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心理的安定性の高い組織を作る

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で20万9694人で、過去最多を更新。先週の新規感染者数は日本が世界で最多となっています。25道府県で過去最多を更新し、18府県で50%を超え第6波のピーク時に迫る勢いで、医療提供体制は危機的状況になりつつあります。政府は行動制限を実施せず、然りとてこれに変わる新たな対策も実施せず、国民の自主・自立に委ねるようで、政府として失格です。新型インフルエンザ特措法には「新型インフルエンザ等の八さえ維持において国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぶ影響を最小となることを目的とする」と書かれています。まず第一に政府がなすべきことは国民の生命及び健康の保護であって、国民の自立に委ねることではありません。いまの状況が続けば、社会インフラが機能不全に陥り、国民生活にも支障が生じます。後手後手にならないように、締めるべきは締めて適切な対策をとるべきです。感染状況に応じて、場合と地域によってはまん延防止等重点質・緊急事態宣言の発出も臨機応変に出せるように準備しておくべきです。

さて、今日は、日本の人事部の「『心理的安定性』の高い組織をつくる」という記事を取り上げます。

心理的安定性についてはこれまでにも書いています。心理的安定性というのは、サイコロジカル・セーフティを日本語に訳した言葉で「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰を与えるようなことはしないという確信を持っている状態で、チームが対人リスクをとつのに安全な場所であるとの信念がメンバー感で共有された状態」(エドモンド教授)です。つまり、上司や同僚の反応に恐怖や恥辱を感ずることなく、自然体で自分を隠すことなくすべてをオープンにできる職場が心理的安定性の高い職場となるのです。

この記事では、カルビーFacebook Japanの事例を基に心理的安定性の高い職場をどのように作るのかが書かれています。

1.カルビーの職場における心理的安定性

 カルビーには独自の心理的安定性への取組みがあります。その1つは、社内では役職ではなく「さん付け」で呼ぶことです。

 また、性善説マネジメントであり、マイクロマネジメントではなく、「成果から逆算するマネジメント」を推奨しています。会議やkぇんしゅうのときには、リーダーや事務局が場の目的を伝えた上で、「この場は何を言っても大丈夫な場である」と心理的安全性を宣言し伝えています。更に、トップ自ら「ポジティブな領空侵犯」を推奨しています。個々の職務は決まっていますが、それを超えて思ったことがあれば言うという「領空侵犯」を進めているのです。

 良い行動を見かけたら、リアルでもオンラインでもキチンを褒めて再現性を上げるようにしています。年1度のエンゲージメントサーベイで「安心できる職場ですか?」と質問し、心理的安定性の定点観測をしています。サーベイ後は「サーベイ実施→回収集計→分析→FBワークショップ→対策立案→実行」のサイクルを回しています。サーベイ後の変化を「変える」ではなく「アップデート」と呼び、課題と対策を考え、職場に持ち帰って1年間回していきます。

 カルビーで、心理的安定性を持って活躍できるために、「メンバーが存在ではなく参加(当事者意識)していること」「それぞれが持ち味を活かした働き方をして、職場に居場所があること「それぞれが貢献実感と成長実感を持っていること」などを重視しています。

 チームの心理的安定性を確認するときに問いかける言葉は「チームの中で違和感を口に出せる?」「一見バカげたチャレンジを言い出せる?」「等身大の自分でいられる?」といったものです。

2.Facebook Japanの心理的安定性

 Facebook Japanが正式にバリューに入れた内容が「率直に話し、同僚に経緯をもつ」といった内容です。自分と違う仕事を担当している人やチームの対し、尊敬の念を持つことが大切なのです。その一方で、意見や質問を投げかけるときには率直に話しかけるのです。要するに、フィードバックが常時行なわれる状況、かつそれがリスペクトを盛って行なわれる環境を築こうということです。

 Facebook Japanでは心理的安定性そのものがテーマとなっているわけではありませんが、ダイバシティ、エクイティ&インクルージョンの観点からトレーニングや自発的なリソースグループの活動を行なっています。

 トレーニングには全社員が受けるモノと、管理職が受けるモノとがあり、リソースグループはテーマ毎に作られています。そこで、おのおのが学びや取組みを行ない社内全体に浸透させるようにしています。

3.心理的安定性と感情の役割

 2021年頃から「心理的安定性」という言葉が頻繁に使われるようになり、心理的安定性のある職場の構築に取り組む企業も増えてきています。しかし、心理的安定性は構築して終わりではなく、維持していくことが大切です。この点が一番難しいところです。

 心理的安定性が高まると、安心安全に意見が言えるようになりますが、そうすると、議論を交わし、多様な意見を統合しようとすると、そこに感情のやりとりが起こります。そもそも人の急激な感情の動きである情動は、大昔、生存が関わるような体験を基に形成されており、原始的で身体的な反応と言えます。社内の会議や議論の際に生存の危機は訪れませんが、脳は大昔のように機能します。

 感情は非常に複雑で、その中で心理的安定性を維持しようとすれば、きちんとした感情を伴うようにしなければなりません。それができなければ、イライラして相手に起こったり、せっかく作った心理的安定性を壊してしまいます。

4.心理的安定性をうまく機能させるには

 心理的安定性にとって大切なことは、信頼関係の構築です。常備が部下を褒めることも大切ですし、適切なフィ度バックも重要です。その根底には必ずよりよい人間関係や信頼関係の構築が欠かせません。

 褒めるときには、その対象となる人の行動を具体的に褒め、かつ周囲にも「すごくない?」と巻き込んでしまうことです。人を褒めることで褒められた人も褒めた人もハッピーになり、それを周囲に広げて、褒めることを習慣化するのです。そうすることで、チーム全体に一体感が生まれ、互いにリスペクトし合える関係が生まれ現場での心理的アン手ウーシー制が全社へと広がってウーシー来ます。現場での心理的安定性が全社へと広がっていきます。

 心理的安定性は、「ゴールは何か」を言語化して皆に腹落ちさせ、そのゴールを故人や組織にとって本当に意味のあるモノにしていくことから生まれてくるものです。心理的安定性は構築するだけでは意味はなく、それを維持することが大切ですが、個人の努力に依拠するのではなくシステムとして機能していくように作ることも必要です。