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できない上司の対処法

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で731人、そのうち東京72人、神奈川50人、埼玉51人、千葉35人、愛知40人、大阪125人、兵庫39人、京都21人、沖縄32人、北海道21人などとなっています。

国会で各党による代表委質問が行われ、公明党の山口代表はGOTOキャンペーンの再開を強く求めました。これに対し、岸田首相は、ワクチン接種証明などを活用する仕組みに見直しつつ、感染状況を踏まえ検討すると慎重な姿勢を示し、時期を明言しませんでした。新規感染者は激減していますが、第6波への備えは必要で、安易に行動制限緩和を進めるべきではありません。しかも、GOTOで恩恵を受けるのは、観光業・宿泊業と旅行に行く金銭的・時間的な余裕のある層であり、余裕のない低所得者には何の恩恵もありません。岸田首相は「成長と分配の好循環の実現」を掲げていますが、GOTOは格差による差別を助長し、岸田氏が掲げる格下是正の方針と矛盾するのではないかと思います。経済の回復は急務ですが、特定の業種・高所得者にのみ恩恵が行く政策ではなく、低所得者への経済的恩恵が大きい消費税率引き下げの方が効果的です。すべての世代、すべての業種がコロナの影響を直接・間接受けています。特定の業種や特定の者ににのみ協力金や給付金を出す不公平な対策はやめるべきです。

さて、今日は、JBpressの「『できない上司』の下でも成長し続けられるコツ」という記事を取り上げます。

この記事で書かれているのは「『できない上司』に出会ったときの対処法」です。ここでいう「できない上司」が何を意味するのかは明らかにされていませんが、昨日書いた「部下にとって有害な上司」がその典型でしょう。

部下は「上司に自分の悪いところを聞いてもはっきりと言ってくれない」と不満を言い、上司からは「欠点を指摘するとパワハラと言われる」という答えが返ってきます。パワハラと言われないためにも、親身になって部下の言葉を聞き、言葉を尽くして指導をするのが上司の責務です。これができないから、反発やハラスメントだと言われるのです。そうは言っても、今の上司に当たる世代は、怒られて育った世代で、感情を抑制し、言語化を通じて部下を指導するということを教わった人はいませんし、自ら経験した人も皆無です。今後は、先日書いたようなリーダーシップ育成のための個別学習クラウド(PLC)が日本でも導入され、部下育成についてのツールが生まれてくるように思われます。

この記事では、「重要なのは、この過渡期に指導したくても言語化できない上司と、的確な指導をしてもらえない部下の不幸な関係が生む不利益をどこまで減らせることができるかということ」と言っています。

1.伝えられない上司の不利益

 ここでは、上司の2つのタイプを考えます。

 一つは、親身になって叱ってくれるタイプです。自分へのやさしさや思いが伝わってくるので、自分の不出来に申し訳なさと感謝の気持ちがわいてきます。しかし、このタイプでは具体的な方法論が言語化されるわけではありません。

 もう一つは、穏やかに理屈立ててあるべき姿や努力の仕方を説明してくれる上司です。声を荒げることがないので慌てず話が聞け、学びも納得感もあります。

 今求められているのは第2のタイプです。

 部下への思いはあっても言語化に慣れていない上司は、ますます慎重になり本音を語らなくなっていきます。そして叱りたくても叱ることもできなくなっていきます。それでは部下は成長の機会を失います。

 そうは言っても、誰もが第2のタイプになることは難しいです。

 私は、あえて言語化にこだわる必要はないのではないかと思います。

 コミュニケーションは言葉と言葉のキャッチボールですが、もとはと言えば人と人との関係をよくし、信頼関係を構築するためのものです。コミュニケーションは言葉だけで構成されているものではありません。そこには表情や手振り・身振り、行動、間など言語以外の要素も重要な役割を持っています。言語化に慣れておらず言葉にするのが下手な上司でも、表情、身振り・手ぶり、自らの行動で思いを伝えることはできます。

 古典芸能などの分野では師匠は弟子に技術・技能を教えるわけではありません。弟子は師匠の所作を真似て覚えるのです。同じ屋根の下で生活することで、弟子は師匠の後姿を見て育ちます。そこでは技術や技能だけでなく師匠の人間性も学び取ります。

 言語化は絶対的なものではありませんし、むしろ言語化に拘り過ぎると上司の部下への思いがないがしろにされてしまうように思うのです。

2.言語化できない上司に向き合う5つのメソッド

 先ほど、言語化にこだわる必要はないと言いましたが、「言語化できず、さりとて他の方法で部下への思いを伝えることができない上司」ではダメです。

 この記事では、「部下への思いを言語化できない上司」に対する対処法が語られています。(私の言葉では「部下への思いを言語化・他の方法で伝えることができない上司」ということになります)

⑴自分に見えない世界観が上司にあることを理解する

 上司は、部下よりも多くの考慮すべき要素を抱えて、判断を下しています。部下には見えないものがあるのです。このことを理解することが大切です。

 「自分に見えないものが上司にはあるのだ」と理解できれば、上司を理解することができるかもしれません。また、部下が理解してくれていることが分かれば、上司の方から心を開いてくれるようになるかもしれません。

 上司の立場からすれば、自分が持っている情報については、秘密事項でない限り、部下にも示して共有することで(見えないものを極力少なくすることで)、上司と部下との関係も良くなります。

⑵会社では「正解」が一つではないから、一部でも変えたことを評価する

 ビジネスの成果では正解は一つとは限りません。「できる人」とは、自分の正論をただ主張する人ではなく、信念に基づきほんの一部でも実行にこぎつけられた人です。

 ここでは「上司を見るときには『十の批判より一つの行動』」と言っています。

 ビジネスでは、口で何を言っていても意味がありません。行動に移して成果を上げてこそです。上司も人間ですから、欠点はあります。それをあげつらうのではなく、長所を認めることです。

 上司の立場で言えば、欠点をさらけ出してもいいので、まずは行動を起こし成果を上げることが重要なのです。

⑶自分の人事評価を書いてみる

 自分の人事評価を自分で書いてみることですが、真剣に書こうとすると、これはなかなか難しいことです。隣の同僚とどのように比較して評価に差をつけるのか、時には競争心を持ったりしていた同僚と自分を、上司目線で比較するためには、自分を客観視できなければなりません。上司目線で自己を客観的に評価できるようになると、自分の欠点も長所も明らかになってきますし、上司のありがたみや上司の仕事の困難さもわかります。

⑷上司の働く動機を見極める

 上司も家に帰ればただの人です。家庭や家族を守るために働いていると言ってもいいでしょう。上下関係は、その時々の職務や職責の違いであって、能力差が反映されているわけではありません。このことを理解したうえで、上司の思考回路を理解することです。

 この記事では、「できない上司には「戦う」のではなく「転がす」方が効果的」と言っていますが、言いすぎでしょう(笑)。その通りですが・・・

⑸自分が先に胸襟を開く

 何度もいうっように、ビジネスは人と人との関係で成り立っています。そこにあるのはより良い人間関係・信頼関係です。上司と部下とが、より良い人間関係・信頼関係を構築できてこそ、組織やチームも成果を上げることができ生産性が高まります。

 本音で語れない上司との付き合いが長くなればなるほど、時間の浪費となり、修復が困難になります。

 自分から先に胸襟を開くということは、部下だけでなく、上司こそ率先してやるべきことです。

この記事は、「できない上司への対処法」が語られていますが、このような上司にならないように心がけましょう。そのためには、部下の言葉を親身になって聞き、部下のことを思ってその思いを真摯に部下に伝え、部下とのより良い人間関係・信頼関係を築きましょう。