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テレワークで部下を育てる「2つの感」と「3つのパターン」

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で4966人で、そのうち東京828人、神奈川212人、埼玉183人、千葉129人、愛知281人、大阪1231人、兵庫505人、京都112人、福岡277人、沖縄86人、北海道121人などとなっています。大阪、兵庫では約8割が変異株となり、東京では約4割が変異株で、全国的にも急速に従来型から変異株に置き換わってきています。インドでは新型コロナの感染者数が連日30万人を超え深刻化しています。これは日本でも見つかっているインド型の二重変異株によるものです。このインド型変異株は、感染力が強くワクチンの効果を弱めたりする可能性があるとのことで、水際対策の強化、監視体制の強化を通じて感染拡大防止対策を徹底するしかありません。

さて、今日は、ダイヤモンド・オンラインの「テレワークで人を育てる『2つの感』と『3つのパターン』が大事」という記事を取り上げます。

新型コロナの影響でテレワークも徐々に浸透してきましたが、「テレワークでは生産性が上がらない」「テレワークでは人が育たない」という声も聞こえるようになっています。テレワーク自体は新型コロナとは全く無関係で働き方改革の一つとして提唱されてきたものですが、コロナ禍で時代の流行りで何の考えもなく導入した企業も多かったというのが現実です。テレワークの導入というのは目的ではなく一つの手段にしかすぎません。その点を勘違いしている企業も多いのです。従来型の仕組みを一切変えることなくテレワークを導入してもうまくいかないことも多いのです。

この記事では、「”一括採用→新人研修→現場配属”という従来の流れをそのままオンラインで実施しただけではうまくいかない、テレワークで人を育てるには、これまでと違うポイントに気を配る必要がある」と指摘しています。そして、テレワークで部下を育てるために意識してほしい「2つの”自己〇〇感”」と割り振る仕事の3つのパターンについて説明されています。

1.2つの”自己〇〇感”

⑴ 自己効力感=部下が「できる」と前向きに思える力

 自己効力感という言葉はあまり聞き慣れた言葉ではありません。自己効力感は、自分の中で「できる」「できるかもしれない」と前向きに思うことです。あくまでも自分自身の内側から湧いてくる力で、他人がどう思うかは関係ありません。自己効力感を持つと、自分が「できる」と思う事態になると貢献したくなり、「私に任せてください」と手が挙がるようになります。自分の強みとして自覚して積極的にチャレンジする気持ちが湧いてくるのです。

 自己効力感はさまざまなことを経験し、的確なフィードバックをされる中で育てられます。同じ業務ばかり回されチャンスが与えられず、うまくいっても褒められず、できなかったときには「ダメだ」と言われ続ければ自己効力感は育ちません。

 上司としては、チャンスやチャレンジの場を意識して提供するとともに、部下が「できた」ことを評価するなど公平なフィードバックを心掛ける必要があります。そうすることによって部下の自己効力感は育っていきます。

⑵ 自己重要感=組織の中で自分が重要な役割を担っていると思える力

 自己重要感もあまり聞き慣れた言葉ではありませんが、これは組織の中で自分が重要な役割を担い任されているのだと思える力のことです。チームのそれぞれのメンバーが自己重要感を持っていれば、何か問題が起こった時などに大きな力を発揮します。「この分野は私が得意なのでぜひ任せてください」というように、自分の強みを持ってチームに貢献しようと、自発的に行動するようになるからです。

 テレワークにおいては、チームの他のメンバーの様子があまりよく見えません。それだけに自分の役割に対する意識が薄れがちになり、自己重要感が持ちにくくなります。そこで、上司としても、テレワーク下でも、組織の一員としての意識が持てるように全体ミーティングを積極的に行う必要があります。一人ひとりが取り組んでいる仕事や課題をオープンにすることも重要です。

2.部下に振り分ける仕事の3つのパターン 

 チームにいる部下のレベルも様々です。部下を成長させるためには、仕事の割り振り方も大切になってきます。この記事では、仕事の振り分け方を3つに分けています。

パターン1:平坦な道で経験を積ませる。

 習熟度の低い部下には、仕事の質よりも量です。この段階では、歩きやすい平坦な道で、数多くの経験を積んでもらうことです。がむしゃらに取り組んでいくうちに、仕事の本質やコツ、法則などを自分なりに考え、ノウハウを蓄積していきます。ここで身につくのは基礎的な業務推進力です。こういった仕事はこのやり方がいい、こうすれば早く正確にこなせる、といったことが経験を通じてわかるようになり、成功事例がたまって自信につながります。

パターン2:坂道で負荷をかける。

 自分なりのノウハウが身についたら、次は質を高める段階です。質を高めるにはある程度の負荷が必要です。前へ進むのにやや骨の折れる坂道を歩くことです。例えば、難易度の高い顧客の対応や経験のないプレゼンテーションでの説明役、リモート会議の進行役など、これまでやったことのない業務を担当させます。こうした歩きにくい坂道を進んでいく中で、時に冷や汗をかき、転ぶことがあるかもしれません。そうした経験を通じて応用力やイレジュラー対応力が身につき、仕事の質が高まるのです。

パターン3:道なき道や落とし穴など、困難な道で鍛える。

 負荷のかかる坂道を何度も歩き、質の高い仕事ができるようになると、より難度の高い育成方法に移ります。今度は坂道どころか整備されていない道なき道や落とし穴がぼこぼこあるような道を歩かせます。例えば、商品やサービスが顧客の期待通りではなくトラブルになりかけたようなときに、上司が直接出ていくのではなく成長を期待する部下に任せるのです。顧客とのトラブルやクレームへの対応は難しいものですが、どのような時も上司が出ていって対応していたのでは部下は育ちません。部下を成長させたいのなら、自分の考えを押し付けず、部下が自分で考えて応対できるように任せてみることです。

このように、仕事を3つのパターンに仕分けして、育成を目的に習熟度に応じ部下に仕事を割り当てていくのです。その際に、部下が取り組んでいる仕事をチームのメンバー全員が共有できることが望ましいのです。チームメンバーが他のメンバーの動きを知ることによって、頑張っている仲間を応援する気持ちや尊敬する思い、難しい局面を乗り越えようとする気力がわいてくるようになります。他の人の様子を見ることで「あいつも頑張っている」「自分だけが大変なわけじゃない」とチームの一員としての思いがどんどん強くなり、自己効力感も自己重要感も高まっていきます。

テレワークにおいてはリアルな職場以上に、自分が組織にとって重要な人材か、自他ともに認め、認められることは非常に重要です。部下が自己効力感と自己重要感を高めることがチームをより成長させることにつながるのです。