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勝ち進む中小企業のDX戦略

おはようございます。
今日は、幻冬舎オンラインの「勝ち進む中小企業の『DX戦略』・・・最初に固めるべき業務体制3つ」という記事を取り上げます。

DXについては、これまでも何度か書いています。この記事では、DXの定義や最新動向の他、中小企業への導入における具体的な取組み方法が書かれています。以前にも書いていますが、世間がDxと言うのでその流れに乗ってDXを導入するのは間違いだと思います。DXは目的ではなく、手段にしか過ぎません。自社で解決すべき課題にDXが有用なら採用すればいいのです。世の中の流行で飛びつくべきではありません。

1.DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

 日本においてDXが取り上げられるようになった最初は経済産業省が平成30年に公開した「DXレポート」です。DXレポートは、「ITシステムの技術面での老朽化などのブラックボックス化を放置すると2025年度以降年額最大12兆円の経済損失が生じる」と問題提起しました。それ以降、経済産業省は、毎年DXレポートを公開しています。

 経産省の定義によれば、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争の優位性を確立すること」です。

 データとデジタル技術を自社の強みにできているかと言うことが重要なのです。

2.「データ」と「デジタル技術」の活用

 デジタル技術の普及により、技術革新が加速し、顧客ニーズの変化も早まるなど市場環境が劇的に変化しています。環境変化にいち早く対応するためには、データを分析しビジネスとITシステムを迅速かつ柔軟に対応させる必要があります。社内のビジネス部門とIT部門が一体となり戦略立案を行ない、新たなビジネスを創出していくことが重要となるのです。

 デジタル技術の進歩により、各種データを速やかに得られるようになり、その量と質は以前と比較できないほど増加しました。データを活用して、意思決定までのリードタイムを短縮することが、ビジネスの競争力に繋がります。

 デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革、デジタルビジネスを創出できる企業がDX企業と言えるのです。

3.DX推進実現のための具体的な対応策

 この記事で書かれている中小企業へのDX導入の取組みは次の通りです。

⑴ データ入力のルールを作る

 DXを進める上で基礎となる考えは、「入力(収集)したデータを基に分析する」ことです。データを入力する目的はデータを分析することにあります。従って、適切に分析できるようにするためにデータの入力方法について、社内で統一したルールを決めなければなりません。

 データ入力に関しては、総務省が令和2年12月に発表した「統計表における機会判読可能なデータ作成に関する表記方法」が参考になります。

 データを迅速に正しく分析するには、データが正しく入力されていることが重要であり、社内で共有し入力を徹底することが必要です。こうしたプロセスを経て、データを活用する組織文化が醸成されます。

⑵ ビジネスチャットを導入し、コミュニケーションをデジタル化する

 ビジネスチャットを利用することで。社内の主たるコミュニケーションをデジタル化(テキスト化)することが重要です。

 テキストでのコミュニケーションは書き手に論理性が求められ、簡潔に要点をまとめなければなりません。リアルタイムのコミュニケーションと違い、チャットであればパソコンやスマーチフォンを使い場所や時間を問わず確認でき、やりとりは履歴として残ります。もちろん対面コミュニケーションが不要になったということではありません。双方をうまく活用して効果的に使うことが重要です。対面コミュニケーションでも、その内容を備忘録的にテキスト化し、共有することも必要です。

 ビジネスチャットの導入をきっかけに、主たる社内のコミュニケーションをデジタル化し、その先のDX推進につなげていくことです。

⑶ データをすぐに出力できるようにする

 DX推進で重要なのは、データです。必要なときに必要なデータを取得することが求められます。直近の受注データや顧客情報などはすぐに用意できなければ意味がありません。

 具体的には、

  • データが速やかに出力できること
  • 加工しやすい形式で出力できること
  • 出力した2つ以上のデータを加工し分析できること

が求められるのです。

 経営者がデータを必要とするのは、戦略を決定(意思決定)するためであり、意思決定にかかる時間を短縮することです。リードタイムを短くし、戦略変更の試行回数を増やしフィードバックにより改善回数を増やすことが大切です。意思決定までのリードタイムを偉日以内にできれば、競合他社と比べても高い競争力を持つことができるように思います。

各企業でDXへの取組みはさまざまだと思いますが、自社にとって解決すべき課題は何かを明確にし、その解決のためにDXが有用かを検討し、できるところから取り組んでいけばいいのです。