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嫌われがちなリーダーの特徴

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で9576人、そのうち東京3177人、神奈川1051人、埼玉870人、千葉577人、愛知265人、大阪798人、兵庫254人、京都175人、福岡405人、沖縄347人、北海道227人などとなっています。全国の新規感染者数は過去最多で9000人越えし、東京も3000人を超えました。菅首相は、前回の緊急事態宣言解除時の会見で「東京大会は安全安心に開催すること。そして大会期間中、日本国内の感染拡大を抑え、大会終了後の感染拡大防止につなげていくことが不可欠」と発言しています。菅首相の思い描いていた状況は脆くも崩れ去りました。政府は、首都圏3県と大阪に緊急事態宣言発令を検討しているようですが、一方で政府・マスコミは東京五輪で盛り上がりながら、国民には自粛を要請しても従う人がどれだけいるか、緊急事態宣言の効果は薄いと思います。デルタ株が蔓延し若年層・中年層に感染が広がりこれらの層での重症者が増加し、徐々に医療をひっ迫しつつあります。一般医療への影響が出始めると、通常であれば助かる命も助からない状況になります。こうした危機感が政府にも国民にもないことが大きな問題です。

さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「どの組織にも共通する『嫌われがちなリーダー』の特徴とは?」という記事を取り上げます。

大まかに言えば、リーダーシップは「率い型リーダーシップ」と「まとめ型リーダーシップ」に分かれます。強力な権力でメンバーをけん引するトップダウン型組織では「率い型リーダーシップ」が、コミュニケーションが取りやすく風通しの良いフラットな組織では「まとめ型リーダーシップ」が適していると言えそうです。しかし、そうは言っても、どんなフラットな組織でも、課題解決や大きな意思決定の場において、リーダーの「決断」が必要になることは言うまでもありません。

この記事では、フラット型の組織が増えつつある時代の流れの中で、相応しいリーダーシップのあり方を、嫌われがちなリーダーの特徴を明らかにすることで説明しようとしています。この記事は山口周氏(経営研究者)とキャシー松井氏(ゴールドマン・サックス元副会長)の対談形式です。

1.「雰囲気づくり」を意識しないリーダーは嫌われる。

 リーダーの持っている影響力を認識しなければなりません。朝からエネルギーレベルを高めて「一緒に頑張ろう」とポジティブな雰囲気を作るということがリーダーには必要なのです。どの組織でも共通するワーストボスの特徴は「常に不機嫌な人」です。

 「雰囲気づくり」を自覚的に行わない人はリーダーシップを発揮できないのです。

 上司と部下との心理的距離が離れるほど、コミュニケーションも困難になります。上司と部下との間に信頼関係やより良い人間関係が築かれていなければコミュニケーションもスムーズにいきません。そのためにはよい「雰囲気づくり」は欠かせません。

2.プレッシャーを部下に転嫁しない方法とは

 上司・リーダーにプレッシャーがかかると、部下にもプレッシャーをかけたくなるものです。上司から部下へと、プレッシャーの連鎖を作ってしまうと、組織全体が疲弊し機能不全に陥ることになってしまいます。

 「プレッシャーの連鎖」を生まないためには「自分がコントロール不可能なことは、心配してもしょうがない」と割り切って考えることが大切です。例えば世界情勢やマーケットの状況など、自分自身でコントロールできないので、それが原因で職場の雰囲気が悪化しているのなら、飲み会やランチを一緒にとるなど(コロナ禍で難しいですが)気分転換の場を作るということが大事なのです。

 周囲に厳しいことを言ったり怒鳴り散らしたりしても、組織の雰囲気は悪くなるだけで、組織やメンバーのパフォーマンスは上がりません。

 自分が厳しいプレッシャーにさらされた時に、自分の感情をコントロールできるというのは難しいものですが、嫌われるリーダーというのは、感情を上手くコントロールできない人です。自分の感情を上手くコントロールできる人こそリーダーに相応しいと言えるのです。

