中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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休日の本棚 ビジネス・プリンシプル

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で10万3311人で、5ヶ月ぶりに10万人を超え過去2番目の数字になりました。このところの感染者数の推移を見れば、今日にも過去最多を更新するのではないかと思います。岸田首相は、「現時点で新たな行動制限は考えていない」との政府方針を述べましたが、これに対し、過去最多を更新している島根県の丸山知事は、「何の行動制限もせずに、この感染の大きな波を乗り越えることができると考えているのか。リスクマネジメントとしては最低最悪」と政府の対応を批判し、県独自の飲食店の利用制限を実施することにしました。現時点では、全国一律に行動制限や自粛要請は必要ないと思いますが、感染者数が激増している地域では、感染者数・重症者数や医療体制を見極めながら独自に行動制限を出していいのでないかと思います。

リス気宇マネジメントとしては先手必勝が基本であり、丸山知事の言うとおりです。昨日行なわれた岸田首相のコロナ対策会見は、ほとんど中身がなく、やっている感だけの内容でした。これでは、阿部、管と全く同じ、またしても後手後手の対策で感染者数を増やし、守ることのできた人の命を危険にさらすのでしょうか。

さて、今日は、中尾隆一郎著「最高の成果を生み出す ビジネススキル・プリンシプル」(フォレスト出版を紹介します。

著者の中尾氏は、(株)中尾マネジメント研究所代表取締役で、リクルートに29年務めた後、独立し中尾マネジメント研究所を設立しています。中尾氏には、経営マネジメント順るで異例の3万部を超えた「最高の結果を出すKPIマネジメント」という著書もあります。

この本では、ビジネス初心者から上級者まで、すべてを網羅するスキルアップの知恵と後術が集大成され、仕事のアウトプットのレベルが格段に上がるとされている本です。

1.仕事の成果は「最も弱いスキル」に影響される

 仕事で成果を上げるには、さまざまな知識やスキルが必要で巣。そして仕事の成果は、その仕事に必要なスキルのうち、最も弱いスキルに影響されるのです。

 例えば、提案営業職には、①プレゼン力 ②クロージング力 ③ヒアリング力 と言う3つのスキルが必要です。それぞれ10点満点中5点が最低限必要なスキルだとします。ある営業マンのスキルレベルが ①プレゼン力5点 ②クロージング力8点 ③ヒアリング力3点 だとすると、この営業マンの営業成績は、最も点数の低いヒアリング力3点の影響を強く受け、結果3点レベルの売上結果になるのです。

 この営業マンのプレゼン力は5点なので合格レベルで問題はありません。また、クロージング力は8点でかなり高いレベルです。しかしヒアリング力が3点で合格レベルに達して折らず、これが大きく足を引っ張るのです。

 こうした考えは、「ザ・ゴール」でエリヤフ・ゴールドラット教授が提唱している「制約条件理論」の中尾氏なりの解釈に基づいています。

 「制約条件理論」(TOC理論 Theory of Constrains)というのは、「どんなシステムでも、ごく少数(あるいは1つ)の要素または因子によってそのパフォーマンスが成約される」という過程から出発した包括的な経営改善の手法です。これによれば、「制約にフォーカスし、問題解決を行なえば、小さな変化と小さな努力で著しい成果が上げられる」というものです。

 制約条件理論は次のステップで行なわれます。

  1. ステップ1 制約を見つける
  2. ステップ2 制約を最大活用する方針を決める
  3. 制約以外のすべてをステップ2の決定に従わせる
  4. 制約を強化する
  5. 制約を解消したら惰性に気をつけステップ1に戻る

 こうしたステップを踏みながら、問題解決を行なっていけば、「やりがいを実感できる職場・風土・仕事の進め方が、現場の競争力を高める原動力になる」のです。

 制約条件理論の説明はこれくらいでこの本に戻ります。

 この営業マンはヒヤリング力が制約になっているのです。この制約がこの営業マンの弱点となっているので、他のスキルをいくら伸ばしてみても、ヒアリング力3点という制約が足を引っ張ります。この営業マンに必要なのは、他のスキルを伸ばすことではなく、制約となっているヒアリング力を合格レベルに引き上げることです。

 確かに自分の弱点となっているところ、つまり弱みを克服することは大切かも知れません。弱みを克服しても合格最低点に達するだけです。しかも強みを伸ばす方が容易です。強みを伸ばして、弱点についてはアウトソーシングするという手もありではないでしょうか。仕事に必要なビジネススキルはさまざまですべてを身につけることは不可能です。すべてを身につけることができてもすべてが合格点ギリギリではあまり意味がありません。自分の得意なの頃を最大限伸ばし、自分の弱いところは他の人のスキルや知識に頼ればいいのです。

2.必須ビジネススキルの原理原則を78に抽出

 この本で、中尾氏はリクルートに29年間務め、地震のチームメンバーやプロジェクトのスタップに伝授し実践してきた、いわばリクルートの社外秘とも言うべき、ビジネススキルを78にまとめて紹介してくれています。

 先ほども書きましたが、すべてのスキルを身につける必要はなく、頼れるところは他の人のスキルに頼ればいいのです。そうはいっても他の人に頼るクトができないスキルもあります。これは絶対身につけなければなりません。それは本書でも紹介されているPE(ピープル・エンパワーメント)とPM(プロジェクトマネジメント)です。

 PE(ピーブル・エンパワーメント)は人の管理で、PM(プロジェクト・マネジメント)は仕事の管理です。これらは外部に委託することはできず、自分で身につけなければならないスキルです。

 78のビジネススキルの紹介はこの本を読んでもらえればわかりやすく説明されています。

 この本の最後に、マネジメントに役立つ厳選名著17選が載っていますので、紹介しておきます。17選と言いながら19ありますが

  1. 自分の小さな「箱」から脱出する方法 アービンジャー・インスティチュート
  2. 1分間リーダーシップ ケン・ブランチャード
  3. 1分間マネジャー ケン・ブランチャード
  4. 経営者に贈る5つの質問 P・F・ドラッカー
  5. 人を動かす デール・カーネギー
  6. コーチングの神様が教える「できる人」の法則 マーシャル・ゴールドスミス
  7. コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント フィリップ・コトラー
  8. ザ・プロフィット エイドリアン・スライウォツキー
  9. 見える化 遠藤功
  10. ねばっこい経営 遠藤功
  11. V字回復の経営 三枝匡
  12. アルケミスト夢を旅した少年 パウロ・コエーリョ
  13. ザ・ゴール エリヤフ・ゴールドラット
  14. ザ・チョイス エリヤフ・ゴールドラット
  15. ザ・キャッシュマシーン リチャード・クラフォルツ
  16. やばい経済 スティーブン・レヴィツト
  17. 経済は感情で動く マッテオ・モッテルリーニ
  18. イシューからはじめよ 安宅和人
  19. 習慣の力 チャールズ・デュヒッグ