中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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マイナポイントと個人情報保護

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で602人、そのうち東京148人、大阪62人、神奈川64人、愛知36、福岡80人、沖縄33人などです。休日の関係もあって検査数自体が少ないとは言え、ピークは過ぎたようです。それでも、大阪では東大阪市の高齢者施設、神奈川で障害児向けの施設、福岡では感染症指定医療機関、奈良では病院でクラスターが発生しています。「夜の街」と言われていたのは大昔のことのようで、今では家庭内、職場内、病院や施設といった身近なところで感染が起きているように思います。全感染者な半数以上は感染経路不明なので、いつどこで誰が感染してもおかしくありません。自分もかかるかもしれないと思い、蜜を避け、手洗い、マスクなど新しい生活様式ニューノーマルを実践し、最大の注意をしなければなりません。誰でも感染する危険が潜んでいるので、「コロナ差別」は絶対にしてはいけません。「コロナ差別」も「自粛警察」と同じで正義感の表れとおもわれますが、それは間違った正義感です。常に優しさといたわりの心をもって人に接しましょう。

さて、明日から「マイナポイント事業」がスタートします。マイナンバーカード保有者にポイントを還元する消費活性化策であるとともにマイナンバーカードの普及策です。

申込みを済ませたうえで、キャッシュレス決済サービスで買い物やチャージをすると、最大5000円相当のポイントが付与されるというものですが、前提としてマイナンバーカードを作るという時間と労力がかかります。また、事前にポイント還元を受けるキャッシュレス決済事業者一社を選び、マイナンバーカードを使って専用サイトから申し込む必要があります。キャッシュレス決済事業者を事前に選ばないというのも面倒です。電子マネーやQRコード決済など109事業者が名乗りを上げ、ポイントが付与されるタイミングも事業者ごとに異なり、ポイント上乗せキャンペーンをしている事業者もあって、どこを選べばいいか迷うところでもあります。ポイント還元の対象期間は2021年3月31日までですので、利用しようと思う方は早めに手続きをした方がいいでしょう。マイナンバーカードを取得するのに2カ月くらいかかるようなので、年内に手続きをしないとポイントを受けられなくなります。

マイナポイントについて、総務省は4000万人分の予算を確保しているようですが、今のところ申込者は約330万人で1割にも満たず低調です。「面倒くさい」というのが理由のようですが。

因みに私は申し込みませんと言うかマイナンバーカードを作りません。マイナンバーカードに信用が置けないからです。元々マイナンバーカードは政府が国民の個人情報を一元的に管理しようとするところからスタートしています。すべての銀行口座をマイナンバーとリンスさせようとして反対にあい、少なくとも1つの銀行口座と紐づけすることになりましたが、いずれすべての銀行口座、それ以外の情報がすべてリンクされるようになるでしょう。中国が全国民の個人データを掌握し居場所や行動まで把握・管理しているのと大差なく、管理国家となる危険性をはらんでいます。新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」も、政府は個人情報を取得するものではないとしていますが、接触確認アプリなので、位置情報や行動情報は把握されることになります(暗号化されているので問題ないと言っていますが)。政府に個人を特定できる情報のみならず、位置情報・行動履歴なども掌握されているのではないかという危惧は残ります。流石に自身の健康にかかわることなので「COCOA」の登録者は1500万人とマイナポイント申込みに比べ多いです。

現在でも、スマホやインターネットでの検索データや購買データ、位置情報などがビッグデータとして蓄積され広告に利用されていますが、政府が個人情報を取得して利用するのと商業用に利用するのとでは目的が異なります。

日本人は自分の個人情報がどのように取得され利用されているかという点について、問題意識が低くあまり危惧していないように思います。中国はあらゆる手段で情報収集しています。これには民間人・民間企業を利用したサーバー攻撃を始め、通信産業を通じたスパイ活動も含まれます。米中対立の影響も多分にありますが、米政府は国防権限法を施行し、中国企業排除を一段と強化しています。ここで対象となるのは、通信大手の華為技術HUAWEI)、中興通訊(ZTE)、監視カメラの杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、特定用途通信機器の海能達通信(ハイテラ)の5社です。そのほかにもTikiTokもやり玉に挙げられています。

中国においては。政府が企業に対してユーザーデータなどを強制的に出させることができる法律があります。TikTok側は中国共産党から要請があってもデータは出さないと言っていますが、出さなければ処罰されます。データが中国政府に取得される可能性は排除できません。一般の人は、自分の個人情報が流出しても大したことはないと安易に考えがちですが、今や人はSNSを通じて世界中の多くの人や企業と繋がっています。流出のある情報は自分の情報だけでなくSNSを通じた友人・知人の個人情報も含まれるのです。それを数珠つなぎに辿っていくことによって必要な情報にたどり着くことが出来るのです。

アメリカだけでなく、インド・イギリスでもtiktokのリスクに気づき、インドでは全面禁止になっています。自民党の甘利政調会長は「アプリを使っていると顔認証や虹彩認証で一番問題になるなりすましの危険がある」「ユーザーがスマホに持っているほかのデータにアクセスして抜かれる危険がある」と指摘し、「日本企業は、データは中国企業と組んだら全部抜かれるという前提でビジネスしていかないといけない」とまで言っています。日本は世界で最も危機感の薄い国・企業で、このまま何らの対策をとらなければ、日本と取引すれば中国に情報が流れる危険があるとして、「自由と民主主義と法の支配という共通の価値観を有する(欧米の)サプライチェーンから日本だけが外される危険がある」というのです。

こうした状況の中、TikTokを買収しようという動きがアメリカ企業に出てきています。買収には中国政府の承認が必要ですが、米中対立でアメリカに対抗し中国もハイテク技術移転の規制強化に乗り出しました。アメリカ企業がTikTokを買収できるかはまだまだ予断を許しません。

甘利氏のように「中国企業と組んだらデータを全部抜かれる前提でビジネスしないといけない」というのは言い過ぎですが、新型コロナが収束していけば、中国での企業活動が再開され、中国企業との取引も始まります。この場合、企業の機密情報だけでなく、個人情報も含めてしっかりとした情報管理を行っていく必要があります。

マイナポイントから余計なことを長々書いてしまいました。すみません。