中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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「予言の自己成就」と「リーダーに不可欠な3つの要素」

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で4876人で、その内訳は、東京1219人、神奈川695人、埼玉347人、千葉340人、愛知198人、大阪480人、兵庫154人、京都142人、福岡212人、北海道135人などとなっています。検査数が少ない月曜日の数字としては過去最多で、重症者も864人で過去最多を更新しています。

大阪・京都・兵庫の3知事が国に要請した緊急事態宣言が早ければ明日にも発令される見通しです。また、愛知・岐阜も緊急事態宣言発出を要請するようですし、熊本もステージ4に相当すると緊急事態宣言発出要請を検討しています。今後も全国的な感染拡大が続けば全国規模での緊急事態宣言が発出されることにもなりかねません。

この3連休も思ったほどには各地の人出が減少していません。緊急事態宣言下の1都3県でも、不要不急の外出自粛が出ているにもかかわらず、午後8時までに帰宅すればいいと外出している人たち、飲食店が8時に閉店するからと昼飲みをしている人たち、自分たちには関係ないとマスクもせず大声ではしゃぎ回る新成人たち・若者と、春の緊急事態宣言時と全く違い緊張感・危機感が欠けています。

緊急事態宣言は、国民に対して緊張感・危機感を持って行動するように行動変容を促す最後の切り札だったはずですが、政府は強いメッセージの発信に失敗しました。政治家自身が大人数で会食し、範を示さず、コロコロと方針が変わり、メッセージの発信においても俯き加減で原稿を読むだけでは、国民に伝わりません。

政治家が垂範率先・範を示し、自らの言葉で誠意を尽くして国民に語り掛ける、その熱意です。2011年東日本大震災福島第一原子力発電所事故の時、菅首相(同じ字ですが菅(カン)直人)と枝野官房長官らの民主党政権は「後手後手の対応」「菅政権は迷走している」と批判されました。確かに東日本大震災での菅政権・民主党の対策は悉く失敗したと言っても過言ではありません。しかし、彼らは東日本大震災という未曽有の危機に必死に取り組んでいました。その必死さが空回りして菅首相自ら現地入りして指揮をとろうとするなど失敗しました。あの時の菅首相民主党政権には国民のために未曽有の危機を乗り切ろうとする熱量だけはあったように思います。しかし、今の菅首相自民党政権にはそうした熱量は全く感じられません。菅首相の態度を見ていると、何か他人事のような感じで、危機感や緊張感が感じられません。これでは、国民自身が緊張感や危機感を抱くことは困難です。

自民党は、未だに当時の民主党政権について「悪夢の民主党政権」と言い、「政治は結果責任だ」と批判的に言います。その言葉は、そのまま、安倍政権・菅政権の新型コロナ対策に当てはまります。確かに政治は結果責任です。しかし、東日本大震災や新型コロナというような予知・予測できない事態に対処する際に、誠心誠意国民のために熱意をもって取り組むのと私利私欲のために無為無策で行くのとでは同じ失敗という結果であっても違うはずです。菅首相には、初心に帰り、「政治家の覚悟」をもって、国民のための内閣として、誠心誠意熱意をもって新型コロナ対策に取り組んでもらいたいものです。そうした熱量が国民に伝われば、国民も模して政府の対策に協力し取り組んでいくはずです。

今日は、休日明けということもあってか大した記事はありませんでした。

まず、日本の人事部「予言の自己成就とはー意味と例、ポジティブな結果に導くためのポイントは」という記事を取り上げます。

予言の自己成就」というのは、根拠のない噂や思い込みであっても、人々がその状況が起こりそうだと考えて行動することで、事実ではなかったはずの状況が実現してしまうことです。これは、「もし人がその状況を真実と認めれば、その状況は結果において真実である」という定理を基に、アメリカの社会学者ロバート・K・マートンが提唱した理論です。

