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大塚家具、ヤマダ電機の傘下へ。コクヨ、ぺんてる買収失敗。

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大阪駅北再開発

おはようございます。

今日は、「大塚家具、ヤマダ電機の傘下へ」「コクヨぺんてる買収失敗」の二つのニュースを取り上げます。一昨日の事業承継の延長線上の話、M&Aについてです。

まずは、大塚家具ですが、4年ほど前の父娘の経営権争いから企業イメージが低下し4年連続の赤字で低迷が続いていました。一方ヤマダ電機側もヤマダホームズの住宅市場も伸び悩んでいました。その意味で、ヤマダ電機も大塚家具を子会社化することで住宅市場で家電のみならず家具をも含めたトータルな提案ができることになります。また大塚家具は、ヤマダ電機の顧客を取り込むことができ、双方にとってメリットがあると考えられたのです。当方が家具、家電といった個々の商品の提供会社ではなく、トータルな生活設計を提案できる企業に成長できれば、このM&Aは成功となるでしょう。

次に、コクヨぺんてるについてです。コクヨは、ぺんてるの子会社化に向けて敵対的買収を行いましたが、過半数の株式を取得することができなかったようです。また、プラスも友好的にぺんてるの株式を買い付けていましたが、ぺんてる陣営とプラスを合わせても過半数を取得できたかは不明のようです。コクヨは今後もぺんてる筆頭株主としてかかわる模様で、ぺんてるの経営に波乱をまき起こす可能性も否定できません。今後のコクヨぺんてる、プラスの関係に注目です。

さて、M&Aですが、友好的M&Aと敵対的M&Aがあります。わが国では敵対的M&Aは例外的なものでしたが、近年はよく見られるようになりました。ただ、友好的とか敵対的とかいうのは、あくまでも経営陣から見た区別にしかすぎません。

M&Aについては形態別に、すなわち買収分野を基準にとらえた方がいいでしょう。

まずは、水平型M&A。これは同じ業種の中の他企業をターゲットにするもので市場占有率の拡大を狙います。次は、垂直型M&A。これは同じ業種の中の川上、川下企業をターゲットにするもので、原材料の購入・生産・販売まで一貫体制の確立を狙います。最後に、多角化M&A。これは他業種を含む企業をターゲットにするもので、新たな収益事業を獲得しリスク分散を狙います。

コクヨぺんてる買収で狙ったのは水平型M&Aで、大塚家具とヤマダ電機多角化M&Aです。

中小企業においても、事業承継の場面だけでなく、事業拡大や多角化といった面でM&Aの手法をと入り入れるのも手かもしれません。また、緩やかな結びつきであるアライアンス(提携)も外部資源の活用によって自社能力を拡張しそれによる競争上の強みを築くことができます。