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マネジメントに必要な5つの能力

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1485人、そのうち東京518人、神奈川226人、埼玉124人、千葉141人、愛知64人、大阪88人、兵庫27人、京都18人、福岡28人、沖縄34人、北海道39人などとなっています。東京では先週日曜日より132人増えています。検査数が少ない日曜日でも、これほど増えているというのは完全にリバウンドしています。もはやまん延防止等重点措置を延長しようが、緊急事態宣言を発令しようが、一旦緩んだ国民の気を引き締め人流を止めることは困難です。加えて政府はオリンピック開催に向けて緩みっぱなし、ワクチン供給も滞り、打つ手なしです。また、ウガンダに続きセルビアから入国した五輪選手団にコロナ感染者が見つかりました。今後も入国者の中からコロナ感染者が出てくる可能性は高いと思われます。それらをしっかりと検査し隔離できるかどうかが課題です。それができなければ、東京五輪はコロナ五輪になってしまいます。

さて、今日は、サライの「【ビジネスの極意】ドラッカーに学ぶ、必要なマネジメント能力5つ」という記事を取り上げます。

ピーター・ドラッカーと言えば、マネジメントの父と言われた経営学者です。2005年に亡くなっていますが、今なおドラッカー経営学は読み継がれ実践されています。

以前にも書きましたが、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授は著書「世界の経営学者は今何を考えているのか」の中で、「アメリカの経営学の最前線にいるほぼすべての経営学者は、ドラッカーの本などほとんど読んでいません」と言っています。今の経営学が目指しているのは、科学としての経営学だからです。かつて経済学が科学を目指し、経済事象をモデル化しすべてを数学の式で計算し解を出そうとしたのに似ています。その結果、経済学は現実の経済事象から大きく離れてしまったように思います。学問としての経営学が経済学と同じように、机上の学問になりつつあるように思えてなりません。経営学こそ実務に根差した実践でなければならないはずです。

日本において、ドラッカーの本は流行っています。それはドラッカーの名言が経営者の心にスッと入ってくるからです。現場で経営に携わる企業経営者にとって、必要なのは机上の学問ではなく、日々現場で起こる切実な課題を解決するための指針です。「いかに苦しい企業経営を乗り切っていくのか」「赤字企業を黒字化するにはどうすればいいのか」「売上や利益を上げるために何をすればいいのか」といった問題に指針や心の拠り所を与えてくれるのがドラッカー経営学です。

この記事では、ドラッカーの本領である「マネジメント」に関して必要な能力は何かについて解説されています。

「マネジメント」という言葉は多用されていますが、その意味はあいまいであり時に誤解されています。日本では、「マネジメント=管理」として使われています。この「管理」という訳語は静的で受動的な意味合いが強く、本来のマネジメントの動的で能動的な面が無視されているように思います。ドラッカーによれば、「マネジメントは人間と創造に関わるもの」で「人や組織の強みや創造性を最大限に引き出して経済的・社会的に価値ある成果を上げること」なのです。

マネジメントは、一般に考えられているようなマネジャーの仕事ではなく、リーダーの仕事なのです。マネジメントは1つのプロフェッショナルの仕事であり、特有の能力が必要です。マネジメントに必要な具体的な能力が何か認識していなければ、漫然とマネジメントをこなすことになり、マネジメントの成果は曖昧なものになってしまいます。

1.目標を設定する能力

 マネジメントは、目標に対して、深く広く向き合うことが重要であり、具体的かつ適切に目標を設定する能力が求められます。目標をきっちりと設定するには、目標とはどうあるべきかを知らなければなりません。

 組織で成果を上げるには、全従業員が同じ方故意に向かってエネルギーを集中させなければなりません。その時に大切なのが組織の目標(目的)と価値観の共有です。一人ひとりがてんでバラバラなことをしていたのでは組織としての成果など上がるはずはありません。

 目標には、はじめからチームとしての成果を組み込んでおかなければなりません。チームとしての目標は常に組織全体の目標から引き出されたものでなくてはなりません。つまり、組織としての成果を軸に、多様な視点で適切な目標を設定する能力が必要なのです。またドラッカーは、目標設定の観点について次のものを挙げています。

  • 短期的目標
  • 長期的目標
  • 無形の目標
  • 部下の仕事ぶりと態度における目標
  • 社会に対する責任についての目標

2.組織化する能力

 マネジメントには、人を束ね、組織として機能させる能力が求められます。組織化する能力というのは、個の集合から全体を創造する力です。

 資源が何かを常に考え、資源を強い力に変え、弱みをそぎ落としながら、全体の組織を昇華させる力が、マネジメントには必要です。

3.コミュニケーション能力

 マネジメントには、組織の成果を上げるための高いコミュニケーション能力が求められます。

 ドラッカーは「コミュニケーションとは、知覚であり、期待であり、欲求であり、情報法ではない」と言っています。

 受け手の知覚能力を考慮しなければ、コミュニケーションは成り立ちません。また、コミュニケーションは期待しているものは受け入られ、期待されていないものは避けられます。コミュニケーションは相手の欲求に左右され、またコミュニケーション力によって相手の欲求も変えることができます。コミュニケーションは単に情報を与えることではなく、きちんと知覚させることが大事だということです。

 相手の期待や欲求を理解し、それを利用しながら、知覚レベルに落とし込むコミュニケーションを行う力がマネジメントには必要なのです。

4.評価測定能力

 マネジメントには、組織を構成する基本単位となっている人を評価し、測定する能力が求められます。人にはそれぞれ、利息・目的・欲求・ニーズがあり、いかなる組織でもメンバーの欲求やニーズを満たさなければなりません。この個人の欲求を満たすものが賞や罰であり、各種の奨励策や抑止策です。

 組織に属する人の欲求やニーズをきちんと評価し、評価に対する具体策を管理することで、組織に働く人は自らの位置づけや役割を理解していきます。

5.問題解決能力

 マネジメントには、問題を見極め、適切に対処する力が求められます。問題というのはネガティブな壁ではなく、組織が成果を出すために考えられるあらゆる可能性です。

人という資源をどのように有効活用できるかがマネジメントの最大の課題であり、マネジメントの腕の見せ所です。ドラッカーは、「本当の資源は1つしかない。人である。組織が成果を上げるのは、人を生産的たらしめることによってである。それは仕事を通じて行われる」と言っています。 

人という経営資源をどのように生かしていくのか、人が生き生きと働き成果に結びついているのかがマネジメントにとって最も大切なことなのです。

ドラッカーは、常に「強み」ということを強調します。「人の強みを活かせ」ということです。「強み」を生かして「弱み」を排除するのです。そのためにマネジメントには上の5つの能力が必要となるのです。