中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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働き方改革としてのDX

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で8234人、そのうち968人、神奈川971人、埼玉450人、千葉665人、愛知1190人、大阪924人、兵庫357人、京都258人、福岡420人、沖縄167人、北海道123人などとなっています。月曜日とはいえ、1万人を下回るのは8月2日以来で、ようやくピークが過ぎたような気がします。しかし、重症者数は高水準にあり医療体制がひっ迫している状況に変わりありません。政府は分科会の提言を受け、早くも行動制限緩和を模索する動きが加速しています。経済の回復と新型コロナ対策の両立は必要ですが、安易な行動制限緩和は再び感染拡大を引き起こし、経済の回復を遅らせることになります。いかに現状を的確に認識し、それを正確に分析して状況に応じ段階的な緩和措置を行っていくことです。前回のGotoのように時期をわきまえず利権主義に振り回されるようなことだけはしてはいけません。この度の総裁選においても、二階、麻生といった老害や森友・加計問題など疑惑だらけの安部が次期政権の黒幕としての地位を得ようと暗躍しています。政治は彼らの私物ではありません。舛添要一氏は「菅首相は、黒幕たちにいいように使われ、捨てられた。悲劇の『雇われマダム』だ。背後に悪いやつがいる」と言っています。こうした派閥主義・黒幕政治にはうんざりです。とっとと政界から退席してもらいたいものです。

さて、今日は、JBPressの「バリューサイクル・マネジメントで働き方のDXを進めよう」という記事を取り上げます。DXについてはこれまでも何度も取り上げてきましたが、その際にも言いましたように、DXやデジタル化は手段であって目的ではありません。しかし、ITを使い、さらにコミュニケーションの方法を変えて組織の内側から活性化していくことは重要です。

この記事は働き方改革とDXあるいはデジタル化の関係を明確にしてくれています。

コロナ禍で、テレワークを導入した企業も多いのですが、テレワークやりモーモーとワーク、更にはワーケーションを取り入れたからと言って、そのまま「働き方改革」や「ビジネスモデル改革」さらには「地域活性」が実現できるわけではありません。

この記事では、「経営の景色と現場の景色をどのように合わせていくのか、どのようにコミュニケーションを変えていくのかがポイントである」と言っています。

この記事によれば、現在2つの格差が広がっていると言っていますが、その通りです。

  1. 大都市と地方都市の格差・・・コロナ禍で、都市部の企業は、必然的にテレワークのような新しい働き方と向かい合わなければなりませんでしたが、コロナの影響が限定的な地方都市では、テレワークのような働き方をしなくても仕事は回っています。その結果、テレワークのような新しい働き方を経験した都市部の企業と、テレワークの経験がほとんどない地方の企業との間でワークスタイル変革の格差が広がっています。
  2. 先進企業とレガシー(鈍感)企業の格差・・・デジタルを使った新しい働き方、新しい稼ぎ方に死すとすることで収益力を高め、今までとは違う顧客とのつながり、新たなビジネスモデルを展開し始めている先進企業と、従来道理の経営方針で時代の流れを読めない鈍感企業との格差です。

目まぐるしく変わっていく激動の時代において、従来の考え方や経営方針にとらわれていたのでは、時代の流れに遅れ、成長できないどころか生き残りもできなくなってしまいます。上の格差を縮めていかなければなりません。そこで「マネジメントシフトやマインドシフトによって新しいもの・考え方を取り入れる」ことが重要になります。その新しいもの・考え方の一つが、DXでありデジタル化です。

1.DXの成功には社内外とのコラボレーションが不可欠

 DXについては何度も説明していますが、「デジタル(D)+トランスフォーメーション(X)」のことで、トランスフォーメーションは変革・改革を意味しています。

 デジタルについては情報システム部門やIT専門家に聞けば解決しますが、それだけでは変革を起こすことはできません。DXというのは単なるデジタル導入ではなく変革を起こすためのものなので経営陣を中心とした全社的な経営戦略でなければならなのです。そこに、多くの企業がDXに失敗している原因があります。DXが時代の流れだと取り入れたものの経営陣がDXの本質を理解せず、情報システム部門や業者に丸投げしてしまっているのです。これでは全社的な変革は起こりません。