例えば、2020年春、新型コロナ感染拡大の中、トイレットペーパーが品薄になるという根拠のないデマが飛び交い、店頭で紙製品がなくなると、噂を信じていない人も焦りを覚えて店に殺到し、結果的に店から紙製品が消えてしまいました。これは、「予言の自己成就」のネガティブな面が現れたものです。また、勉強や仕事のパフォーマンスにおいても同様の事態が発生します。不安から「失敗するかもしれない」「失敗するだろう」と思い悩むことに時間が割かれ、実際に悪い結果が引き起こされます。会社の評価でもよい評価が出れば、自分自身への期待が高まりパフォーマンスが向上しますし、逆に悪い評価がつくと自分に落胆しパフォーマンスが低下します。

この記事では、組織が「予言の自己成就」のネガティブな流れに呑み込まれないようにするにはどうすればよいか、また、査定面談で部下に低い評価を伝える場合どのように伝えればよいかについて、「ポイントは相手への期待を伝える」ことに言っています。

自分が相手をいかに信用しているか、どんな可能性を信じているかを伝え、フィードバックを受けた人が前向きで主体的でいられるようにコミュニケーション取ることが重要なのです。リーダーが部下や従業員の未来を信じることがポジティブな結果を生むというわけです。

以前から書いていますが、リーダーに必要なことは、透明性をもってメッセージを伝えることです。透明性のあるメッセージとは、誠意をもって現実を正確に正直に伝えることです。何を知っているか、何を予測しているか、それが人々にとって何を意味するかについて、人として可能な限り説明することです。人々が理解できる形でメッセージを伝えることです。希望のないメッセージは人々を自暴自棄にさせるので、メッセージのどこかに人々が希望を抱きエネルギーを注ぐことができる将来展望がなければなりません。菅首相の記者会見などこうしたことが全て欠けています。

次に、HARBOR  BUSINESS Online「個人プレーや部下に投げっぱなしのダメ上司。優れたリーダーに不可欠な3つの要素とは」を取り上げます。

この記事では、「職位が上がれば上がるほど、限られた時間で発揮した言動の積み重ねが組織の命運を左右することになりかねない」と言い、リーダーシップのスキルレベルは数値化できると言っています。リーダーシップは多様で、この記事が言うように数値化できるものもあれば、数値化できないものもあります。

リーダーシップのスキルレベルが数値化できるというのは言い過ぎですが、能動性・迅速性は高いが、正確性・理解力は高い人もいれば、その逆の人もいますし、正確性・理解力は高いが実行力が低い人もいれば、その逆の人もいるというのは事実です。

この記事では、優れたリーダーに不可欠な3つの要素として次の3つを挙げています。

  1. 成長性が高い・・・職位の高低・経験の有無にかかわらず、修正力を発揮する。
  2. 能動性・迅速性が比較的高い・・・瞬時に行動発揮できる瞬発力が高い。
  3. 能力発揮レベルのバランスが取れている・・・スキルレベル、成長性、能動性、迅速性、正確性、理解力、実行力の7つの能力領域の発揮状態において高低のバラツキがない。

優れたリーダーというのは能動性・迅速性が比較的高めに出る傾向があるので、自ら能動的・迅速に行動すべき場面ではそうしますが、時と場合によってほかの人に任せたりと、慎重に対処しています。リーダーの中には、何でも自分がやらないと気が済まない人もいれば部下に丸投げする人もいます。

優れたリーダーというのは、自らアクションすべきことは能動性・迅速性を発揮して実施し、的確に見極めたうえで、部下に任せるのです。方針をそのまま、その通り実施させたいときはトップダウンのマネジメントを繰り出し、部下に検討させてやらせるときにはある程度の許容範囲の中でボトムアップのリーダーシップを発揮するのです。

リーダーシップが発揮できる優れたリーダーになれるかどうかは、ひとつひとつのタスクを他の人に任せることができるか、許容範囲をある程度広く持てるかどうかにかかっている」と言っています。

また「ほかの人に仕事を任せることを意識して、業務の優先順位をつけるということが、ほかの人のアクションを待って行う業務を見極めたり、ほかの人の業務との重複を回避するためにも重要で、チームワークを大事にして仕事を進めるためにも重要なことだ」と言いいます。

優れたリーダーは自ら何でもすべてやろうとするのではなく、優先順位をつけて自らがやるべき仕事、部下に指示を出しながらやらせる仕事、完全に部下に任せ切る仕事を分け、部下を信用すること、部下を育てていくことが重要になるのです。