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リーダーの新ルール?

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で205人、20県で感染者ゼロとなっています。政府は、米国製薬大手メルク社と新型コロナの飲み薬「モルヌピビル」を購入する契約を結んだとのことですが、コロナ治療に新たな武器が手に入ったということは喜ばしいものです。しかし、日本の製薬会社はいったい何をしているのでしょうか。日本製のワクチンや治療薬が、いまだに出てこないのは嘆かわしいことです。

さて、昨日、公明党に押し切られ、18歳以下の子供に10万円支給が決定されましたが、橋下徹氏が言うように「世紀の愚策」です。経済対策なのか、コロナ対策なのか、子育て支援対策なのか、全く目的が分かりません。経済対策やコロナ対策なら年齢制限を設けることは間違っていますし、子育て支援なら短期的な金のバラマキで解決できるものではありません。いずれにせよ、長期戦略の視点が全く欠けています。これでは、公明党の泥船に乗せられて、岸田政権は沈没します。岸田政権が沈没しようとどうでもいいことですが、日本の政治と経済の回復がさらに遅れます。もう少し、まともな戦略の下で政治を行ってもらいたいものです。

さて、今日は、Forbes JAPANの「リーダーの新ルール。『素顔』で疲れ果てる前に、管理職こそ『仮面』をかぶれ」という記事を取り上げます。

「出社時間は自由、サークルのようにワイワイ仕事をし、夜はみんなで飲みに行く、リーダーを優しいし、ルールもきっちりと決まっていないから楽である」こんな理想的な会社で働きたいと思う人も多いと思いますが、自由な職場ほど息苦しくなるのです。

この記事では、自由な会社が息苦しい理由・その解決法を通じて「私たちが本当に目指す理想の組織とはどういうものなのか?」あらためて考えてみようというのです。

1.感情を入れない。「ルール上の関係」がベストな理由

 仕事は趣味や遊びではありません。一定のルールがあって秩序に従って動いています。当然に上下の関係があります。そこでは、ルールや規則があり、それに従わなければなりません。しかし、従っている限り、特に問題は生じません。

 ところがルールや規則、上下関係がない職場では、各自が勝手に動きますし、何に従って動いていいのかがわからなくなります。逆に自由であるがゆえにストレスを感じるのです。

 交通ルールがあるために車はスムーズに流れ、交通ルールにストレスを感じる人はいないでしょう。交通ルールがなかったなら、道路事情は無茶苦茶になり、車の運転手だけでなく通行人もみんながストレスを抱えどうしていいかわからなくなります。これと同じです。

 まず、リーダーがやるべきことは「ルールを決める」ことです。

 組織を運営するうえで、必ずルールが必要になります。それを現場レベルで決めるのがリーダーの役割です。ここで問題なのが、ルールを守らせるときに、個人的な感情を加えてしまうことです。例外を作ってしまうと、チームや組織は脆くなります。「急いでいる場合赤信号を無視していい」では一気に道路は混乱してしまうのと同じです。

 「あの人は許されているのに自分はなぜダメなのか」と言い出す人が出ると、組織やチームは無茶苦茶になります。

 「上司」と「部下」という関係もルールが作り出したものにすぎません。別に人間的な優劣がついているわけではありません。組織やチームというのは、一定の目標に向かって共に突き進んでいくためのもので、目的達成のための「機能」にしかすぎません。上司と部下というのもルール上の関係にすぎないのです。ルール上の関係はルールで運営するのがいいのです。そこに感情が入り込むと「ルール上の関係」という意識が希薄になります。

 ここでは、「リーダーは個人的な感情で動くのではなく、組織の人間として仮面をかぶり、ルールを守らせないといけない」と言っています。

 しかし、「すべての感情を押し殺して、ロボットや機械のようになれ」というのでは違うように思います。いつも言っているように会社や組織・チームは人と人との関係で成り立っています。より良い人間関係、信頼関係が必要で、そのためには相手を思いやる心が必要です。感情を抜きにより良い人間関係・信頼関係は築けません。

2.フォーカスすべきは5つのポイントだけ

 部下やスタッフを持つと、これまでの仕事の延長ではなくなり、「全く別の次元の能力」が必要になります。これが「マネジメント能力」です。

リーダーに必要なのが「マネジメント能力」であるという点は間違いありません。

 この記事では、リーダーがフォーカスすべき5つのポイントとして、「ルール」「位置」「利益」「結果」「成長」を挙げ、これに絞ってマネジメントすべきと言っています。カリスマ性も人間的魅力も一切不要というのです。しかし、リーダーにカリスマ性や人間的魅力がなければ、部下やメンバーはその人のために、チームのために仕事をしようという気にはなりません。

 以前、リーダーに必要なものとして「謙虚さ」を挙げたことがあります。ここでいう「謙虚さ」は「ひたすら低姿勢」ということではなく、「確固たる信念やポリシーを持った」謙虚さです。また、「優秀」というのは「優しさに秀でている」ことと書きました。優秀なリーダーは優しさに秀でていなければなりません。それは、相手のことを親身に思い、相手のことを知り、理解して、相手と共感できる優しさです。

 これらは人間的な魅力でありカリスマ性を生み出してくれるものです。これらを否定するのはいかがなものかと思います。

3.「素顔」で疲れ果てるか「仮面」で生まれ変わるか

 自分らしく「素顔」のままでいたいと思うことはあります。しかし、素顔でいることは疲れます。時には「仮面」をかぶりたくなります。

 人間だれしも、「仮面」をかぶっています。いかに親しい友人や家族であっても仮面をかぶっているものです。

 いつも「素顔」でいることなどできません。場合に応じて色々な「仮面」をかぶればいいのです。したがって、この部分については否定するつもりは全くありません。

 しかし「リーダーの仮面をかぶって仕事を進めて、人に嫌われても、それはあなたの人格が否定されたわけではありません」という記述には違和感を覚えます。

 リーダーが自分の素の部分を隠して「仮面」をかぶるのは、リーダーとして部下とのより良い人間関係や信頼関係を築き上げるためでなければなりません。先ほども書きましたが、カリスマ性や人間的魅力を投げ捨ててドライになることではありません。

 鬼や夜叉の仮面をかぶるのではなく、謙虚で優しさに秀でた仮面をかぶるのです。

色々と批判的なことを書きましたが、リーダーのあり方、組織のあり方を考えるには良い記事ではないかと思い取り上げました。