中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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タスク依存の解消

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で77人で、31県で新規感染者ゼロとなっています。東京5人で、祝日のデータとはいえ今年最少となっています。ワクチンパスポートの実証実験が行われていますが、2回のワクチン接種を終えたとしても、時間が経過すればワクチンの効果は低下します。接種から1年後にどれほどの意味があるでしょうか。却ってワクチンパスポートを過信し感染拡大を引き起こすのではないかと懸念します。ワクチンパスポートを運用するとしても有効期間は最後のワクチン接種から8ヶ月~10ヶ月とすべきです。早い段階でワクチン接種を終えた方は既にワクチンの効果がかなり低下しています。今行うべき事は3回目のワクチン接種の前倒しとそれに向けた準備です。政府も3回目のワクチン接種の前倒しとその基準策定に取り組んでいるようですが、遅くとも来年早々には3回目のワクチン接種できるようになってくれれば、感染者数を現状のまま押さえ込んでいくことが出来るのではないかと思います。

さて、今日は、東洋経済オンラインの「自己満足?『タスク依存』に陥る人の無意味な多忙 時間かけても『上司の評価は50点』から抜け出す」という記事を取り上げます。

1.自分の仕事を極めればよい? タスク依存に要注意

 周囲から働き者とみられていても、その印象は実際の生産性や成果とはほとんど関係がありません。特に日本の場合、出社してデスクに向かっていれば仕事をしていると見なされます。仕事をしている(多忙な)振りをすることが問題なのです。

 会社が給料を払うのは、投資に対して見返りがあると考えるからです。従業員が勤務時間中デスクに向かっていることに価値があるのではなく、アウトプットつまり成果に価値があるのです。私たちは成果を出すために報酬(給料)を得ているのです。

 出世してリーダーとなっても、これまでと同じ仕事を続けてしまう人は多いのです。しかし、リーダーがすべきことは、自分が率いる人たち(メンバー)と同じ仕事をすることではありません。その人たちを率いて仕事をさせることです。

 この記事では、お金や仕事を優先して時間がなくなってしまうことを「タイム・プア」と呼んでいます。

 管理職にもなると、出席しなければならない会議も増え、部下を向き合う時間がなかなか捻出できずに部下の育成もままならなくなります。これまでと同じ仕事をしていたのでは「タイム・プア」の状態に陥ることは当然です。

 ある程度は部下に権限委譲して自分が出席しなければならない会議を減らし、自分が行うタスクも制限し部下に仕事を任せることが重要になります。そうすることで部下の育成も出来るのです。これによって時間の余裕が生まれ、「タイム・プア」から「タイム・リッチ」へとシフトが図られるのです。

 一方で、管理職、リーダーとなれば、部下のタスクにも注意が必要になってきます。出社し対面で仕事をしていたときと違い、リモートワーク下においては、タスク管理は非常に難しくなっています。誰がどのような仕事をどれだけ、どれくらいの進捗で行っているのか把握することが困難になっています。

 多すぎるタスク量はオーバーフローするので問題ですが、後で述べるように優先順位をつければ解消できます。問題なのは、タスク量が少ない人です。限られたタスクしかしないと与えられたタスクにダラダラと無駄に時間をかけてしまいます。時間をかけて仕上げたからといって良いものが出来るわけではありません。自己評価は100点満点でも管理職からみればせいぜい50点といったところです。

 自己満足で磨き上げるよりも、生煮え状態でもいいので上司に相談し、コミュニケーションをとりながら完成度を高めていく方がよりよいものが出来ます。部下が自分勝手に仕事をすると、方向性がずれたり、やらなくてもいいことまでやってしまいます。ここでも重要なのは信頼関係であり、それに基づいたコミュニケーションです。

2.タイム・プアは優先順位付けで解消できる

 上司としては、部下が1つのタスクに執着しないように、適切にタスクを与えて同時並行的にマルチタスクをこなせるようにすることです。これは部下の育成にも繋がります。

 ビジネスにおいては。時間の経過によって仕事の優先順位が入れ替わることがあります。部下が自分でそれを判断することが難しい場合もあります。部下が自分で判断できるようになるまでは、最初は、上司が優先順位を決めていくことも必要です。そうするうちに、部下も自分で何が最優先か、何を後回しにしていいのかが分かるようになってきます。

 「何かあったら休日でも勤務時間外でも対応しなければならない」という方針の企業では、オフを犠牲にすることが美徳であるように思われています。そのような企業でなくても、オフに対処しなければならない場合が出てきます。その時でも優先順位が決まっていると、オフを犠牲にしてまで対処する必要があるのかどうかの判断が出来ます。

 以前「良い戦略 悪い戦略」で書きましたが、ポーターは、「戦略でまず考えることは何をやらないかだ」と言っています。戦略にかかわらず、ビジネスにおいて「選択と集中」によって「何をするかを決める」よりも「何をやらないかを決める」のが重要なのです。この「何をやらないかを決める」ことはなかなか難しいことです。

 最初は、上司がタスクに優先順位をつけ「やらなくてよいタスク」を決めて伝えることで部下のアウトプットの精度が高まり、更に自走力が身につきます。そうなると、部下が報連相を自発的に行うというサイクルが生まれます。こうして、上司と部下との双方に「タイム・リッチ」な仕事の循環が実現できるのです。