中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

リーダーは多重人格者

 

f:id:business-doctor-28:20191219094426j:plain

おはようございます。

今日は、「日高屋が苦戦中『値上げで客離れ』定石通りの結果に」という記事に目がいきましたが、これまで、12/10の「吉野家と鳥貴族」12/12の「いきなりステーキと大戸屋」のところで述べていることと被りそうなのでやめておきます。

そこで、今日は、現代ビジネスの「組織のリーダーは『二重人格者』であるべき理由」を取り上げます。この記事は、丹羽宇一郎氏著の「社長って何だ!」(講談社現代新書)の読みどころを解説したものです。

丹羽氏は、人間には感情的な面と論理的な面があり、リーダーは、「その両方を常に見届けることが必要で「昼はジキル、夜はハイド」と言っています。つまり、リーダーには相手を思いやる心(温情)と時に冷たく突き放す冷酷さが必要だということです。

あえて、これ以上、この記事や丹羽氏の著作の内容には触れません。それは、直接、現代ビジネスの記事や著作に当たってください。

さて、中小企業の経営者に必要な資質、リーダーシップについて考えてみたいと思います。

リーダーシップとは、集団に目標達成を促すよう影響を与える能力のことを言います。リーダーについて、かつては①肉体的資質②知的な資質③道徳的な資質④一般教養⑤専門知識⑥経験など個人の特性を把握しようとする特性論が有力な時もありました。現在ではリーダーの行動を中心に考える行動論が主流になっています。

それでは、どのようなリーダーが組織をうまく動かせるのでしょうか?

中小企業においては、ワンマン的な経営者が多いと思います。資金繰りから営業まですべてを社長自らが率先して行わなければならないということからもやむを得ないところです。しかし、このような専制的なリーダーは短期的には高い生産性を上げますが、長期的には従業員の反感を増加させ(場合によっては従業員が辞め)、生産性が低下するといった悪影響が出ます。一種カリスマ的なリーダーシップを発揮できる経営者であればその人一代のうちは良いのですが、二代目以降で経営が悪化し、事業の継続といった面で問題を残します。逆に従業員参加的(民主的)なリーダーシップでは、短期的には生産性は低いものの長期的には従業員のモティベーションが高まり生産性が向上すると言われています。

リーダーシップについては、オハイオ実験、ミシガン実験など多くの実験が行われ、おおむね従業員中心型のリーダーシップは高生産性を、職務中心型のリーダーシップは低生産性をもたらすとされています。

ただ、いかなる場合にも当てはまる最適なリーダーシップ行動は存在せず、どのような条件の下でどのような行動が有効かが重要です(コンティンジェンシー理論)。

そのうちのSL理論によれば、①構成員の成熟度が低い場合には指示的リーダーシップ(高タスク志向・低人間関係志向)②構成員の成熟度が中低の場合には説得的リーダーシップ(高タスク志向・高人間関係志向)③構成員の成熟度が中高の場合には参加的リーダーシップ(低タスク志向・高人間関係志向)④構成員の成熟度が高い場合には委任的リーダーシップ(低タスク志向・低人間関係志向)が適切であるとしています。

このように条件によってリーダーはとるべき行動を変えなければならず、丹羽氏がおっしゃられるように、リーダーは「二重人格者」でなければならないでしょう。もしかしたら、「二重人格者」では不十分で「多重人格者」の必要があるかもかもしれません。