中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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ビジョナリーカンパニー

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おはようございます。

昨日の新規感染者は1437人、そのうち東京435人、神奈川163人、埼玉93人、千葉74人、愛知96人、大阪107人、兵庫27人、京都12人、広島13人、福岡36人、沖縄98人、北海道29人などとなっています。全国的に減少、あるいは下げ止まりといった感じですが、東京は3日連続で前週の同じ曜日よりは増加しておりリバウンドが懸念されます。緊急事態宣言解除での人出増を考えると、他の地域でもリバウンドの恐れがあります。まだまだ国民一人ひとりが気を緩めることなく感染防止対策にしっかりと取り組むべきですが、自粛疲れでいったん弛んだ気を引き締めることは容易ではありません。ワクチン接種が順調に進み集団免疫が獲得されることしか、コロナに打ち勝つ術はなさそうです。色々悩んだ末、昨日、自衛隊の大規模会場(大阪)で第1回目のワクチンを接種してきました。接種したのはモデルナ製のワクチンです。接種自体はチクっとする程度でほとんど痛みもなく簡単に終わりましたが、数時間後から接種部位が熱を持っているようで硬くなり痛みがあります。特に腕を上げるとさらに痛みが増します。副反応なのかもしれませんが、河野大臣も同じようにツイッターで呟いています。それでもこの程度の副反応ならば我慢できます。ワクチンを接種したからといって感染しないわけではなさそうなので、今しばらくはこれまでと同様、密を避けマスク・手洗いなどの感染防止対策を行い、気を付けて生活していきたいと思います。

さて、今日は、サライの「【ビジネスの極意】知らないと恥ずかしい名著『ビジョナリーカンパニー』って何?」を取り上げます。本来であるならば、「ビジョナリーカンパニー」は休日の本棚で紹介すべきかもしれませんが、ビジョナリーカンパニーは単なる本の紹介で取り上げるだけではもったいなく、経営における一つの理念のようなものなので、今日この記事を取り上げました。

ビジョナリーカンパニー」はジム・コリンズが書いた本の題名ですが、ベストセラーとなり、シリーズ化され、1巻から4巻まで出ています。

ビジョナリーカンパニーとは、ビジョンを持っている企業のことを指します。「ビジョナリー」というのは「先見性」「未来志向」といった意味を持っています。

ビジョナリーカンパニーというのは、業界内で卓越した企業とか、不景気でも安定的に成長を続ける優れた企業を指すことが多いのです。コリンズ著「ビジョナリーカンパニー」によれば、具体的には次のような企業です。

  • 業界で卓越した企業である
  • 見識ある経営者や企業幹部の間で広く尊敬されている
  • 私たちが暮らす社会に、消えることのない足跡を残している
  • 最高経営責任者(CEO)が世代交代している
  • 当初の主力商品またはサービスのライフ・サイクルを超えて反映している
  • 1950年以前に設立されている(設立以後50年以上経過している)

本の中には、ジョンソン・エンド・ジョンソンアメリカン・エクスプレス、ソニーウォルト・ディズニー、3M、フォード、ボーイング、ⅠBM、ウォルマートなどが取り上げられています。

1.ビジョナリーカンパニーの基本理念

 すべての会社には「基本理念」があるはずです。ビジョナリーカンパニーにおいては、その基本理念が全員に浸透し、熱狂的に支持されています。全員が企業の基本理念に共感し働けているので、社員が自己成長できる土壌があるのです。

  1. BHAG・・・「社運を賭けた大胆な目標」という意味の言葉です。ビジョナリーカンパニーでは、企業が真に成長するためには「社運を賭けた大胆な目標(BHAG)が必要」と言われています。リスクを取って大きな事業をするということです。ビジョナリーカンパニーでは、社員が一致団結しているため、仮にリスクがあるとしても恐れず立ち向かっていきます。そうしたマインドを共有しているというのがビジョナリーカンパニーの強みです。
  2. カルト文化・・・ビジョナリーカンパニーは、「カルトのような文化」を醸成することによって、社員に「特別な会社にいる特別な人間」という強い自覚を与えます。自社で働くために必要な資質を明確にして、企業文化と一体化を促すのです。社員に「特別な自覚」を与えることで高い意識を継続させ、みんなが同じ文化に染まっているので、会社一丸となって物事に取り組むことができます。
  3. はえぬきの経営陣・・・ビジョナリーカンパニーでは、外部の経営のプロを招聘するのではなく、内務のことをしっかりと理解している「生え抜きの経営陣」を重視します。
  4. 大量に実験してうまくいったものを残す・・・ビジョナリーカンパニーも最初から順風満帆、成功続きだったわけではありません。むしろ数々の失敗を乗り越えてきた企業が多いのです。失敗を成功の糧にしたからこそ、圧倒的な存在感を放っています。高い目標を設定したうえでの失敗は、会社や社員にとって大きな経験値になり、試行錯誤の中で上手くいった経験を残し、上手くいかなかった失敗もしっかりと生かしていくことで、想像もつかない成長を成し遂げることができます。
  5. 決して満足しない・・・「現状に決して満足せず、貪欲に成長を欲する」ことは強みなります。ビジョナリーカンパニーは、絶えず自己改善に勤しんでおり、成長に次ぐ成長を達成しています。「成長」したならば、それで満足せず「更なる高み」を目指していくのが、ビジョナリーカンパニーです。

2.ビジョナリーカンパニーの第一歩とは

 ビジョナリーカンパニーの第一歩と言われているものは「時を告げるよりも、時計を作る」というものです。「時を告げる人」というのは「カリスマ的存在」であり、「時計」は「ビジョナリーカンパニー」を指しています。

 コリンズは「ビジョナリーカンパニーにはカリスマ的存在は必要ない」と言います。カリスマ的指導者が生み出した価値はいずれは終わりが来るもので、そうした刹那的な成長はビジョナリーカンパニーを築くうえで障害になるのです。ビジョナリーカンパニーはどのような状況に陥ろうとも、復活し、新しい価値を創造し続ける企業です。

 ビジョナリーカンパニーの指導者たちが目指すのは、刹那的な成長ではなく「いついかなる時にも正確な時を打ち続けてくれる時計を作る」ことです。そのためには。文化レベルから企業を見直し、試行錯誤を繰り返していき、常に成長に植えたマインドが必要になってくるのです。

3.ビジョナリーカンパニーを読むメリット

 多くの人は「会社にはカリスマ的存在が必要であり、なるべくフラットな文化であるべき」という常識を持っています。そんな常識がビジョナリーカンパニーによって揺さぶられ、経営に対して新しい視点を持つことができるようになります。新しい視点を持つということは物事を見る角度を増やすことができるということです。

ビジョナリーカンパニーは、すでに出版から20年以上が経ちますが、今なお読み継がれています。「長く活躍できる企業を作りたい」と考える経営者には最適です。

ビジョナリーカンパニーの理念をしっかりと理解することが大切です。そして「時を告げる人」ではなく「時計を作る人」になることです。