ミスをしないための仕組みづくり
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で695人、そのうち東京175人、神奈川55人、埼玉72人、千葉76人、愛知15人、大阪67人、兵庫33人、京都6人、福岡13人、北海道54人などとなっています。大幅に減少したように見えますが、検査数の少ない月曜の発表なので少ないのは当然で、先週月曜よりは増加しています。特に東京では1週間平均が先週より13.5%増となり、千葉では変異株のクラスターが発生するなどしていて、21日の1都三県の緊急事態宣言解除は見送り再延長すべきだと思います。確かに打つ手はありませんが、ここで解除すると解除されたという気の緩みが生まれ、花見シーズンや卒業・入学等で各地の人出が増加し再拡大につながります。今年は(今年も)我慢して、新型コロナ収束に向け今しばらく頑張りましょう。
さて、今日は、ビジネス+ITの「仕事のミスはあなたのせいじゃない。失敗学の権威が語るミス直後に本当にすべきこと」を取り上げます。
「メールの見落とし」「金額の打ち間違え」「スケジュールの勘違い」など職場でのミスが起きた場合、「なんで、こんなミスをしたんだろう。次からは気をつけよう」で終わっていれば、また同じミスを繰り返します。
この記事では、NPO法人失敗学会の副理事長で事務局長でもある飯野謙次氏が、ミスをした後にやるべきこと、同じミスをしないようにする秘訣について語っています。
1.ミスをしたときの考え方
ミスに気づいたときに最初にやるべきことは、何が起こったのかを説明して「なぜそうなったのか」自分なりの原因を話して、謝罪することです。次に「問題をどう解決しよう」と思っているか自分の意見を述べることです。単に謝罪するだけでは何の解決にもなりません。重要なのは、「なぜそうなったのか」という失敗の原因と「どのように解決するのか」という今後の対処法です。それを自分なりに考えて上司に伝えることです。
2.ミスをした後の不安や恐怖を和らげる心の持ち方
「自分」と「自分の役職」を切り離して考えることです。「自分の人格がダメだ」と思ってしまうのではなく「自分の役職がミスをした」と考えるのです。ミスはあくまでもビジネスの過程です。「自分の役職がミスをした」というのはどちらかと言えば会社の責任です。自分のような役職の者がミスをしたというのは、会社の仕組みに問題があるのではないかと考えるのです。そう考えればミスの原因となった会社の仕組みが見えてくるかもしれません。仕組みを改善する良いアイデアも浮かびやすくなり、不安を感じなくて済みます。
部下がミスを犯した時も同様で、ミスはあくまでもビジネスの過程だと説明し、どう解決すればいいのか考えさせ、その解決方法で大丈夫かを一緒に考えればいいのです。
ビジネスとは実践です。毎日実践して毎日失敗します。失敗は悲しいことだと考える必要はありません。失敗する度にその中に成功の芽があって、失敗は成功の芽を発見できるように与えられたものだと考えればいいのです。失敗がなければ成功はありませんし、成功してもまた失敗します。ビジネスとはその繰り返しです。
人もビジネスも失敗と成功を繰り返しながら成長していくものだと思います。
この記事でも「たいていのミスで人は死なない」「もう少し気楽に生きた方が日々の生活はもっと楽しくなる」と言っています。心の持ち方によってミスの不安や恐怖を和らげることができるはずです。
3.ミスをしない「仕組みづくり」に欠かせないもの
ミスを起こさないための仕組みづくりが重要なのですが、往々にしてそれができていません。それは「申し訳ありません」「次から気をつけろよ」という遣り取りで、ミスの原因を「注意不足」のせいにしてしまっているからです。これでは会社の組織や仕組みに問題があるという発想は出てきませんし、ミスを起こさない仕組みを作ろうということにもなりません。それでは、同じミスの繰り返しで進歩も成長もありません。
仕組み化を実際に進めていくうえで、重要なこととして、飯田氏は次のようなことを挙げています。
- チェックの仕方を変える
- やらなければならないことは、終えたらそれを進行管理表に記入し、それが終わっていないと次に進めないようにする
- 常にグループ全員に進行状況を見えるようにしておく
- 発想を転換して、問題となるうっかり忘れやうっかり行動が物理的にできなくするにはどうすればいいか考える
こうした仕組みの実現にITを活用することも必要です。データベースと連携するアプリケーションを利用する、スケジュール忘れにはリマインダーを設定しスマホに通知が来るようにするなどしておけば、忘れることはありません。
4.ミスをした際に絶対にやってはいけない対応
- 自分一人で解決しようとする、隠そうとする・・・結果的により大きな問題へと発展します。ここでも「ミスはビジネスの経過の一つ」という考え方を浸透させ「そこからどう回復して、どのような改善策を組み込んで同じミスが起こらないようにするのか」について全員で考えることを習慣づけることが重要です。
- 「申し訳ありません」とひたすら謝る姿勢・・・一所懸命謝られると「もういいよ。気にしないで。今度は気をつけて」で終わってしまいます。ミスを起こさない仕組みを考えてチーム内で共有できればミスはマイナスではなくプラスになりますが、これではマイナスにしかなりません。
- ミスをして自分を責める・・・「ミスはビジネスの過程の一つ」にすぎません。そして、人間はミスをしながら成長していくものです。ミスが起こる(人間がミスをする)ということはシステムの中でうまくいくように考えられている仕組みに問題があるのですから、それをどのように改善すれば人間がミスをする確率が減ってうまく回るようになるかを考えればいいのです。この記事では、「『自分が人間だからミスをしてしまった』ととらえて、何かいい仕組みはないかを考えればいい」と言っています。
日本には、何でも「阿吽の呼吸」でとらえて、なあなあで済ませてしまうような文化があります。文書化やルール化を行って、しっかりとした仕組みを組み立てなければ、失敗は失敗のままで終わってしまいます。失敗を成功に結び付けるためにもこの記事で書かれているように仕組み化が重要だと思います。