中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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イノベーションの芽

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おはようございます。

昨日近畿3府県の緊急事態宣言が解除され、少しずつ日常の生活が戻ってきます。しかし、急激に元に戻そうとすると感染リスクが高まり、第2波で感染拡大を引き起こしてしまいます。気を引き締めて「新たな日常」を続けるしかありません。

昨日は「コロナ禍をチャンスに変えるビズネスとは」という記事を紹介しました。「新たな日常」「新しい生活様式」はビジネスにとって、あるいは起業するには絶好のチャンスです。発想を変えて「新しい商品・新しいサービス」としてどのようなものがあるかを考え、それを形にできれば、イノベーションを起こすことが出来ます。見方を変えればイノベーションの芽は見つけられるはずです。どのような業種、業態にもイノベーションの小さな芽はあります。それを見つけ出し水をやって大きく育て花を咲かせるだけです。

ネットニュースに、ビジネスパーソンの仕事のやり方、人生の生きがい、意欲などに関する意識調査の結果が載っていました。

「仕事のやりがいや目指すべき目標はありますか?」という質問に対し、約63%の人が「いいえ」と回答しています。また、「現在の生活に対してお金の蓄えや十分な収入がありますか?」という質問には約76%の人が「いいえ」と回答しています。多くのビジネスパーソンが仕事にやりがいや目標を持たず、収入や蓄えも十分でないというのです。

さらに、「生きがいといえる趣味や熱中できるものはありますか?」という質問には、約52%の人が「いいえ」と答え、「健康を維持するために何か努力はしていますか?」という質問には約60%の人が「いいえ」と答えています。プライベートでも充実しておらず健康への意識も低い結果となっています。

「仕事・お金に関して、働き方改革による副業や投資などを検討していますか?」という質問には、「現在実行している」(約20%)、「検討して情報収集段階」(約17%)、「検討してみたい」(約32%)と答え、約70%の人が副業や投資に前向きであることが判明しています。

起業や副業を考えている(漠然と夢を抱いている人も含め)ビジネスパーソンがかなりいるわけですが、今は真剣に起業を考えている人にはチャンスかもしれません。しかし闇雲に起業したのでは失敗します。しっかりとしたビジョンを持って、「新たな日常」の中に「新しい商品・新しいサービス」を提供することが出来れば、必ず成功します。

また別のNTTデータ経営研究所の調査では、テレワークやリモートワークで「職場での飲み会」が減少したことに関し、半数以上が「減ったままのライフスタイルが望ましい」と回答し、通勤時間の短縮で時間が増加したことに対し、およそ3分の2の人が「増えたままのライフスタイルが望ましい」と回答しています。その多くは家族と一緒の時間を楽しむというわけですが、中にはその時間を利用し起業・副業しようという人もいます。昨日の記事のように「1億総自営業」という安易な発想で副業・起業すれば、失敗します。空き時間を利用して副業をというなら、「儲けよう」というのではなく趣味的に「損をしない程度に」という発想で行えばよいのではないかと思います。

NTTデータ経営研究所の調査では、テレワーク・リモートワークといった在宅勤務について、「今後も継続したい」が約53%、「継続したくない」が約34%、「分からない」が約13%となっています。「継続したくない」理由として、リモートワークでできる仕事には限界があることや社内のコミュニケーションが取りにくいことなどが挙げられています。今後ある程度はテレワーク・リモートワークは定着していくと思いますが、これらはその時の課題になるでしょう。早くからリモートワークを実施している会社でも「既存客はリモートでもコミュニケーションできるが、新規顧客の開拓はリモートでは困難」と言っています。しかし、新型コロナウイルスの影響が長期化している昨今、過去の資産への依存を減らし、新規ビジネスの創出につなげる工夫や発想の転換が求められます。

調査担当者であるNTTデータ経営研究所の加藤真由美氏は「オンラインセミナーを積極的に開催して新規顧客の開拓につなげたり、各種の情報共有ツールを活用してクラウド上に仮想的なオフィス空間を構築するといった創意工夫によっても部分的に補うことは可能」と言い、「見通しが難しい事態に直面しても、その環境を逆手にとって事業継続や成長につなげられる人材の育成が急務」と話されています。

発想を転換しやり方を変え、ツイッター、インスタグラム、ブログなどSNSを利用して情報発信すれば、新しい顧客層、新規顧客の開拓ができます。

多くの飲食店や中小企業では、新型コロナウイルスの下でも常連客や得意先に助けられていると言っています。常連客やお得意先は非常に重要です。しかし、今後コロナが収束しても「新たな日常」の中で常連客や得意先だけでは従前の売上には戻らないでしょう。新規顧客の開拓は当然必要です。

昨日の夕方のテレビで、尼崎の鉄工所が紹介されていました。今は昨年度の取引先からの受注をこなしているだけで売上が40%減、新規受注はないというのです。しかし、新規事業を立ち上げ、余り物の鉄材で鉄製品(キャンプ用品など)の製造販売を始めています。デザインは社長の奥さんが手掛けなかなかお洒落な製品になっていました。どのようにして販売されているかは分かりませんが、SNSなどを利用しネット販売されるなら、売上が見込まれ、場合によっては新規事業が従来の鉄工業の売上を上回ることもあるかもしれません。

「余っている鉄材で何か鉄製品をつくろう」というのはイノベーションの芽です。そこで、「どのようなデザインのどのようなものをつくろうか」というアイデアを考える中で芽が大きく育ちます。そして製品として完成することで花が咲きます。

このようにピンチをチャンスに変える目の付け所があるはずです。自分の手元にある物(鉄鋼)から新たなものが生み出されています。仕事のプロが自分の仕事をしているだけです。難しいことはないはずです。要は発想の転換・アイデアです。参考になると思います。