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タスク管理術

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2万1784人で、1週間ぶりの2万人台になっていますが、都市部は減少、地方は増加という図式は変わっていません。感染者数だけを見ると、第5波のピーク時と同程度であり、決して少ないとは言えませんが、死亡率や重症化率が大幅に改善されていることは事実です。これはワクチン接種によるところが大きいと思いますが、今後第7波が到来し、感染者数が急増すれば死者数の重症者数も増加します。まだまだ普通の風邪のように侮ることはできません。

さて、今日は、ライフハッカーの「”いつやるか”から決めるタスク管理術『1日4分割メソッド』」という記事を取り上げます。

先日も「先延ばしグセの克服法」について書きましたが、ついつい先延ばししてしまうのは人間の脳の防衛本能によるところが大なのです。しかし、先延ばししても良いことは何一つありません。「SINGLE TASK 一点集中術」で書いたように、タスクを所要時間別に分けてスケジュールを組むことも有用です。いつどのタイミングでどのタスクを行なうかを決めることで、着実にタスクをこなせるようになります。

以前「効率的なタスク管理」でも書きましたが、「ToDoリストを作ることは有効です。しかしデメリットもあります。ToDoリストは『やるべきこと』を羅列したメモに過ぎず、優先順位がつけられていない」のです。ToDoリストから「やめる業務」を削除し「緊急性は低いが重要な業務」を加え、優先順位をつけることです。

ToDoリストの作成で重要なのは、やるべきタスクの羅列でなく、「いつ」やるかということです。

人間には「概日リズム」と呼ばれる体内時計が備わっています。午前中は頭がさえ、午後には体が良く動くようになるのも、この体内時計によるものです。

以前、集中力が高まる時間帯は、①午前10時半と②午後4時半の2回であるという研究結果があることを書きました。午後4時半というのは終業時間前なので、重要なのは午前10時半です。重要な仕事は午前10時半の一番集中力が高い時間帯に行なうのがいいのです。

集中力が高まる時間帯に山があるので、同じペースで仕事を行うことはできません。朝から晩まで同じペースで仕事をすることを前提にスケジュールや計画を立てているのなら、それは間違いです。

集中力が高まっている午前10時半の山に、優先順位の高い仕事や「やりたくないがやらねばならないこと」「苦手だけどやらないといけないこと」をやり、終業間近の2つめの山では明日やるべき事のスケジュールや計画を立て、明日の午前中の準備を行なうのが良いのです。

話をこの記事に戻します。

この記事では、「1Day Refund:Take Back Time,Spend it Wisely(1日を取り戻す:時間をコントロールし、賢く使おう)」の著者ドナ・マクジョージ氏による、「闇雲にToDoリストの項目に取り組むのではなく、1日の仕事時間を2時間ずつ4つのセクションに分ける方法」が紹介されています。

1.第1セクション:最初の2時間

 マクジョージ氏は、「仕事を始めて最初の2時間は、高い集中力が要求され、負荷が高いタスクを行なう時間帯だ」と言っています。確かに午前中の時間帯に集中力が高まることは事実ですが、最初の2時間に最も集中力が高まるとは思えません。先ほどの実験でも明らかなように集中力が高まるのは午前10時半頃です。始業時間が何時かにもよりますが、最初の2時間はウォーミングアップの時間帯です。

 確かにマクジョージ氏が言うように、「多くの人が朝一番に受信メールをチェックし、その対応に追われている」というのは、朝一番頭が働く時間帯に無駄な時間を使っていることになります。手元に届くメールの90%は対応にそれほど頭を使う必要のないものですし、緊急性が要求されるものでもありません。

 「朝のうちにメール対応をすべて済ませてしまえば、午後は集中して最高の成果が上げられるという」のは幻想に過ぎません。

 まずはウォーミングアップとして、緊急の対応が必要な10%のメールの処理を行うことです。そうこうしているうちに、最も集中力が高まる午前10時半になります。

2.第2セクション:次の2時間

 マクジョージ氏は、この時間帯は「高い集中力が要求されるけれども負荷は低い仕事に振り分けるべき時間帯」と言っています。午前8時~8時半を始業時間とすれば、この時間帯が最も集中力が高まる時間帯です。この時間帯に、優先順位の最も高いタスクを行なうべきです。この時間帯に優先順位の高い仕事や「やりたくないがやらなければならない仕事」「苦手だけれどやらなければならない仕事」を行なえば、集中力が高まっているので、良い成果が出ます。「やりたくない仕事」や「苦手な仕事」は、集中力が欠如しているときにやれば、思わぬミスを起こしてしまうものです。

3.第3セクション:昼食後の2時間

 マクジョージ氏は、「昼食後の2時間は、負荷が低く、それほど集中力を必要としないタスクに取り組むべき時間帯」と言っています。これ間違いありません。この時間帯には、残り90%のメール対応などあまり重要とは思えないけれど今日中にやらなければならないことに取り組むべきです。問題や課題解決が目的ではなく、情報交換が目的のミーティングなどもこの時間帯に行なえばいいのです。この時間帯に研修や学習活動に参加するのは効果があるという研究結果もあるようですが、昼食後で眠い時間帯でもあるので、注意が必要です。

4.第4セクション:最後の2時間

 マクジョージ氏は、「頭の回転や注意力が落ちてくる時間帯」と言います。しかし、午後4時半に集中力が高まる2つめの山が訪れます。昼休みが終わり最初はダラダラしていたのが2時間くらい経つ頃には再び集中力が高まってくるのです。確かに、終業間近で肉体的には疲労感は出ていますが、感性は研ぎ澄まされ集中力が高まっているのです。残念なことに終業間近なので、重要な案件や負荷の高い仕事に取り組むことはできません。負荷が低いが影響力の高い仕事や、やりかけの仕事を時間内に完成させたり、明日のスケジュールや計画を組むべき時間帯になってきます。

マクジョージ氏の考え方と私の考え方で若干の違いがありますが、スクジュール管理において重要なことは優先順位を決めて、やるべき時間帯を考えながら取り組むという姿勢です。

ToDoリストに「やりべきこと」を羅列するだけではなく、マクジョージ氏のように4つのセクションに分けて、どのタスクをどの時間帯に行なうのが効率的かを考えながらスケジュールを組み、タスク管理を行ないましょう。