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職場における「しんどい・辛い」を消す方法

おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で1万2207人、順調に減少しているようにも見えます。行動制限緩和、水際対策緩和で経済を回したい政府にとっては、悦ばしいことですが、これまでも言っているように、急激にアクセルを踏んだのでは、暴走します。現在実証ツアーを実施していますが、タイからのツアー観光客にコロナ感染者が見つかりました。感染していたのに入国させたのか、日本国内で感染したのかは分かりませんが、前者だとすれば水際対策の不手際ですし、後者だとすれば、まだ観光客の受け入れを認めるのは時期尚早ということです。

さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「職場の嫌なヒト、コト、『しんどい』をスーツと消す方法とは?」という記事を取り上げます。

5月のゴールデンウィークも終わり、新入社員だけでなく中高年にも五月病が見られるようになります。現代はストレス社会なので、新入社員だけでなく多くの人がストレスを抱え、特にコロナ禍での環境変化で「働くのが辛い」「人間関係がしんどい」「自信が持てない」といった不安や悩みを抱えています。

この記事は、井上智介著「1万人超を救ったメンタル産業医の職場の『しんどい』がすーっと消え去る大全」という本に基づいています。

1.働くのがつらい

 「働くのがつらい」と思うときはあります。井上氏は「あなたを守れるのはあなただけ」と言います。「体は心の疲れに正直」で、精神的な負荷がかかりすぎると、「肉体的な疲れ」「微熱」「痛み」といった症状が現れます。こうした症状が現れた場合、自分で自分の体や心を守るしかありません。会社は守ってくれないのです。

 確かに経産省は「健康経営銘柄」「健康経営優良法人認定制度」など健康経営に係る各種顕彰制度を創設し、優良な健康経営に取り組む企業を見える化することで、従業員の活力向上や生産性向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上に繋がると期待されています。しかし、現実を見ると、積極的に健康経営に取り組んでいる企業は多くありません。

 会社側は、辛そうな従業員を見ても、貴重な労働力を失いたくないばかりに見て見ぬふりをしています。人手も足りず長期間労働を強いられ、ストレスや疲労が蓄積し、パフォーマンスは下がります。本来ならば、いったん休んでリセットすべきですが、「休むと周りや会社に迷惑がかかる」と休めずにいるのです。

 多くの人が頑張りすぎているのです。以前も書きましたが、100点を目指す必要はありません。70点で十分です。70点を持続し続けることが大切です。入学試験でも100点を取って合格する必要はありません。60点が合格ラインだとすれば、それを超えればいいのです。70点なら御の字です。

 井上氏も「人生の合格ラインを60点にすること」で十分だと言います。理想まで40点足りなくても、ここまで一生懸命頑張ってきた努力を認めてあげればいいのです。

2.もう頑張れない

 会社や仕事に追われ、「毎日気持ちが沈む」「明日どんな仕事や大変なことがあるかと不安に駆られる」なら、それは「心理的視野狭窄」の状態に陥っています。これは、物事全体を俯瞰できず、「悪いこと」「できていないこと」ばかりに目が向いている状態です。こうした漠然とした不安に対して、次のようなステップを踏めば、解消できます。

  1. 不安や悩みを書き出す
  2. 自分でどうしようもできないことは無視する
  3. いまできることにチャレンジする

 仕事をしていると、次から次へと雑念が湧きます。追い払おうとすればするだけ、次々と襲ってきます。そういうときはいったん紙に書き出すことです。以前紹介した「ブレインダンプ」です。そうすれば、気分は落ち着きます。その上で、無視するのです。そして今やるべきことに集中するのです。

 先ほども書きましたが、全力投球する必要はありません。人生は長距離のマラソンです。全力投球は素晴らしいことですが、全力投球しても報われない時代です。60点合格を目指せばいいのです。

 受け止め方を変えれば、少しはラクになります。「人生なんて、こんなもの」と開き直り、まるごと受け入れることです。頑張っている自分を、そのまま受け入れることができれば、自分が誇らしく思えてきます。

3.人間関係がつらい

 職場のストレスの要因は「人間関係」「仕事の量」「仕事の質」の3つです。特に人間関係で悩む人は多いです。最も厄介なのは上司との関係です。真面目な人ほど、上司の心変わりを気Tライして全力でさまざまな策を弄します。しかし、そのほとんどが徒労に終わります。他人を換えようと労力を割くよりは、自分が変わる・受け止め方を変える方がラクです。

 井上氏は、「自分を犠牲にしてまで付き合うべき人や仕事は、この世に一つもない」と言います。確かにその通りですが、そう割り切れないから悩み苦しむのです。

 ビジネスにおいては、付き合いを辞めることができない相手はいます。付き合いを辞めることができない相手には、以前紹介した「三猿」対応で、必要最小限のやりとりだけをすればいいのです。相手を変えたり、相手をコントロールすることはできません。自分が変わる・対応を変えるしかないのです。

 井上氏は「空から全体を眺め、第三者的な視点で自分と周囲の関係を俯瞰する」鳥の眼を重視します。全体を客観的に俯瞰できれば、いかに上司が、ちっぽけな存在で、自分の人生に影響を与えるものでないことが分かります。

4.自信が持てない

 私たちは、どうしても他人と自分を比べてしてしまいます。そして、自分は相手に負けたと自信を失ってしまうのです。失敗したり、誰かに負けたと感じ、自信を失うと、次に「誰にも必要とされていない」と考えてしまうこともあります。

 人と比較してもいいことは何もありません。人と比較する場合、どうしても主観的に比較してしまい、自分の悪いところばかりに目が行ってしまいます。自分の中に、相手よりすぐ入れているところはいくらでもあるのに、そこには目が行きません。

 悩みは人に聞いてもらうことで、気分がスーッと晴れることもあります。

 自信を持つには成功体験を積み重ねることです。どんなに小さなコトでもそれをつき重ねていくことで大きな自信に繋がります。自ら目標を決めて、その目標に向けて自分で取り組んでいくことです。失敗すると重って行動すると失敗する可能性は高くなります。逆に、成功すると思って行動すれば、成功に近づきます。

 人間は誰しも失敗するものです。失敗しない人というのはチャレンジしていない人です。失敗は、ある時点では失敗かも知れませんが、長い目で見れば、「成功への途中」であり、「成功の芽」なのです。