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ピンチをチャンスに

 
昨日も書きましたが、「新しい生活様式」「新しい日常」はビジネスにとってイノベーションを起こすには格好の時期です。今こそ変革の時期です。コロナ禍というピンチをチャンスに変えるにはどのようにすればよいのか、起業や副業を始めるにはどうすればいいか、を考える必要が出てきます。
1.人員とオフィスの縮小
 まず、「人員とオフィスの縮小」です。新型コロナが2類から5類に引き下げられても、コロナウイルスがなくなるわけではありません。今後も長期的にコロナウイルスと共存していかなければならないのです。「アフターコロナ」ではなく「ウイズコロナ」の時代になります。
 そのような時代環境の変化に伴い、事業構造やビジネスモデルの転換が必要となります。今後もテレワーク、リモートワークが定着していきます。そうなれば必ずしも正社員ではなく業務委託として発注することも可能となり、社会保険料や通勤費といったコストの削減が可能となります。また、出社する人が減少すれば、もはや都心に大きな事務所を構えている必要はありません。面積を縮小したり移転したり、更にはオフィスそのものが要らないというケースも出てきます。
2.首都圏・都心から地方・住宅街へ
 テレワークの普及で地方への移住も増えつつあります。また、居酒屋も「都心から住宅街へ」です。また、これまで、居酒屋をはじめ多くの飲食店は都心にありました。「仕事帰りに一杯」というわけです。
 しかし、テレワーク・リモートワークになり出勤する人が減少すれば「仕事帰りに一杯」というのはなくなります。今後は「地元需要」が底堅くなるでしょう。就業後のサラリーマン需要に依存するよりも日々の食事の一環として利用してもらう方が売上のブレが少なく、外出自粛でも近所の人ならそれなりに来てくれます。都心に比べて賃料も安く、従業員・アルバイトも近隣の主婦・大学生が中心となり交通費負担も少なくなるというのです。
3.1点集中、テイクアウト&通販型へ
 次は「1点集中・テイクアウト&通販型へ」です。これまでの多彩なメニューを止め例えばデザート1点のみに集中し、店内での飲食は辞めてテイクアウトと通販に舵を切ったという店舗、業態もあります。これにより、家賃・人件費を初め費用が抑えられ、差別化になり売上げが大きく伸びた所もあります。
 公式のツイッター、LINEなどに加え、経営者自らフェイスブック、インスタグラム、更にYouTubeチャンネルなどあらゆるSNSメディアを使い情報発信し、顧客の取り込みを図っている店舗や企業もあります。こうしたSNSの利用は広告宣伝費を抑えることにもつながります。SNSでキャンペーンやテイクアウト商品を呟くだけで来店や購入を促すことが出来るのです。
4.1億総自営業の時代
 テレワークやリモートワークで通勤・移動時間が削減され、業務効率の向上が出来れば、この時間を副業に回せます。副業や兼業を認める企業も増えてきています。1億総自営業の時代に突入です。
 インターネットが普及した今、コストをかけず、誰でもクリエイターやインフルエンサーとして活躍できる可能性があります。これは確かに新しい働き方でしょうが、クリエイターやインフルエンサーとして活躍している人はほんの一握りです。それでも、多くの人が副業や兼業を行なう時代になりました。
 「お金をかけない企業・副業」が当たり前に」なります。ブログやSNSは無料でできますし、ホームページの作成もそれほどお金はかかりません。商品が音声や動画、PDFなどのデジタル商材なら在庫もいりません。
 しかし、全国民が総自営業というのは難しいです。費用があまりかからないので、儲からなくてもいいという程度の気持ちで副業としてやる分にはよいでしょう。本業としてやるならそれなりの覚悟は必要でしょう。
 また、甘い言葉で勧誘する詐欺まがいの副業広告が後を絶ちません。副業をするのなら、何を副業とするか、真剣に考えて、安易に副業広告に飛びつかないことです。自分の強みは何かを考えて、その強みを活かせる副業に取り組むべきです。
6.ピンチをチャンスに
 新型コロナは落ち着きを見せていますが、ウクライナ情勢に伴う石油高騰、物価高騰で、今後もピンチは続きます。しかし、見方を変えればチャンスです。特に中小零細企業や店舗にとってはチャンスになる余地はあります。ちょっとしたアイデアで変わります。前述の「デザート1点に絞り、店内飲食はやめてテイクアウトと通販に切り替える」というアイデアは飲食店経営者なら思いつくことですが、問題はそれを実行する勇気ではないでしょうか。売上が減ってもそれ以上に経費が節約できれば利益は増えます。集客はSNSをうまく利用できれば増やすことが出来ます。映えるメニューや商品を開発すれば顧客がインスタグラムで拡散し宣伝してくれます。
 目先をちょっと考えて「新たなサービス・新たな商品」はどのようなものかを考え、それを具体化して開発・提供できれば、イノベーションを起こすことが出来ます。
 イノベーションの芽は何処にでもあるようです。それを見つけて育て花咲かせることが出来ればいいわけです。難しい面もありますが、ピンチをチャンスに変えるために一歩踏み出すべきです。

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