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組織を成長させるリーダーシップとは?

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で18,229人、そのうち東京3099人、神奈川1738人、埼玉1115人、千葉1089人、愛知1719人、大阪2501人、兵庫954人、京都478人、福岡795人、沖縄565人、北海道314人などとなっています。首都圏下は減少傾向が見られ、全国的にも高止まりしているようにも見えますが、お盆明け、更に9月の2学期開始で人流が増え、その影響がこれからでてくる可能性があり予断を許しません。

総裁選への立候補を表明した岸田文雄政調会長が会見を開きました。死んだ魚のような目で原稿棒読みの菅首相とは違い、力のこもった熱意ある内容でした。「(個々のコロナ対策が)全体の中でどこに位置し、どれだけ我慢すれば目標に達するのか丁寧に説明する」「(菅首相のコロナ対策は)国民には説明が十分ではないのではないか、楽観的過ぎるとの声が多数ある」と暗に菅政権を批判し、「多分よくなるだろうでは打ち勝つことはできない。最悪の事態を頭に置く必要がある」とも言っています。危機管理においては最悪の事態を想定し、その対策を事前に立てておくことは基本中の基本です。菅首相は根拠なき楽観論を振りかざし泥縄的な対策しかできず、1年半にも及ぶ期間を国民に自粛を強い無為無策でやり過ごしました。岸田氏が危機管理の基本をしっかりと理解しそれを実践しようとしていることは良いことです。岸田氏は、菅政権が国民の声を無視し、民主主義の根幹が脅かされているとして、「我が国の民主主義を守る」と力強く言っています。素晴らしい言葉です。しかし、リーダー、特に一国の首相には魔物がついています。権力を握った途端それまで抱いていた理想、信念や熱意などが吹っ飛び、権力を振りかざしたくなるのです。ジョン・アクトン卿は「権力は腐敗しやすく、絶対的権力は絶対的に腐敗する」と言い、ヘンリー・キッシンジャーニクソン・フォード大統領時の国務長官)は「権力は究極の媚薬だ」と言っています。少なくとの菅首相にも、総裁・首相になる前には崇高な理想があり、菅政権も「国民のための内閣」としてスタートしたはずです。それが、いまや権力を奪われまいと政権維持に躍起になり醜い姿を晒しています。岸田氏には、今抱いている理想や信念、熱意を忘れることなく、総裁選に打ち勝ち、国民の声に素直に耳を傾け、民主主義を守り、権力という媚薬に溺れることがない首相になってもらいたいものです。

さて、今日は、Forbes JAPANの「ビジョナル南社長がマネフォ創業時に『起業はやめておけ』と言った理由」を取り上げます。昨日の続きと言っていい内容です。マネーフォワードの辻庸介氏とビジョナルの南壮一郎氏の両氏に、スタートアップから頭一つ抜け出しすためのリーダーシップについて話を聞いたものです。

組織の成長とともに起業家自身も成長し続けることができなければ、生き馬の目を抜くような厳しい競争環境で生き残ることはできません。スタートアップ企業のリーダーには強いリーダーシップが求められます。

これまで、何気なくスタートアップ企業という言葉を使ってきました。

スタートアップ企業とは、企業の形態を示す言葉ではなく、新たなビジネスモデルを開発し、市場を開拓する企業のことです。スタートアップ企業には、今までにない革新的なビジネスといった「イノベーション」が不可欠です。ベンチャー企業は立ち上げ間もない企業で、必ずしもイノベーション性は要求されていません。スタートアップ企業は短期間の成長や急成長を狙った企業が多く、ベンチャー企業よりも短いゴールが設定されています。

1.組織を成長させる「リーダーシップ」とは?

