中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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これからの時代の目標設定と働き方

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 おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3194人、そのうち東京1149人、神奈川361人、埼玉243人、千葉208人、愛知71人、大阪349人、兵庫78人、京都46人、福岡95人、沖縄83人、北海道75人などとなっています。東京は一気に1000人を超え、首都圏3県も急激に増加しています。また大阪もほぼ2か月ぶりに300人を超え、各地で増加のスピードが加速しています。緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置を出しながら、一方で東京五輪開催と矛盾しており、これでは国民が政府に従わないのもうなずけます。昨日菅首相IOCバッハ会長との面会があり、菅首相は馬鹿の一つ覚え「安心安全な大会」を強調し、バッハ会長も日本のコロナ対策を褒めちぎるという茶番劇を演じました。感染者数の急増をみれば「安心安全な大会」など不可能です。オリンピック終了後にどのような事態になっているのか心配です。結局、政府の失政のツケを回されるのは国民です。政府・菅政権は終わっています。政府を当てにせず、自分の身は自分で守っていくしかありません。

さて、今日はダイヤモンド・オンラインの「これからの時代の目標設定と働き方とは」という記事を取り上げます。この記事は、先日の「エンゲージメントと生産性」の続きの記事です。

先日も書きましたが、エンゲージメントというのは「組織と従業員個人が一体となって互いの成長に貢献し合う状態」のことで、企業にとっての最終目標は「エンゲージメントカンパニー」を実現することです。この記事では、そのヒントが語られています。

先日の2人の王子の物語と同じように、魚屋の物語が語られます。

日系アメリカ人のジョン・ヨコヤマが魚屋を買収し、ほとんど休みなく働いているのに、経営は上手くいかず、もともと怒りっぽい性格ですぐに怒鳴りつけるため従業員も離れ、活気のない店には客も寄り付かなくなります。さらに、取引に失敗し大損し、店は倒産寸前まで追い込まれます。そうした時にコンサルタントと出会い、高額なコンサルタント料に怒りと疑念を抱いたヨコヤマでしたが、「1か月だけでも」という条件でコンサルタントの提案を受け入れることにしました。

コンサルタントが提案したのは、「従業員をサポートし、権限を与えるボスになる」ということでした。そして、会社を変えていくにはビジョンがなくてはならないということで、従業員に意見を求めます。従業員の中から出てきたのが「世界一有名は魚屋になる」でした。仕事を楽しもう、面白くしようという従業員のアイデアから、魚を空に向かって投げるというパフォーマンスが生まれ、観光客が集まり、テレビなどマスメディアに取り上げられ、アメリカで一番楽しい職場として取材されるまでになったのです。

この物語から得られる経営哲学は「フィッシュ哲学」と名付けられています。

このフィッシュ哲学には、4つの行動原則で構成されています。

  1. 遊ぶ・・・従業員が仕事を楽しめる要素を入れる
  2. 楽しませる・・・顧客が満足できるよう、楽しい雰囲気で対応する
  3. 注意を向ける・・・顧客や同僚など、必要としてくれる人にしっかり向き合う
  4. 態度を選ぶ・・・常に前向きな気持ちで仕事に取り組む

これらに則って、自分たちが自ら仕事を楽しみ、それによって生産性を高めていくということです。この行動原則の前提としてビジョンが必要です。ビジョンが働く人のエネルギーとなり、あらゆることが実現できるようになるのです。

また、イソップ寓話の「ウサギとカメ」の話に触れられています。ウサギがカメに負けたのは、「ウサギはカメを見て、カメはゴールを見たからだ」と言っています。周囲やあいまいな目標と比べていては結果を出すことはできません。達成するには明確な数字目標が必要で、それが具体的であればあるほど成果につながりやすいのです。

このことからわかるように、従業員のパフォーマンスを高めるには、ゴールとなる目標を設定することが重要なのです。そして、どのように目標を設定し評価するかということに注意を払わなければなりません。目標の達成度だけで評価されるような仕組みだと、従業員はクリアできる低い目標しか取り組まず、新しいものにチャレンジしなくなります。結果や売り上げ、利益率、勝敗に固執しすぎず、プロセスにも目を向けて評価する必要があるのです。OKP(Objectives and Key Results)という目標管理の方法です。OKPでは、数字を評価に結び付けてはいけません。目標というものは、あくまでもチャレンジするものであり、従業員のスキルアップや経験値の積み重ね、新たな才能を見つめるためのものです。「もしも数字で評価してしまったら、その瞬間に目標値は下がっていく」と言っています。

先日も書きましたが、強い企業・チームにはエンゲージメントは欠かせません。従業員と会社が互いに信頼し強い絆で結ばれているエンゲージメントの高い会社は、従業員が会社のことを考えて主体的に積極的に働き、従業員が困ったら会社が手を差し伸べるということが常態化しているのです。

こうしたエンゲージメントカンパニーになるためには、次の3つが必要だと言っています。

  1. 会社として従業員にコミットメントすること・・・従業員や部下に対して興味を持つこと、家族のように見守り、優しく愛情のある態度で接することで、従業員の会社に対する信頼や忠誠心はおのずから高まる
  2. コアバリューを明確に持つこと・・・会社の価値観の中心となるコアバリューが明示されていること。コアバリューが明示されていないと、従業員は判断も行動できず、ばらばらになってしまう
  3. チームワーク・・・各人が持つ価値観の共有やカルチャーマッチング、コミットメントやコアバリューなど、諸条件や環境が整えば、チームワークは自然と作られていく

先日も書きましたが、エンゲージメントの高い従業員は自分のことのように会社の成功や発展を考え、愛し、成果を上げようと自ら努力します。エンゲージメントは会社や上司からの指示や命令によって高まるものではなく、経営層や上司との信頼の深さによって生まれてくるものです。従業員との信頼関係を高めること、そのためには従業員を家族のように見守り、愛し、優しく接することが必要です。