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責任感の過剰

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で14,207人、そのうち東京4166人、神奈川1484人、埼玉1200人、千葉840人、愛知376人、大阪1224人、兵庫422人、京都277人、福岡752人、沖縄602人、北海道366人などとなっています。全国的に初めて1.4万人を超え、14都府県で過去最多を更新しています。首都圏では約9割がデルタ株に置き換わり、関西圏でも約6割がデルタ株に置き換わっているようです。デルタ株は感染力が強く、これまでの従来型では1人の感染者が感染させる人数は1~3人、デルタ株は5~9人と3倍以上の感染力ということです。これでは感染者数が急激に増加するのも頷けます。また、若年層・中年層が重症化するリスクも従来株よりも高いということです。それにもかかわらず、菅首相は与党からも批判がある「原則自宅療養」を撤回するつもりはないようで、この政権は終わっています。とっとと退いてもらいたいところです。二階幹事長は、菅続投について「国民の間で続投を願う声が多い」と発言していますが、「どのの国民?」「暑さで幻聴を聞いた」などと揶揄する声が多く、国民の多くはあきれています。もう老害はいりません。とっとと退席していただきたいと思うのは私だけでしょうか。

さて、今日は、東洋経済オンラインの「『上司が暴走!』己の失敗を認めない人への対処法 失敗が見えてもやめられないのは『責任感の過剰』」という記事を取り上げます。この記事では、「7つの習慣」の著者コヴィー博士が絶賛した伝説の艦長の著書から、責任感ゆえの暴走を食い止める知恵を抜粋して紹介しているものです。

1.責任感が過剰すぎて起きること

 「上司が命令して部下が従う」という構図では服従しか生まれません。そこでは上司が部下に強要するだけです。肉体労働や単純の仕事であれば、「命令―服従」というシステムが十分に機能するかもしれませんが、チームで成果を上げるという仕事では、メンバー各人の責任感のある取り組み、自発的な努力が欠かせません。

 責任感のある取り組みは重要ですが、この記事では「『責任感の過剰』という現象に対して自衛する必要がある。一度生まれた責任感はひとりでに増強する傾向にあるからだ」と言っています。

 人は、小さな一歩を踏み出したら、その方向に進み続けようとするものです。いったん立ち止まって、考えて後戻りすることができなくなるのです。一度こうすると決めると、それが失敗だと裏付ける証拠を突き付けられても、突き進もうとするのです。その要因が「責任感の過剰」というわけです。企業が失敗した製品を市場から撤退させず、更にそれに投資しようとすることも、政府が失敗した政策から手を引かないのもその表れなのです。今の政府には責任感など全くないように思いますが。

2.成功の定義を書き換えてまで正当化する

 責任感の過剰に陥った人は失敗に終わった自らの決断を、事実を目にして成功の定義を改めて正当化しようとします。

 人は、何かに関する決断を迫られて決断を下します。この決断が招く結果に対して責任を感じるようになりますが、思った通りの結果が出ないことああります。自分の決断が間違いだった証拠が積みお重なっていくのです。この場合の合理的な行動は、立ち止まって決断の内容を再評価したうえで方向転換することです。

ところが、「責任感の過剰」が生じると、いったん立ち止まって状況を判断し臨機応変に修正して方向転換するなど対処するということができなくなります。成功の定義を変えてでも今の状況に固執して突き進もうとするのです。チームのリーダーがこういう状態に陥ると、チーム内に「何を言っても無駄」という空気が充満し、メンバーの自律心や自制心を蝕まれ、彼らのやる気を低下させてしまいます。

3.責任感の過剰に陥った人が発する言葉

 責任感の過剰に陥った人は次のような言葉を発します。

  • やり始めたんだから絶対最後までやる
  • もう決めたことだから
  • やることになっているのだから、抵抗しても意味がない
  • いいからやるぞ、ムダでもやるんだ
  • 失敗という選択肢はない
  • 今回は耐えるしかない
  • すべて上手くいくはずだ
  • 方向転換はあり得ない

 どの言葉も「ほかの選択肢を選ぶつもりはない」ということです。

4.責任感の暴走を回避する知恵

⑴学習の機会と捉えて回避する

 仕事を実行するモードを小さく分解し、仕事をする時間については、単に仕事をする時間ではなく学習する時間でもあると捉えることです。学習していると捉えることで、間違った、あるいは間違っているかも知れないという判断をしやすくなり、責任感の過剰を回避しやすくなるのです。

⑵決断者と評価者を分ける

 人は、自分の能力のなさが他人に露呈したり、自分自身がそれを思い知らされることを恐れます。こうした自我を脅かされることへの恐怖が、責任感の過剰に対する最大の元凶なのです。責任感の過剰を防ぐ方法の一つが、決断する者と評価する者を分けることです。そうすれば、決断した人の感情的な思いが評価から外れることになり、責任感の暴走を防ぐことができるのです。

⑶配置換え

 前職が下した決断に関与していない人が新たに責任者となれば、成功しそうにないプロジェクトを率先して廃止することができます。

失敗してもやめられないというのが責任感の過剰に起因するというのは、一つの見方ですが、これもありかなと思います。先日書いた、認知のゆがみ、つまり自分の成功は過大視し、失敗は過小視するということもかかわっているように思います。現実の失敗を過小視し、将来の成功を過大視することで、そのまま方向転換せずに突っ走ってしまうのです。

企業においては、失敗にしがみついて軌道修正せずに暴走するようなことになれば多大な侵害を被ることにもなりかねません。責任感の過剰や認知のゆがみは是が非でも回避しなければなりません。参考にしてみてください。