中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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若手後継者に焦点 シンクタンク発足

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おはようございます。

今日は、「一般社団法人ベンチャー型事業承継(東京都千代田区)は24日までに中小企業経営者に関するシンクタンク『アトツギ総研』を設立した」(SankeiBiz)という記事をを取り上げます。若手後継者に先代や古参の従業員との関係、資金調達など事業承継の課題の解決を後押しするというのです。

事業承継については以前(12/11)にも書きましたが、中小企業の事業承継には課題が累積しています。後継者がいる場合でも、後継者を育成し社長業を教え社内に受け入れてもらい取引先や金融機関との関係を構築する必要があります。それは並大抵なことではありません。こうしたシンクタンクが、後継者の育成を考える中小企業や若手後継者にとって意義あるものになることを期待しています。

ただ、中小企業の場合、抱えている問題や課題は千差万別です。それぞれの中小企業において異なっています。それに的確に答えを与え、あるいは進むべき道筋を提示できるかと言えばなかなか困難です。かなり会社の中に入り込まなければ各々の中小企業が抱える独自の問題点や課題を見極めることは難しいのです。しかも、若手後継者のみならず先代社長自身も自社の問題点や課題を把握しきれていないケースが多いのです。

こうした状況で、このシンクタンクがどこまで真摯に中小企業の課題に向き合い後押しできるか見届けましょう。

「後継者育成」について考えてみます。

中小企業、特に小企業の場合、いきなり息子(後継者)を部長・専務あたりの役職につけ、次期社長にするというケースが見られます。しかし、中小企業の経営者にとって必要なものは現場感覚です。後継者でも、現場から段階的に役職を上がっていく必要があります。ただ、一般の従業員は各駅停車でいいでしょうが、後継者は特急で全速力で上っていく必要があります。後継者にはその心構えが大事です。また、いきなり後継者に専務なり部長という役職を与えると、従業員特に古参の従業員から「いきなり部長(専務)か、現場も知らないのに偉そうにして」みたいな反感を買います。取引先や金融機関との関係も同様です。いきなり役員にすれば、社長の息子だという風を吹かし横柄な態度をとるようになります。20代は現場で、20代後半から30代前半は管理者、30代後半は役員、40代で社長職という流れが理想でしょう。ヒラ→主任→係長→課長→部長→役員→社長というように段階的に経験を積ませ昇進させて後継者を育成しましょう。

後継者にとって現場の経験が大事だと言いましたが、現場感覚だけでなくスキルアップが必要です。技術的なことは言うまでもなく、より人間的なスキルアップが重要です。

同じ後継者の人との接触、他業種の人との交流などで人脈を広げることも大切です。その中から多く学べることがあるはずです。すぐには仕事に結びつかないかもしれませんが、人間的な成長にはきっと役立つはずです。ただ、くれぐれも付き合ってマイナスにならない人を選ばなければなりません。