中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

人生や経営が安泰ムードになったら警戒すべし

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で16万6205人で、お盆の検査数の少なさからか、感染者数は抑えられていますが、307人が亡くなられ、第6波のピークに迫る勢いです。高知県ではよさこい祭りクラスターが発生し「BA.5対策強化宣言」が出されました。お盆明けから各地で感染者数が増加することが懸念され、通常の医療体制にも大きな影響が出始めています。第7派の収束の目途は立たず、政府はなす術なく傍観するのみで、政府としての役割を果たしていません。自ら自衛するしかありませんが、多くの人は気が緩み、基本的な感染対策をしていない人も見受けられます。高齢者や基礎疾患を有する人の命を守ることを第一に節度ある行動をとってもらいたいものです。

今日は、東洋経済オンラインの「順風満帆な人生は延びていない証、永守重信氏が人生や経営が安泰ムードになったら警戒すべしと説く理由」という記事を取り上げます。

永守氏は、今年4月に、昨年6月に日本電産のCEOに就任したばかりの関潤氏を解任し自らCEOに返り咲きしました。永守氏は、経営者としての「カリスマ性」を帯びる一方で、「本人の能力がすごすぎて、人をコーチングできない」と厳しい批判に晒されています。このところ、いくつかの企業でカリスマ経営者の老害の弊害が出ているように思いますが、彼らのこれまでの経営者としての実績やすごさは揺るぎませんし、彼らの名言は今なお多くの経営者の参考になるものばかりです。

1.人生というものは8勝7敗で勝ち越せばいい

 人生にしろ経営にしろ成功ばかりではありません。失敗の積み重ねが成功を呼ぶこともあります。10勝全勝の人生や経営なんてありません。失敗するから、人や企業は成長できるのです。

 しかし、人間というのは、失敗から学ぶというのが苦手な生き物です。少し古くなりますが、阪神淡路大震災での経験が東日本大震災に活かされたかという塗装ではありません。結局同じ轍を踏んでいます。今回のコロナ禍の危機的状況でも同じです。相変わらず、後手後手の対策に終始するばかりで危機感路が全くできていませんし、学習能力が極めて低いです。

 永守氏に限らず、稲盛和夫氏も松下幸之助氏も失敗の重要性を指摘しています。エジソンの言葉からもわかるように、失敗が人を育ててくれることは明らかです。失敗があればこそ、人は反省し、再びチャレンジすることができます。その積み重ねが大きな成果を生み出してくれます。人間誰しも失敗します。失敗しない人なんかいません。テレビドラマ「ドクターX外科医」の米倉涼子演じる大門未知子くらいです。もし失敗しないと言う人がいるとすれば、その人はチェレンジせず逃げているのです。

 永守氏は、「失敗を恐れず、諦めずにやる、できるまでやることを徹底できれば、必ず人生は開けてくる」と言います。それはその通りだと思います。ただ、永守氏は「私は50年間、毎日朝早くから働き出し、土日もがむしゃらに働いてきた結果として今日の日本電産がある」と言います。確かに経営者としてはがむしゃらに働くことは必要かも知れませんが、働き方改革が叫ばれ、さまざまな働き方がある中、朝早くから夜遅くまで、土日も休みなく働く働き方が時代に合っているとは思いません。それぞれの価値観に合った働き方をする中で一生懸命働けばいいのです。

2.成功は「真似る」ことから始まる

 明治維新もそうですが、日本の戦後復興は欧米を真似ることから始まりました。欧米を真似ることで日本企業は、高度成長期に大きな進歩・成長を遂げました。

 永守氏が言うように、「成功のための原理原則というのは、何もないところから降って湧いてくるような類いのものではなく、先人のやり方を真似て学んだ先にしか存在しない」のです。

 永守氏は、新入社員に「最初の1年は給料泥棒でもいい。儲けてくれとは言わないから、真似て学ぶことを徹底して欲しい。先輩のことをよく観察して、仕事のできる人とそうでない人は何が違うのか、しっかりと見極めて、仕事のできる人のやり方を真似るようにしろ」と言います。

 「真似る」と言うことは真似る対象を選ぶということです。失敗ばかりしている人を真似ても成功をたぐり寄せることはできません。成功している人を真似るから成功に一歩近づけるようになりますし、仕事ができる人を真似ることで、仕事ができるようになるのです。

 真似て学ぶということは、すべてを教えてもらうことではありません。すべてを教えてもらっていては、自分で考えることはできません。自ら試行錯誤しながら真似て学習しながら正解を導き出すのです。ただ単純に真似るだけでなく、頭の中で考えながら、真似をし、それを繰り返していくことで、本物に近づけるのです。

3.言い訳しているうちは成功しない

 何かを成し遂げたいと考えているなら、「必ずできる」という意気込みでやり抜く覚悟が必要です。ところが、このところ「コロナだから」「ロシアのウクライナ侵攻があったから」などと言い訳をする人がいます。言い訳をしたからと言って人生にしろ企業にしろ良くなることはありません。言い訳をしているうちは成功しません。むしろ衰退するだけです。原理原則さえしっかりとしていれば、危機的状況が訪れても慌てることはありません。

 自分の前の課題から逃げずにぶつかれば、そこから必ず学びが生まれ、進むべき方向性が見えてくるものです。どこかに良い方法はないかと考えるだけではダメです。すぐにやる、必ずやる、できるまでやるしかないのです。「朝の来ない夜はない」という言葉があるように困難は必ず解決方法を連れてきてくれます。どんなに長いトンネルでも、前に進んでいれば、いつかは出口にたどり着きます。

 困難が解決策を連れてくるので、困難から逃げていては明るい朝はやってきません。一般に多くの人は、困難から逃げてばかりいます。だから解決策にたどり着けないのです。困難から逃げずに立ち向かうことで解決策が見えてくるのです。

4.失敗や挫折に強い人、強い会社を作る  

 困難に正面からぶち当たれば、失敗したり挫折したりすることもあります。その失敗や挫折が強い人や強い会社を作ります。先程も書きましたが、失敗というのは、一生懸命やる、チャレンジするから起きるものです。順風満帆な人生や会社は「伸びていない証」であり、決して誇れるものではありません。

 人も会社も、成長するためには必ず困難がつきまといます。その困難を打ち破った先に成長や成功があるのです。挑戦の中から出てくる失敗と対峙して、そこから這い上がる、逃げ出したくなるのを我慢して真っ黒なトンネルを突き進む、ことで成長や成功の光が見えてくるのです。人生も経営も安泰ムードになったら、それは悦ばしいことではなく、警戒すべきことなのです。