3.最大の資源である「人材」を守る環境づくり

 以前、経営資源は「ヒト、モノ、カネ」というよりも「ヒト、ヒト、ヒト」であると書きました。「ヒト」こそが最も重要な経営資源であることは言うまでもありません。

 「社員に健康的に働いてもらいたい」「職場のギスギスした雰囲気を改善したい」「社員のメンタルヘルスや心の病に気を付けたい」「離職を防ぎたい」という企業が増え、マインドフルネスを取り入れる企業が増えています。ゴールドマン・サックスもマインドフルネスを取り入れた企業の1つです。

 競争が激化し熾烈な企業間競争が続くビジネス環境で、優秀な人材に心身ともに健康で長く働いてもらうためには、精神面でのケアが不可欠なのです。そうしたメンタルケアの施策の一環が「マインドフルネス」です。

 「マインドフルネス」とは、「意図的に、今この瞬間に、評価や判断とは無縁の形に注意を払うこと」と定義されています。マインドフルネスと言えば、瞑想や呼吸法、禅を思い浮かべる人が多いのですが、瞑想や呼吸法はマインドフルネスの状態になるための手段です。余計な思考や感情、行動を取り払い、今この瞬間に自分がしていること、感じていることに目を向けるのです。「今、ここ、自分」に集中する「あるがままの状態」です。

4.「心理的安全性」はイノベーションにつながる

 最近「心理的安定性」という言葉をよく耳にします。

 「心理的安定性」というのは、ビジネスにおける心理学的用語で「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰を与えるようなことをしないという確信を持っている状態であり、チームが対人リスクを取るのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態」(エドモンドソン教授)です。つまり、上司や同僚の反応に恐怖や恥辱を感ずることなく、自然体の自分を隠すことなくすべてオープンにできる状態のことです。

 上司と部下が価値観や信念を共有でき、何でも話すことができるような穏やかの雰囲気のある職場は、心理的安全性が高いのです。

 この記事では、「心理的安全性の確保と優れたパフォーマンスの達成は両立できる」と言い、また「心理的安定性が担保されないと、周囲と意見や考え方が異なるアウトサイダーが組織の中に長くとどまることができなくなり、グループの同質性が高まりイノベーションを起こすのが難しくなる」と言っています。

 一般に「心理的安定性」がチームにもたらすメリットとして次の3つが挙げられます。

  1. チームメンバーのパフォーマンス向上・・・メンバー全員が安心しながら集中して仕事に取り組めるために、業務の生産性も高くなる。
  2. イノベーションや改善の推進・・・チームの心理的安定性があると、各自が現状をより良いものにしていこうと前向きになり、新しいことや困難なことに立ち向かいやすくなるので、イノベーションや改善が生まれやすい組織が出来上がる。
  3. 質の高い「エンプロイー・エクスペリエンス」の提供・・・心理的安定性が高ければ、メンバーがどのような体験によってモチベーションが上がるかマネジメント層が考えるようになり、一人ひとりにとって仕事の原動力になるような最適な経験を提供しやすくなる。

 そして、「心理的安定性」の高い職場では、

  • 情報やアイデアの共有が盛んになる・・・職場全体のコミュニケーションが活性化することで従業員間の共有もされやすくなる
  • ポテンシャルの向上・・・お互いを認め合い、尊敬しあうという価値観の共有、従業員同士が切磋琢磨し、個人のポテンシャル向上につながる
  • 目指すビジョンが明確になる・・・腹落ちしたビジョンを共有でき、全員が結束して目標に迎えるため、目標達成のスピードも速くなる
  • エンゲージメントの向上・・・仕事へのやりがいが生まれ、人材の流出や退職の抑制になる

という4つのメリットが生まれます。

この記事は2回の連載で明日も続くようです。この続きは明日書くことにします。