12月26日、ブラック企業大賞が発表され、大賞は2年連続で三菱電機、闇営業問題の吉本興業や自治体初長崎市がノミネートされていました。
大賞になった三菱電機では、2014年からの4年間で5人が労災認定されそのうちの2人が自殺し(これが昨年の授賞理由です)、今年も新入社員が教育担当から『死ね』と言われ自殺に追い込まれています。
ブラック企業とは、極端な長時間労働や過剰のノルマ、残業代・給与等の賃金不払い、パワハラなどのハラスメントが横行するなどコンプライアンス意識が低く離職率が高い企業の総称です。ブラック企業大賞は、「ブラック企業を生み出す背景や社会問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくることを目指して」(ブラック大賞企画委員会)創設されたものです。
ブラック企業大賞にノミネートされている企業を見ますと、名前の知られた大企業がほとんどですが、中小企業にブラック企業は多いと思われます。それは「下請けの多重構造」に取り込まれ低賃金・長時間労働となってしまいやすいということとともに、ワンマン経営から経営者及びその関係者によるパワハラ行為が日常化しやすい土壌があるからです。
自社がブラック企業にならないためには、ブラック企業の特徴を把握し、自社がそのような特徴を有していないかに目を向けそれを排除するように対策することが大事です。
そこで、ブラック企業の特徴を挙げておきます。
- パワハラ・セクハラなどのハラスメントがある。
- 従業員を「モノ」扱い、用済みになれば退職を強要する
- 残業代を支払わない、サービス残業を強要する
- 長時間労働・賃金の未払いがある
- 法令を遵守しない(コンプライアンス違反)
重要なのは、法令順守です。基本的な労働法規すら知らない中小企業経営者が多いのです。経営者としての最低限の基本的な知識は身につけておいてください。
労働基準関係法に違反するような状態がないかどうかを見直し、就業規則や労働契約を改善することで問題の発生を未然に防止することができます。また、労働者が利用しやすい相談窓口を設置することも役立つと思います。
万一ブラック企業とみなされてしまえば、これからの人手不足の時代に従業員が集まらず企業の存続すら危ぶまれることになるということを肝に銘じて、ブラック企業にならないための対策に取り組んでください。