不況時に変われる会社
おはようございます。
全国の商店主やタクシー運転手らの「街角の景況感」が14.5ポイント低下しました。新型コロナウイルス感染拡大の悪影響が鮮明に表れ、これは東日本大震災以来の低水準です。特に外食業・観光業が落ち込んでいます。また、内閣府は、発表するGDP(10月~12月)を前期より年換算で7.1%減に下方修正しました(2/17の発表では6.3%減)。マイナス成長なので「景気後退」というべきですが、内閣は「緩やかに回復」というおかしな論理を使っています。このまま経済活動の抑制が続けば雇用や賃金に悪影響が及び、一時的な景気後退では済まなくなります。安倍総理は後手後手に回った感染対策の失敗を隠そうと躍起になって感染拡大防止策を繰り出していますが、経済活動・景気対策とのバランスをいかにとるかということが大切です。自粛要請に偏り景気対策・経済活動に関する目配りが不十分なように思います。このまま進みオリンピック中止という事態になれば「令和恐慌」は避けられません。またオリンピックが開催されても必ずオリンピック後に不況が訪れます。
今日は、ダイアモンド・オンラインの「不況でも成長!『変われる企業』に共通する5つの特徴」を取り上げます。
世界で最も革新的な企業100社のうち、アメリカ企業が51社、日本企業と中国企業がそれぞれ7社となっています。そのうちの日本企業は、ファーストリテイリング(ユニクロ)32位、キーエンス38位、オリエンタルランド40位、ヤフー69位、日本電産80位、ファナック81位、資生堂87位です。
これらの顔ぶれを見ると多くが創業者主導・トップダウンの会社です。
- ファーストリテイリング…柳井正氏
- キーエンス…創業者滝澤氏による科学的な経営のもと驚異的な売上・利益率を実現
- オリエンタルランド…米ディズニーと対等な関係を実現 現CEO加賀見氏
- 日本電産…永守重信氏
- ヤフー…ソフトバンク(孫正義)傘下
- ファナック…富士通から分離独立 稲葉清右衛門氏
- 資生堂…外部プロ経営陣の登用
本記事は、「これ以外にも、リクルート、コマツなどエクセントかつイノベーティブは企業は多数存在するとして、仮に景気が後退局面の入り口だとしても、それを打破するために学ぶべき先例や好例は枚挙にいとまがない。経営努力と実現によっていくらでも状況は改善できる」としています。そして「変われる会社」の特徴として
- オーナーまたは強いトップレッドの会社
- 外国資本の多い会社
- 事業の海外依存度の高い会社
- 傍流出身または外部招聘の会社
- 倒産寸前または倒産経験のある会社
を挙げ、「共通するのはいずれも変化への圧力が非常に強い」という点だとしています。これについては、若干疑問があります。今回のコロナショックで海外依存度の高い会社が痛手を被っています。倒産寸前の会社は今回のような事態には持ちこたえられません。また、トップダウン型経営の問題点については以前(2/14)に書きました。
「変化への圧力をどれだけ自助努力によって高め、変化に対して待ったをかけずに実行し、乗り越えていくかということこそが、今のトップに求められる経営手腕だ」という点については、今回の緊急事態への対処にはその通りかもしれません。しかし、小泉政権時にトップダウン型で失敗してきた歴史もあります。2月14日にも書きましたが、トップダウン型にもボトムアップ型にもメリット・デメリットがあり、どちらが良いとは言い切れません。
イノベーションという観点から考えてもトップダウンが必ずしも良いとは思いません。ボトムアップによって引き起こされるイノベーションもあるはずです。意思決定したい内容や業務によってどちらが良いか、自社にとってどちらが適しているかを見極めることです。
ただ、今回の緊急事態において企業の存続・成長を果たすために変わらなければならないことは事実です。今できることをやることです。管理体制を見直し無駄を省くことです。海外依存が高くてその影響をもろに受けたのなら海外依存度を低下させ国内依存度を高める、飲食ならば宅配・デリバリー・テイクアウトへの業態開発を行うなど新たな取り組みを行うにも良い時期です。今一度、原材料費、人件費などの経費をしっかりと見直し管理して、高収入体質を築き上げることです。顧客が減り時間がある今だからこそ考えることができます。
新型コロナウイルスはいずれは下火になります。今はピンチかもしれませんが、コロナショックが終息した時に他に先んじていち早くチャンスに変えるために今という時間にできることを取り組んでください。それまでは耐えるしかありません。頑張ってください。