 DXで変革を起こすものは、企業や各部門が抱えている課題や問題です。これらの問題は情報システム部門や人事部門が単独で解決するには限界があります。

 DXを成功させるには、他部門とのコラボレーション、更には社外とのコラボレーションが不可欠なのです。

 デジタルを使いながら部門間の壁を越えていくためには、社内業務の電子化が欠かせません。また、スマートデバイスクラウドサービスで、どうやってお客様に価値を提供していくか、どうやって今までとは異なる売り方をしていくかが求められています。

 この記事では「過去思考ではなく未来志向で考えられる人を強化していくような発想がDXを成功させる」と言っています。

2.固定化された働き方からは新しい発想は生まれない

 この記事では、DXにはデジタル・トランスフォーメーションのほか、デジタル・エクスペリエンスという意味もある」と言っています。エクスペリエンスというのは、「体験・体感」という意味です。

 日本の組織では、最新のデジタル機器やデジタルサービスを使う経験が圧倒的に不足しています。いまだにコミュニケーションツールはメールだけでビジネスチャットを使ったことがないという企業も多く存在します。最新デジタルツールを使うことで、どのようなコミュニケーションの広がりを生むか、あるいはどのようなアイデアを形にできるかという経験が少なければ、DXなど起こり得ません。

 小さなデジタル経験を増やすことから始めていくしかありません。まずは身近な不便をデジタルでどう解消できるかということからでいいのです。デジタルで少しは楽になったという体験が、次へとつながるのです。

 DXの本質は「デジタルの力で固定された環境から解き放たれること」です。毎日、同じメンバーで、働く時間・仕事内容・行動パターンまで同じ人間同士が集まっている環境では、新しい発想やアイデアは生まれません。DXによって、デジタルゆえに時間や場所の制約から逃れ、空間を超えて他の地域の人とつながることによって、新たな課題の解決策やビジネスモデル、働き方を生んでいくことです。

3.組織改革に向けて、経営者と現場に求められること

 経営者、中間管理職、現場のそれぞれが自分たちだけで悩むのではなく、全社的に景色を合わせ、他部門とコラボレーションして立体的に解決していくことが重要です。これがバリューサイクル・マネジメントです。

 まずは現場の小さな単位で、「未来価値創造」「業務改善」「育成・学習」のコアサイクルを回し、次に他部署とつながって新しい価値を生み出し、正しい成長要求や能力を持った人たちが正しく活躍できるように、デジタルを使い、制約を取り払って滑らかにこのサイクルを回していくのです。

 経営には、何よりもITと育成への投資が必要です。社員のスキルアップ、マネージャーのマインドシフトを含め投資し、デジタルエクスペリエンスを社内に増やすことです。そのためにも採用・人材評価制度の刷新は不可欠です。

 現場では、身近の課題や問題を言語化して景色を合わせること(共有すること)が出発点です。そして、他部署や経営サイドと小さなデジタルワークで、その課題を解決するのです。少しの成長体験、気持ちよくなった快感や体験を創出し、さらにそこからデジタルの広がりを増やしていくことです。

しつこくようですが、DXやデジタル化は手段であって目的ではありません。組織改革・マネジメント改革・ワークスタイル改革にDXやデジタル化が必要ならば、必要な範囲で導入していけばいいのです。

この記事にあるように、まずは小さなところから始めてデジタルの体験を創出し、そこからデジタルの広がりを増やしながら、DX、デジタル化へとつなげていくことです。ただ、DXは、単なるデジタルの導入ではなく、変革であることを忘れず、経営陣が中心となって全社的に取り組まなければならなりません。