中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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モチベーション幻想?

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で153人で、26県で新規感染者ゼロとなっています。このところ、日本で新型コロナ感染は落ち着いていますが、欧州、ロシア、中国、タイなどで感染拡大しており、第6波の懸念は払しょくできません。国民の7割以上が2回のワクチン接種を終えていますが、時間の経過に伴い有効性も低下するので第3回目のワクチン接種をいつ行うかで、第6波を先送りすることができるでしょう。厚労省も3回目のワクチン接種を前倒しして来月1日から実施できるようにするようですが、ワクチン接種には自治体の協力が不可欠で、準備ができていないのが現実です。医療従事者等への接種が12月から始まったとしても一般の人が接種できるのは来年2月以降になりそうです。そうなると、来年1月頃から第6波が起きます。これを抑えるには、医療体制の充実と国民一人一人の意識を高め感染防止対策を進めていくしかありません。

さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「優秀なリーダーは『部下のモチベーション』を高めない」という記事を取り上げます。

これまで、部下のモチベーションを高めるにはどうすればいいのか、について色々書いてきましたが、この記事では「部下のモチベーションを高める必要はない」と言っています。今本当に求められているのは、「部下を厳しく『管理』することなく、それでも『圧倒的な成果』を上げ続けること」です。そのためにリーダーはどうすべきかということです。

1.「モチベーション幻想」に縛られない

 「やる気がない」「本気が見えない」「言われたことしかしない」リーダーにはいろいろな悩みがあります。こうした悩みを解決しようとするとき、「どうやってモチベーションを高めればいいか」と考えがちです。つまり、リーダーは、メンバー(部下)のモチベーションを高めればあらゆる悩みは解決すると考えてしまうのです。

 この記事では、これは多くのリーダーがとらわれている「幻想」だというのです。

 確かに、モチベーションを高めれば必ず成果が上がるということはありません。モチベーションが高くても成果を出せない人もいますし、モチベーションが低くても成果を出している人もいます。一概に誰でもモチベーションを高めれば成果を出すとは言い切れないのです。

 しかし、多くの人はモチベーションを高めれば成果を上げますし、チーム全体で見た場合、モチベーションを上げれば個々人の成果にはばらつきが出てもチーム全体の成果は上がります。

この記事のように「モチベーションは幻想」とは言い切れないのではないかと思います。だからこそ、これまでも多くの学者がモチベーションを高めるにはどうしたらいいのかを考え、様々なモチベーション理論が展開されているのです。

2.真面目なリーダーほど「やる気低下」を気にする

 人というのは、時が経つにつれてモチベーションは下がるものです。入社早々は気概に満ちてやる気満々で仕事に取り組んでいても、数年経つと要領を覚え気を抜きやる気が低下します。メンバーが要領よく仕事をこなしていると、真面目なリーダーは「モチベーションが下がっている」と判断し、気にするようになります。そして、「部下のモチベーションを高めるにはどうすればいいか」と悩みはじめます。

 真面目なリーダーほど「部下のモチベーションを高めることがリーダーの仕事」と考えています。部下のモチベーションを高めるために、𠮟咤激励したり、あえて難しい課題を与えてチャレンジ精神に火を付けたり、賞与・昇給・昇進などのアメをちらつかせたりとありとあらゆる手段でモチベーションを高めようとします。

 この記事では、「こうしたやり方はもはや上手くいかなくなりつつある」と言っています。その理由として、熱量の低い部下への働きかけが、ハラスメント回避やリモートワーク、VUCAといった環境変化の結果、ある種の機能不全に陥っているからだというのです。

 果たしてそうでしょうか。ハラスメントやリモートワーク、VUCAといった環境変化がモチベーションと直接関係しているものではありません。上司が部下のモチベーションを高めようとすることがハラスメントになるわけではありませんし、リモートワークや環境変化でもモチベーションを高めることは可能です。こうした問題・課題があったとしてもモチベーションを高めることはできますし、それによって成果を上げることはできるのです。

モチベーションは、具体的でチャレンジングな目標設定と恒常的なフィードバックで、人為的に高められるものなのです。そしてそのためにリーダーの役割は大きいのです。

部下の育成方法についてはこれまで何度も書いていますが、「認めて、任せて、褒める」です。部下は上司から褒められ場合、認められた・信頼されていると感じ、モチベーションは自然と高まります。しかし、その前提にあるのは、あくまでも、部下との信頼関係・人間関係です。信頼関係がないのに小手先だけでモチベーションを高めようとしても上手くいくはずはありません。

まずは、コミュニケーションを通じてより良い人間関係・信頼関係を築き上げることです。部下のことを心底思い、部下の心に響く言葉をかけることです。「褒める」時だけでなく「叱る」ときも同じです。

部下のモチベーションを高めることがリーダーの仕事ではありません。これはこの記事が言っている通りです。

リーダーの仕事は部下を成長させることです。部下を「認めて、任せて、褒める」こと、心底部下のことを思い、言葉を心に響かせるならば、部下は素直にその言葉に従い、期待に応えようと、自己を成長させようとモチベーションを高めていくでしょう。