中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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日本と米国のマネジメントの違い

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1884人、そのうち東京369人、神奈川179人、埼玉83人、千葉81人、愛知170人、大阪190人、兵庫68人、京都44人、広島26人、福岡57人、沖縄159人、北海道120人などとなっています。先日の尾身会昌の発言に、竹中平蔵が「越権行為だ」「五輪中止の世論が間違っている」などと愚かなことを言い出しました。分科会の尾身会長は専門家の立場から政府に提言をしているのであって、何ら越権行為だとは思いません。政府と癒着して暴利をむさぼる竹中・パソナこそ越権行為です。また、民主主義は世論。国民の意思を前提として成り立っています。それを間違っているというのでは民主主義の根幹が揺るぎます。日本は独裁国家ではありませんよ。民意・世論を抑え込むことはできません。やってはいけないことです。こういう愚かな人間が菅政権のブレーンだということが菅首相の愚かさを示しています。ビジネスにおいても政治においてもコミュニケーション力は極めて重要です。一国のリーダーとして、菅首相には語彙力、コミュニケーション能力が大きく欠如しています。コミュニケーションに必要なのは相手と共感すること、すなわち共感力です。この共感力がなければ信頼関係は生まれません。多くの海外のリーダーは共感力に長けています。この共感力を基に国民と共感しコロナ対策に取り組んでいます。先日も「リーダーに必要な『勇気』と「共感能力』」で書きましたが、菅首相も、一国のリーダーとして、国民に寄り添い共感し、勇気をもって決断・邁進することです。

さて、今日は、ダイヤモンド・オンラインの「米国企業と違って日本企業で『面従腹背』が起きがちな理由」を取り上げます。

時代や環境変化、コロナ禍のような危機的状況において、会社を良くするのも駄目にするのも経営トップのあり方にかかっています。

日本と米国のトップのマネジメントスタイルは異なります。

この記事では、GEのケースが挙げられています。GE日本法人の会議が東京・六本木のANAとテルで行われていました。GE日本法人のスタッフ部門で働いていた日本人社員がトイレに行く本社CEOのジャック・ウェルチと副会長のパオロ・フレスコが入ってきて声を掛けられます。二言・三言言葉を交わすと、ウェルチから「君は本社で仕事をした方がいい」と言われ、米国本社のジャック・ウェルチ直属の経営企画部に異動が決まったというのです。

このように、世界屈指の大企業のトップが、自身の判断とリスクでこの手の人事を行うのが米国企業の「人治」マネジメントなのです(以前2021.1.27に「『人治』式マネジメントと『法治』式マネジメント」というのを書いていますので参考にしてください)。

日本企業で、トイレで交わした二言三言で、異動や配属を決めることができる経営トップがいるでしょうか。そのためには経営トップが組織の動き方を的確にイメージできていなければならないのです。米国式のマネジメントでは、トップは自分の発する指示の精度を高めるためにトップ直属の本部組織、経営企画室や戦略機能、人事、財務、経理機能などを動かします。これらの組織・機能がトップがイニシャティブを発揮し、パフォーマンスを高めるためのサポート組織です。これらの組織がトップと一体化して考え、前向きに動くのです。

1.日本企業では「面従腹背」が起きがちな理由

 日本においても米国式のマネジメントを取り入れる企業が増えてきています。しかし、「言うことを聞かなければクビ」の前提や、うまくいかなかったときには発信者・トップが責任をとるという前提がなく、形だけ米国式のマネジメントを取り入れても意味はありません。仕事を失う恐怖を伴った実行力もなく、責任の所在もあいまいな状態のまま、結果として指示や数値責任の「丸投げ」が多くの企業で常態化しています。

 米国式のマネジメントはトップだけでなく指示に従わなければクビになる恐怖を抱く従業員にとっても厳しいものであり、真剣勝負と言っていいものです。ところが、日本では形式的に米国涼を取り入れ、責任の所在があいまいで誰も責任を取りたがらず、その場だけをうまくしのげばいいという雰囲気を生み出しました。そして、上辺だけ上の者に従うが内心では従わず上の者を軽視する「面従腹背」という、良くも悪くも無難にやり過ごすための知恵が広まってしまいました。

2.小うるさい「躾」を行う文化が日本企業のマネジメントの強み

 数年前に、世界の主要国の経営者について、様々な角度から能力評価の調査が行われましたが、日本の経営者の能力評価は相対的に低く出ています。しかし、このことから日本の経営者のレベルが世界的に見て低いと結論付けることは短絡的だと思います。

 日本企業の強みは、米国や欧米企業と違い経営トップ・リーダーのスタンドプレーよりも組織力の発揮にあり、組織力を高めることのできる経営トップ・リーダーが求められます。そこには組織を性善説で動かそうとする基本的な姿勢があり、それが組織として機能するために、小うるさい「躾」を行う文化が根底にありました。

 ところが、欧米式のマネジメントの理論や手法が導入されるにつれて、組織の上層部は「躾」を怠るようになり、一方的に指示を発すればいいという錯覚が蔓延しているように思います。「躾」というのは「決めたことは必ず守る」ということであり、そのためには、経営トップや管理者の率先垂範と部下に対する監督、教育指導、訓練の継続が必要です。こうした点を疎かにしていたのでゃ日本企業の強みを発揮することはできません。生産管理に5Sというのがありますが、これは、整理、整頓、清掃、清潔、躾について、日本語のローマ字表記の頭文字をとったものです。これまで日本企業はこうした点を重視し、それが日本企業の強みになっていたのです。今一度こうした日本の良さを見直す時かもしれません。