中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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え?! マスク2枚配布

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おはようございます。

安倍首相が大胆な発言をしました。この時期に各世帯に布製マスク2枚を配布するというのです。この間の記者会見で新型コロナ対策として大胆な政策を打ち出すと言っていましたが、それがこのマスク2枚ですか?「現金給付だ」「一律なのかターゲットを絞るのか」「消費税減税か」と議論しているときに「マスク2枚配布」、まるでコントです。マスク配布を言うなら1か月以上前でしょう。今は現金給付、休業補償をどうするかでしょう。現金給付や小切手支給の案に対し「口座把握や小切手送付先の住所を調査するのに3か月かかる」と言っていたのに、マスク配布は「郵便日本郵政の全住所配布システムを使えば2週間でできる」と言っています。矛盾していませんか?どうも現金支給はしたくないようですね。

安倍首相は、緊急事態宣言の発令に慎重な姿勢をしていますが、日本医師会は「現状として医療崩壊は起きていないが、それを防ぐためにも早く緊急事態宣言を出すべきだ」と緊急事態宣言を出すように要望し、経済界からも早めの緊急事態宣言を求める声が上がっています。今は、東京、大阪は特に危機的状況にあるように思います。北海道の鈴木知事は早い段階で、独自に「緊急事態宣言」を出し、爆発的な感染拡大を押さえました。こうした指導力・リーダーシップが政府や地方公共団体に求められます。地方公共団体の知事・市長は比較的頑張っておられるように思いますが、政府はというと「マスク2枚」ですから首を傾げたくなります。

今日は、J-CASTニュースから「山中教授が『批判を恐れず』5提案 コロナ対応『ペースダウン』に危機感」を取り上げます。

京都大学山中伸弥教授(ips細胞でノーベル生理学・医学賞受賞)が自らの公式サイトで新型コロナを巡る提言を示しました。国や自治体の対応が「急速にペースダウンしている」との危機感から「国民への協力と適切な補償」などを訴えているものです。

その5つの提言とは、①今すぐ強力な対策を開始する ②感染者の症状に応じた受け入れ態勢の整備 ③徹底な検査 ④国民の協力と適切な補償 ⑤ワクチンと治療薬の開発に集中投資です。

  1. 「今すぐ強力な対策を開始する」では、感染拡大を防ぐための強硬策を打ち出すように求めています。中国やアメリカを例に都市封鎖や旅行制限などの厳格な対応をしても第1波の終息には時間がかかるため、わが国でも東京や大阪などの大都市では強力な対策を今すぐにでもやるべきだとしています。
  2. 「感染者の症状に応じた受け入れ態勢の整備」では、無症状者や軽症の感染者は病院ではなく専用施設で経過観察を、重症者には感染病床の増床など医療体制の充実を求めています。
  3. 「徹底的な検査」では、医療崩壊させないよう感染者の受け入れ態勢を充実させたうえで、「ドライブスルー検査などでPCR検査体制を拡充させ今の10倍、20倍の検査体制を大至急作るべき」としています。
  4. 「国民の協力要請と適切な補償」ではワクチンと治療薬が開発されるまで国や自治体は国民に対し、補償を伴った協力要請をすべきだとしています。
  5. 仮に海外でワクチンや治療薬が開発されても、日本への供給の遅れや高額になる懸念から、「産官学が協力し国産のワクチンと治療薬の開発に全力で取り組むべき」としています。

専門家の意見を聞かず独断専行で推し進める安倍首相には、こうした提言に真摯な態度で接し、適切な対応をとってもらいたいものです。

次にAERAの福岡伸一教授(青山学院大学)の「理論的だが、コロナウイルス問題を2週間で解決する方法」を取り上げます。福岡教授は、以前休日の本棚で紹介した「生物と無生物の間」の著者で、分子生物学・ウイルスが専攻です。

この記事では、治療薬もワクチンも集団免疫も持たず、2週間でコロナウイルス問題を解決する方法が「理論的」には存在するとされています。

その方法とは、①各家族に2週間分の食料と水を与える。②その間、完全完璧な隔離をする ③2週間待つ ただそれだけです。人間の体内ではウイルスと免疫系の戦いは2週間で決着がつくからです。

その結果、①家族内に感染者がいなければ何も起こらない ②家族内に感染者がいた場合、家族間で感染・伝播が起こり、多くの場合、免疫系がウイルスに勝ち、体内のウイルスは分解除去される。不幸にも免疫系がウイルスに負けて宿主が亡くなった場合、体内のウイルスは増殖できず、2週間後にはこの家族内にもウイルスはいなくなる ③この結果世界中(日本中)のウイルスは駆逐されるというのです。

福岡教授は、理論的な思考実験で現実的にすぐ実行に移せるものではないと言われていますし、「完全隔離」を前提とし、発症者が病院に行くことも考慮されていません。この「完全隔離」作戦でも計算上多数の死者が出ることが予想され、また例え免疫系が勝利してもウイルスを保有する潜伏者がいることも予想されます。完全隔離でもウイルスに完全に勝利することは困難なのです。

福岡教授は、「ウイルスとの戦いはそれくらい困難を伴うものである。適切な隔離政策で広がりを抑えつつ、長期的にはインフルエンザのように共存していくことを選ぶしかない」と言われています。

山中教授も福岡教授も、都市封鎖などで隔離するという強力な対策が効力を持つと言われているように思います。

山中教授も福岡教授も、新型コロナウイルスについてかなりの危機感を持たれています。アメリカやヨーロッパでは爆発的な感染拡大から、トランプ大統領をはじめ各国首脳が強力なメッセージを発し強力な対策を実施しようとしているのに、日本では安倍首相・政府のみならず国民も危機意識が欠如しているように思います。一人一人が危機意識をもって、このウイルスに立ち向かいこの危機を乗り切るように頑張りましょう。