 辻氏は、リーダーシップには「すごくデカいビジョンを描けること」が必要だと言っていますが、イノベーション性が必要なスタートアップ企業だから「すごくでかい」という形容詞がついているように思います。しかし、リーダーシップには「こういう世界を作りたい」というみんながワクワクするようなビジョンを示せることは重要な要素の一つだと思います。その意味ではリーダーには、みんながワクワクできるようなビジョンを描いて、みんなとそれを共有し前へ進めていく力が必要です。

 また、辻氏は「最後まで残ること」を挙げていますが、スタートアップ企業では、意見が合わず仲間割れで袂を分かつ人がいることから挙げられている言葉です。しかし、リーダーは「逃げられない、逃げることはできない」というのは、スタートアップ企業だけに限りません。「どんな嵐や豪雨で船が転覆しそうになっても、船上で最後まで旗を立て続ける人」こそがリーダーであり、自らの命を賭けて乗員を守り続けることができる人がリーダーです。リーダーには、そうした覚悟が必要です。

 南氏は、リーダーシップの本質を表す言葉として、「願い」を挙げます。リーダーシップとは、「こうありたい」という未来を願う気持ちがあるかどうかということです。この願いに仲間が集まってくるし、その仲間から願いがさらに芽生え、そのつながりが仲間の絆を強め、願いを実現していくと言うのです。この願いが具現化したものが事業であり、ビジネスモデルであり、理念なのです。ビジネスの本質は、会社が持つ願いに向け、みんなが一枚岩となり、共通の目的に対して改善しながら前進していくことです。リーダーの役割は、願いを絶対に実現することを仲間と約束して必ず実現することです。

2.学びの場としての会社

 世の中はものすごいスピードで変化し、特に働き方の変化は目まぐるしくなっています。デジタル化、リモートワークで働き方が大きく変わり、従業員は「この会社で働くことによって何が得られるのか」「この会社で働くことで自分の市場価値が上がるのか」を考えるようになってきています。企業は社員が経験・スキル・知識を伸ばすための投資をしていかなければなりません。

 南氏は、「これからの人が会社に求めるのは『学ぶ場』だと思います。会社は『自分の価値を高める場』となっていくのではないか」と言っています。学びと価値向上を実現できる会社に優秀な人材が集まり、実現できない会社からは人材が流出していくというのです。

 辻氏も、「社員の成長する機会を作るのが、社長や経営陣の役割で、経験を積むことが一番の成長なので、その機会をできるだけ多く提供することが大事」と言いいます。

3.この仕事がんばったら、世の中良くなるんだっけ?

 辻氏は、年功序列ではなく、性別・年齢・国籍に関係なく、結果を出した人が新しいチャンスをつかめること、力のある人は入社数年でも責任ある仕事を任せるというのです。VUCAの時代では多様性は極めて重要です。

 また、辻氏は、世の中をよくするという姿勢、「この仕事がんばったら、世の中良くなるんだっけ」という目配りも求められると言っています。自分の仕事がどのように社会課題を解決しているのかという点が重要になってくるというのです。

4.成功の近道とは?

 南氏は、「働くうえでの価値観を自分で見つけられるのか、また時代に合わせて自ら変化させられるかどうか。多様な選択肢があることは素晴らしいと思う一方で、一人ひとりが自らのキャリアを主体的に考え、コミットしなくてはならない厳しい時代が到来している」と言います。しかし、成長している事業環境の下で、成長をもたらしている上司の下で働くことが成功への近道であると言っています。

 これはスタートアップ企業に限ったことではないと思います。スタートアップ企業だけでなく、どのような企業の経営には、本質的な価値を見極め、アウトプットにコミットできる覚悟が必要です。それは単にリーダーや経営者ばかりでなく、いずれリーダーになろうとする人にもそうした覚悟が必要です。

 スタートアップ企業に限らず、どのような組織・企業においても、リーダーは自ら描いたワクワクするようなビジョンをメンバーと共有し、同じ目的に向けて進んでいくことが大切であり、かつ命を賭けてメンバーを守り抜く覚悟が必要です。