中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

4月1日から働き方改革関連法施行

f:id:business-doctor-28:20200403085349j:plain

おはようございます。

新型コロナ感染者が東京都で97人、大阪府で34人、全国で277人になりました。小池都知事は、「これが最大であることを願っている」を言いましたが、東京都の感染者が三桁になるのは時間の問題でしょう。緊急事態宣言発令の要件は①国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件 ②全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるものとして政令で定める要件の2つです。①の要件は重症症例が通常のインフルエンザと比較して相当多くみられる場合を意味し、②の要件は、㋐報告された患者等が誰から感染したか不明の場合、または㋑報告された患者等が誰から感染したかは判明しているが感染のさらなる拡大の可能性が否定できないと判断された場合を意味します。安倍首相は、ぎりぎりのところでも保っていると言いますが、この規定を見れば現状はどちらの要件を満たしているように思います。安倍首相は緊急事態宣言を出したくないようですが(緊急事態宣言を発令し私権制限や外出自粛要請・営業自粛要請を行えば補償の問題等が浮上するので出したくないのでしょう)、来週あたり東京の感染者数が三桁になってさらに増えれば緊急事態宣言を出さざるを得なくなるように思います。

またまた、政府が新型コロナウイルスの影響を受けた大企業に1000億円程度(総額4000億円程度)を出資する案を検討しているというニュースがありました。対象は全産業で、航空業界、自動車や船舶業界などで、1社あたり数十億円から数百億円規模で優先株での出資を検討しているというのです。中小企業支援策と比べて極めて手堅い支援です。大企業は倒産されたら困るが、中小企業は倒産しても良いというのでしょうか。この間も書きましたが、倒産⇒失業⇒経済死という悪循環を断ち切らなければリーマンショック以上の自殺者が出てしまいます。そのためにはゾンビ企業を生むことになっても中小企業支援をしっかりと行って新型コロナによる倒産危機は避けねばなりません。今回の新型コロナショックは、インバウンドの観光・宿泊・飲食・小売りといった「下」から始まり「上」へ上がっています。まずは最初に影響を受けた「下」の中小企業・個人の救済が先です。そのあとで大企業の救済です。順番が逆でしょう。

さて、4月1日から「働き方改革関連法案」が順次実施されます。

まず、従前のパートタイム労働法が「パートタイム・有期雇用労働法」に改正され、4月1日から施行されました(中小企業は2021年4月1日から)。このパートタイム・有期雇用労働法は、同じ会社で同じ仕事をする正社員とパートや契約社員派遣社員などの非正規労働者で「基本給」や「賞与」をはじめあらゆる待遇の不合理な格差を禁止することを定めています。したがって、現在雇用している正社員と非正規労働者の間に待遇の差異がある場合、それが不合理な待遇の差かどうか確認し不合理なら改めなければなりません。そして、待遇差について説明を求められた時には説明しなければなりません。説明が義務付けられています。中小企業は来年まで猶予が認められますが、できるところから順次変えていきましょう。

新型コロナウイルスの影響で、リストラ、採用取り消し、派遣切りが増加しています。倒産による失業の前に非正規労働者の解雇が始まっています。中には事前通告もなく休業補償の支払いもなく即日解雇されている人もいるようです。しかし、今回の新型コロナウイルスに伴う解雇でも、正社員だけでなく非正規労働者の場合も解雇を行うには要件があります。その要件とは、①人員削減の必要性 ②解雇回避のために努力したか ③解雇対象者選定方法の合理性 ④解雇手続きの妥当性 です。整理解雇は会社都合による解雇なので通常解雇よりも要件が厳格になっています。非正規労働者の場合には正社員に比して若干要件が緩やかになりますが、解雇の客観的合理性と社会通念上の正当性がなければなりません。コロナショックだからといって安易に許されるものではありません。仮に要件をクリアしても休業補償は必要です。30日前の事前通知又は30日間の休業補償は必要です。コロナが原因で休業を余儀なくされた場合、国は休業補償として一人当たり1日8330円を補助するとしていますが、これは全額休業補償をし国に申請した企業に支給されるもので直接労働者個人に支給されるものではありません。ここが問題なのです。万が一休業補償をもらえなかった労働者は会社を相手に裁判するか泣き寝入りするしかないのです。政府にはさらなる対策をとってもらいたいものです。また、コロナショックの中、今こそチャンスととらえ雇用を拡大する企業もあります。今は全員が耐える時期です。中小企業も安易に整理解雇を行うのではなく全員で耐えていきましょう。整理解雇の要件を満たさず休業補償もしなかった場合、裁判にでもなれば却って多額の出費や悪評などの被害を受け存続存亡の危機にもなりかねません。注意して行動しましょう。