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マネジャーが陥りやすい罠

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3万8579人で、大都市圏では減少していますが地域によっては増加しているところもあり(12道県で先週を上回り、鹿児島は過去最多)、全国的には前週からほぼ横ばいの状況です。沖縄ではステルスオミクロン株(BA.2)が9割を超え、これが感染拡大に繋がっています。今後は、大都市圏でもBA.2に入れ替わり、それに伴って感染者数が急増することが予想されます。BA.2は、感染力が強いということですが、感染対策としてやることはこれまでと変わりません。これまで通り3密を避け、マスク、手洗い、うがいなどの基本的な対策を励行するしかありません。

さて、今日は、キャリコネニュースの「『管理職になったのですが、自分の仕事が忙しくて』という人がやりがちな失敗」という記事を取り上げます。

新年度が始まり、新しく管理職・マネジャー、リーダーになった人も多いと思います。

以前、「プレイングマネジャーになってはならない」と書いたことがあります。リーダーやマネジャーの仕事は、特定の目的を達成するためにあらゆる要素を制御することが仕事です。簡単に言えば、自分が仕事をするのではなく、他の者(メンバー)を率いて仕事をさせることが役割です。

ところが、出世してリーダーやマネジャーになってもこれまで通り同じ仕事を続けようとしている人が多いのです。

1.プレイングマネジャーが陥りやすい罠

 確かに日本の企業の管理職の大半はプレイングマネジャーです。人(部下やメンバー)を動かすマネジメント業務と自ら動くプレイング業務を両立していかなければなりません。ここで重要なのは、マネジメント業務とプレイング業務のどちらに軸足を置くかということです。

 多くのマネジャーはプレイング業務に走りがちです。何をやらかすか分からない部下に仕事を任せるよりも、自分でやった方が安心ですし、時短になるからです。

 このやり方は、短期的には効果がありますが、いつまでもこのやり方を続けていては部下が育ちません。部下が育たないということは、将来的に組織の成果を出しにくい状況を作っているということです。 

 この記事では、リンダ・ヒルが『昇進者の心得』の中で語っている「成果を上げられない管理職が陥る5つの落とし穴」が挙げられています。

  1. 隘路に入り込む
  2. 批判を否定的に受け止める
  3. 威圧的である
  4. 拙速に結論を出す
  5. マイクロ・マネジメントに走る

2 5つの罠に陥らないために

 この記事では、5つの罠に陥らないために2つの方法が紹介されています。

 その1つが「M理論」です。PM理論は、三隅二不二博士によって提唱されたリーダーシップ論で、Pはパフォーマンス、Mはメンテナンスの頭文字です。

 リーダー行動には「リーダーシップP行動(集団の目標達成の動きを促進し、強化するリーダー行動)」「リーダーシップM行動(集団や組織の中で生じた人間関係の過度な緊張を解消し、激励と指示を与えて、自主性を刺激し、成員の相互依存性を増大させていくリーダー行動」の2つの次元で捉えます。

 この理論では、

  1. P、Mともに強いリーダーシップ(PM)のもとでは生産性もモラール(士気)の両方とも最高となった。
  2. P、Mともに弱いリーダーシップ(pm)のもとでは生産性とモラールの両方とも最低であった。
  3. Pが強くMが弱いリーダーシップ(Pm)やPが弱くMが強いリーダーシップ(pM)のもとでは、生産性やモラールは中間知を示し、前者の方が後者より生産性が高くモラールは低かった。

 この理論から言えることは、リーダーには、業績を達成するパフォーマンス機能と人間関係を良好に保ち人と組織をまとめるメンテナンス機能の両方がバランス良く備わっていることが必要だということです。業績への関心だけでなく、人への関心を持つリーダーに進化する必要があるのです。

 もう一つが「マネジリアル・グリッド理論」です。「マネジリアル・グリッド理論」はR.R.ブレークとJ.S.ムートンによって提唱された理論で、『人への関心』『生産への関心』という2つの次元をそれぞれ9段階尺度で構成し、全部で81のリーダー行動を仮定します。基本的な考えはPM理論と同じです。

 人への関心並びに生産への関心がともに最高のリーダー行動(9.9型)が最もこみゅにけーしょんを妨害されず明確な者となり、無益な葛藤は解消し、仕事への打ち込みが得られ想像力が発揮されるというのです。ここでも、業績と人へも最大の関心を持てるリーダーが理想的だというわけです。

3.メンバーへの関心を持つために

 業績のみならず、人への関心を持つためには、これまで何度も言っていますようにコミュニケーションをとることです。コミュニケ―ションは「言葉と思いのキャッチボール」で、相手を知ることが重要です。心理学者ロバート・ザイアンスによれば、「人や物に何度も触れることで警戒心が薄らぎ、関心や好意を持ちやすくなる(ザイアンス効果)」です。

 人への関心を持つためには、こまめなコミュニケーション機会を作っていくことが大切なのです。日頃の挨拶、声がけ、報連相や面談機会等、コミュニケ――ション機会をこれまで以上に増やすことです。コロナ禍で、てれワークやリモートワークでコミュニケーション機会が減っていますが、意識的にリモートでの1on1面談、テレビ会議での雑談機会など意図的に行なっていきましょう。