中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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支援型マネジメント

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で4140人、そのうち東京684人、神奈川227人、埼玉130人、千葉121人、愛知394人、大阪309人、兵庫164人、京都52人、岡山74人、広島153人、福岡179人、沖縄240人、北海道570人などとなっています。北海道。沖縄など一部地域を除き減少傾向にありますが、重症者は1371人で、まだまだ医療体制はひっ迫しており予断を許しません。ワクチン接種が始まっていますが、厚労省はワクチン接種者約601万人のうち85人が死亡したと発表しました。厚労省は「重大な懸念は認められない」としていますが、インフルエンザワクチンによる死者が約5284万人のうち10人(平成28年度厚労省発表)と比較すれば、死亡率がどれほど高いかが分かります。私の手元にもワクチン接種券が送られてきていますが、基礎疾患・喘息のアレルギーがあるのでワクチン接種をするか悩んでいるところです。

話しは変わりますが、サラリー川柳コンクールで「会社へは 来るなと上司 行けと妻」が第1位に選ばれました。テレワークで居場所をなくすサラリーマンの気持ちを読んだ面白い句です。また、Web会議の一幕を詠んだ「リモートで、便利な言葉 "聞こえません”」(第3位)もつい頷いてしまうような句です。いずれも新型コロナ禍での働き方が詠われています。

さて、今日は、マイナビニュースの「上司は発想転換を!部下の仕事を細かく管理しなくてもマネジメントはできる」を取り上げます。

コロナ禍で会社としての環境整備や従業員の心の準備もないまま、急遽テレワークが導入され、マネジメントに悩む上司が増えています。テレワークで「部下の仕事ぶりが見えず、コミュニケーションをどのように取ればいいのか悩ましい」「部下とのやり取りはメールやオンライン会議で、このままの働き方が続くと、職場がバラバラになり業績も下がり続けるのではないかと危惧している」「リモートワークが常態化すれば、完全な成果主義にならざるを得ない。部下自身に自ら動いてもらうしかない。今までのようにサポートできなくなる。管理職に求められるマネジメントも変わってくるだろう」と不安を抱いている上司は多いのです。こうした危惧や不安を抱く上司に対し、部下は「人間関係のストレスがなくなった」と気楽なものです。

このように上司と部下はきわめて対照的です。

上司は、部下の日々の働きぶりを把握できずに悩んでいるのです。職責意識の高い上司ほど、責務を果たせないと焦りや不安を感じています。こうした背景には、会社組織としても社員の働きぶりを管理しきれない危機感があると言えます。こうしたことが、政府が声高に要望してもテレワークが思ったほどに浸透しない原因です。むしろ、第1回目の緊急事態宣言の時よりも第2回目の緊急事態宣言の時の方がテレワーク実施率は低下しています。

この記事では、真面目な上司が陥りがちなリスクについて、ハーバード・ビジネススクールのリンダ・ヒル教授が明らかにした新任管理職にありがちな問題行動「5つの落とし穴」がその答えを示唆していると言っています。

この「5つの落とし穴」というのは

  1. 隘路に入り込む・・・狭い路地に迷い込んだように周囲が見えなくなり、自分ですべてを解決しようとする。
  2. 批判を否定的に受け止める・・・部下の異なる意見を自分への批判と受け取り聞き入れなくなる。
  3. 威圧的である・・・管理職の自分に権限があるからと、一方的に命令や叱責を行う。
  4. 拙速に結果を出す・・・部下の意見や状況を顧みず早く解決しようと、決めつけて判断する。
  5. マイクロ・マネジメントに走る・・・部下を自分の操りにんぎゅのように微に入り細に入り指示し、動かそうとする。

です。確かにこういう上司はいます。こうなると、部下の心は離れてしまい、やる気を失い、マネジメントは空振りします。早く結果を出そうという焦りが、かえって成果を遠のかせてしまうというクイック・ウィン・パラドックスに陥ってしまうのです。コロナ禍で部下の仕事ぶりが見えづらい焦りから、クイック・ウィン・パラドックスが更に起こりやすくなっています。

クイック・ウィン・パラドックスに陥らないために、本質的なマネジメントの変革が急務となっています。それは、上司に求められる本来の役割を正しくとらえなおし、自己変革を果たし、リモートワーク禍でも上司の本領を発揮することです。

この記事では、「これからの上司は管理職から支援職を目指すべきだ」と言っています。リモートワーク環境下では部下一人ひとりの仕事ぶりを管理することは不可能です。発想を逆転させ、部下一人ひとりが自発的・自律的に仕事に向き合えるようにすることが大切です。これを「支援型マネジメント」と呼んでいます。そのためにはまず働く人の「やる気」の構造を理解することが重要です。モチベーションの構造については、以前にいくつかのモチベーション理論を紹介していますので参考にしてください。

この記事では、人の動機づけについて「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」で説明しています。「外発的動機づけ」は、いわば外側から働きかける動機づけですが。これでは上司の統制と管理の下で行う仕事になり「やらされ感」が蔓延します。重要なのは「内発的動機づけ」です。これは自分の内面から湧き上がる動機づけで、「やる気」の源泉となるものです。先ずは、部下に自分の仕事の目的を共有し納得させることから始まり、仕事の目標と計画を自ら立てさせて上司が承認する、決めた目標は部下の自己統制に任せ、上司は要所要所で支援するのです。任された部下は仕事の当事者となり、「やる気」が醸成されていきます。

この「支援型マネジメント」は部下のキャリア自立を促すことになり、自立型人材の育成につながります。コロナ禍で最もふさわしいマネジメントです。

次に、ダイヤモンドオンラインの「経営トップが現場に口を出し始めると、たいていロクなことにならない理由」です。

経営トップが現場に口を出し始めると、たいていロクなことになりません。確かに経営者やトップが口を出したくなるもの分かります。

しかし、会社には役割分担があり、社長や経営トップは何よりも自らの任を果たすことに全力を注がなければなりません。現場の業務は現場で働く人に任せ、その上で組織運営の則った適切なチェックをすればいいのです。トップは自分の「分」を弁えて現場のことは現場に任せるという姿勢が大事です。

一般社員が社長の役割を担う必要がないように、経営者やトップが一般社員の役割を担う必要はありません。トップが一般社員の役割にまで口を出す必要もありません。社員を信じることです。トップが現場に口を出しすぎると、最終的には組織は機能不全に陥ります。トップが口を出しすぎると、従業員は自ら考えることを放棄し、判断をすべて上に求め、もはや組織としての機能を果たさなくなるのです。

従業員が各々自分の役割をしっかりと果すことで、会社は円滑に機能します。そのためには、まず社長をはじめトップが自分の役割分担を守り、自分がすべき仕事に集中し、後は社員・部下に任せることです。そうすれば、社員は各々与えられた仕事に集中できるようになります。