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優秀すぎる上司や過去の栄光にしがみ付つく上司では部下は育たない

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1754人、そのうち東京673人、神奈川211人、埼玉142人、千葉139人、愛知49人、大阪108人、兵庫32人、京都14人、福岡26人、沖縄63人、北海道39人などとなっています。東京は連日前週同曜日を上回り、もはやリバウンドと言ってよい状況です。ようやく菅首相も、東京五輪の無観客開催について言及しました。既に多くの選手や関係者が入国しています。水際対策は万全なのか気になります。一度は収まりかけたイギリスでは、インド由来のデルタ株が蔓延し、1日に2万人もの感染者が出ています。また、イギリスで開かれたサッカー観戦(欧州選手権)で2000人の感染者が出ています。こうしたことを見ても少なくとも有観客でのオリンピック開催は論外です。また、オーストラリアのニューサウスウェールズ州保健局が、「インド由来のデルタ株はすれ違っただけでも感染する」との衝撃の事実を発表しました。日本国内でも従来型・イギリス型からインド型デルタ株に置き換わりつつあります。このまま何もしなければ(現状の中途半端な対策では)感染拡大は必至で避けることはできないように思います。東京オリンピック開催で東京(日本)がハブとなって世界にウイルスをまき散らすことにもなりかねません。そういう事態だけは避けたいものです。

さて、今日は、東洋経済ONLINEの「優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由」と取り上げます。この記事はコヴィー博士の「7つの習慣」で絶賛された伝説の艦長がいかに部下を育てるかについて語っています。

1.服従させると人の思考は停止する

 服従は人々に考えることをやめさせます。別の誰かが決めたルールや指示、行動内容に従うだけなら思考や意思決定という厄介なプロセスから解放され、ラクができます。おまけに責任も取らなくていいのです。これでは上司に言われるままに行動し、自分の頭で考えたり判断することなく自主的・自発的な行動は起こりません。

2.選択の自由が責任感を生む

 責任感を持つということは単なる決断とは違います。決断しても行動に移さなければ意味がありません。責任感が思考を行動に変えるのです。

 ビジネスは物事を成し遂げないことには始まりません。行動を起こすことに積極的であると同時に、しっかりと考えたうえでリスクが伴う行動に自発的に取り組む文化が必要になります。ここでカギになるのが選択の有無です。選択の自由がなければ責任は生まれません。「イエス」と応えるしかない状況に置かれたら、人は服従するしかありません。いくら「やる気を刺激する」「権限を委譲する」というスローガンを掲げ、社員に行動や責任を促し会社の目標を達成したいと期待をかけていても、彼らに選択の余地を持たせなければ、服従しかありません。今必要なのは、「責任感を持った取り組み」なのです。

 服従では社員は要求された最低限度のことしかしません。一方で「責任感を持って取り組む」ようになると、ただ何も考えずに実行するのではなく、自分で考えてそこから何かを学び、自主的・自発的に行動するようになります。

 実行するためには、仮説を立てて試すことが大切になります。仮説を立てると、人の思考心理は学習や改善に向かいます。これは、単に「作業をする」時間ではなく「何かを学ぶ」時間として受け止めるようになるのです。学ぶことのメリットとして次の3つが挙げられています。

  1. 実行への関心が強くなる・・・先のことを意識する感覚は先のことを自分の手でコントロールできるという感覚を強化する。
  2. 証明より改善を強く望むようになる・・・学習と改善の思考心理は、自分の力を証明するよりも、改善することを強く望む。改善によって、機敏で適応力や柔軟性に優れた組織が作られる。
  3. 失敗や遠回りへの嫌悪感が和らぐ・・・学習とは、予測を立て、起きたことを観察して検証し、予測を検証結果に照らして反省することである。失敗は遠回りになることは日常茶飯事に起こる。その時には反省して修正・改善すればいい。

優秀な上司の元手部下が育たないのは、優秀ゆえに、自ら決断・判断して部下に任せることができないからです。本人にその気がなくても、部下を服従させてしまっているのです。部下を育てるためには、言い古された言葉ですが、「任せる」こと、「責任を持たせる」ことです。任せる・責任を持たせるというのは、自分で考え自主的・自発的に決断し行動に移させるということです。任せた以上は口出しをしてはいけません。相談を受けたときには、命令や指示ではなくアドバイスすること、部下の成長の過程をしっかりと見守ることが大切です。

次に、幻冬舎GOLD ONLINEの「『10年前、俺は凄かった』過去にしがみつく管理職の害悪」を取り上げます。

この記事では「過去の経験値を絶対視する価値観はもはや手放そう」と言っています。日本の昔ながらの経営手法で運営している企業は「昔取った杵柄」を後生大事にして大きな利益を得ているところもあります。しかし、今後は過去の経験値が通用しなくなる時代が刻々と近づいているように思います。

かつて日本では「日本の役職はご褒美」という風潮がありました。年功序列の上りとして、ご褒美的に「部長」に昇進する、などこれまでの成果だけが役職に反映するというケースが往々にしてあります。これまでの成果と言っても、勤務年数や上司の覚え目出度く当たり障りがなく無難に世渡りしてきただけです。上司に盾突く半沢直樹的な人材は好まれません。しかし、今本当に必要なのは、時代の変化に対応して迅速に行動を起こせるリーダーです。

しかし、「俺は10年前は凄かった」と過去の栄光にしがみ付いている上司が多いのです。今は何の役にも立たないのに(言い過ぎ?)今現在、成果を上げている部下の足を引っ張っているのです。本来ならば、上司やリーダーこそが、今成果を上げなければななりません。そのためには、リーダー自身が、今ここで成果を出せているか、自分のアウトプットにどんな価値があるかを客観的に見つめ続けていく必要がるのです。そして、自分より優秀な人材を入れること、若手に譲ること、そんな高い目線を持った選択ができるリーダ-が求められるのです。

この記事では、リーダーに求められる能力として「問題提起力、課題を見極める力」を挙げています。以前は「リーダーには問題解決能力が必要」と言われていました。しかし、問題解決能力が必要とされていた時代には、問題や課題が比較的明確でした。こうした時代には多くの解決策を知っていて、それをスピーディに提示すればよかったのです。しかし、今の時代は問題や課題が複雑化して、問題や課題の本質がどこにあるかもわからなくなっています。問題の解決策以前に問題の本質がどこにあるのかを明確にできる能力、問題提起能力が必要になるのです。これまでの解決策がどんどん通用しなくなっています。先ずは問題の本質が何なのかを見極め、それに合った解決策を新たに見つけなければなりません。

リーダーが問題や課題の奥に潜む本質を明らかにして、メンバー全体でその解決策を考えていくというのがこれからの組織・チームの在り方です。