っている何かだ。もし実際に成し遂げられたら本当に驚異的なことになる何かなのだ」と言われています。素晴らしいアイデア、これまで十分には満たされたことがなかったニーズをある方法で満たすアイデアが、これから築き上げるものも成功するビジネスの基礎となるのです。

第3の原則では、「システムを構成するパーツ一つ一つを調整し、そのコラボレーションが必要」と言われています。ビジネスの外側のパーツとして①顧客のパーツ②競合のパーツ③流通チャネルのパーツ④メディアのパーツ⑤財務のパーツがあり、ビジネスの内側のパーツとして①戦略的パーツ②戦術的パーツ③実践的パーツがあるとされています。一つ一つのパーツを調和的で高度に体系化された方法で他のパーツとうまくかみ合うようにしなければ、世界で最も成功するビジネスは構築されないと言われています。

第4の原則では、世界で最も成功するビジネスを選び、設計し、組み立て、成長させるために7つのルールがあげられています。それは、①最も平凡なものを選ぶ ②絶え間なく改善する ③顧客の声に耳を傾ける ④あなたが聞くこと、見ること、感じることに対応する ⑤最高の基準を設定する ⑥洗練されたストーリーを描く ⑦ストーリー通りに生きる です。確かな基準をもって複製可能なモデルを構築する、すなわちビジネスを精巧な交換可能なパーツを持った単純なシステムにすることで持続可能なものとなるということです。

第5の原則では、「相応しい人材を探し出すのではなく創り出す」ということが言われています。

第6の原則では、崇高な目的を構成する5つの要素について書かれています。ここでは、不可欠な5つのスキル(集中力、判別力、生理力、イノベーション力、コミュニケーション力)と事業開発の7つのステップ(主要な目的、戦略的目標、組織戦略、マネジメント戦略、人材戦略、マーケティング戦略、システム戦略)とともに、起業家の夢、ビジョン、目的、ミッションを一つのモデルに組み込むについて書かれています。そうすることで、崇高な目的に到達するための階段が出来上がるというのです。第1のステップが「目覚めること」、2のステップが「発見すること」、第3のステップが「経験すること」、第4のステップが「内在化すること」、第5のステップが「なること」とされています。崇高な意味、崇高な目的を持つ、世界で最も成功するビジネスは、崇高な意味と目的に誓いを立てるということだというのです。

第7の原則では、「自分の運命を全うするために、あなたの内なる起業家を目覚めさせるために、あなたの中の創造者を鼓舞するためにあなたは呼び起こされている」「あなたは自らの崇高な目的を追求するためにここにいるのだ」と言われています。

第8の原則では、「世界で最も成功するビジネスはそれ自体の生命を宿している」と言います。その活動を通じて自らを表現する存在感を持たなければならないのです。たくさんのお金を稼ごうという世俗の現実を信じているだけでは不十分で、崇高な大義によって心が動かされなければならないのです。

第9の原則では、「お金は企業にとって単なる燃料である。お金は単に実行力を生み出すための燃料である。その実行力により、あなたが想像する製品の開発が結実するように促される」「世界中で、すべての個人事業主が今の規模の五倍に成長しようとしたら何が起こるだろうか?たった五倍でいい。五倍現象が世界を変える」「このシンプルな考え方が、正しく、想像力豊かに、正真正銘の本物として表現されれば、あなたの世界、あなたのまわりの人々の世界、更にその周りの人々の世界における現実を変えることが出来るだろう。たった五倍で!お金の問題ではない、考え方の問題だ」と言われています。

第10の原則では、「客観的に評価されるための基準」について述べられています。世界クラスのビジネスについては視覚的基準、勘定的基準、機能的基準、財務的基準を挙げることが出来ますが、世界クラスを超えるビジネス、つまり世界で最も成功するビジネスの基準について、精神的な基準、心理的な基準、倫理的な基準、哲学的基準が定立されなければならないというのです。

この本では、10の原則は、仕事の原則として役に立つ、心に迷いが生じたとき、迷う必要がないこと、必要なのは創ることだけだということを思い出させてくれるというのです。まずは始めること、すなわち「はじめの一歩を踏み出そう」が大事なのです。

また、「あなたの中の起業家を呼び起こせ!普通の人がすごい会社を作る方法」(エレファント・パブリッシング)では、「成功のカギはスタートする前にあった」としてスモールビジネスを創り上げる準備段階から夢の実現を目指し起業家になるための起業家育成プログラムについて書かれています。ガーバー氏の「ドリーミングルーム」はこの本が基になっています。

 

 

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