中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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人手不足倒産

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おはようございます。

ネットでニュースを検索していると、いきなりステーキ、スシロー、大塚家具とヤマダ電機などの記事がありましたが、これらはもういいでしょう。すでに何度が書いています。ただ、いきなりステーキvsやっぱりステーキは興味がありました。やつぱりステーキは沖縄発祥でいきなりステーキが低迷する中躍進を続けているようです。いきなりステーキと異なり(社長が「肉が固くてごめんなさい」という張り紙をしたとか)、やっぱりステーキな肉が柔らかく、また値段も1000円と安いというのです。全国展開が望まれるところですが、人件費や家賃が安い沖縄と異なり都市部でこの価格を維持し質の良い柔らかい肉を提供できるか、コスト・リーダーシップ戦略を維持できるかが今後の課題でしょう。

さて、今日は、2019年倒産件数の増加を取り上げます。東京商工リサーチによればリーマンショック以来11年ぶりに、帝国データバンクによれば2年ぶりに増加していますが、いずれのデータによっても負債総額は減少しているとのことです。大型倒産が減少し中小型倒産が増加したということでしょう。小売業、特に飲食店の倒産が増加しています。倒産原因の約7割強が「不況型倒産」ですが、「人手不足倒産」も4年連続で増加しています。

「不況型倒産」とは販売不振・輸出不振・売掛金回収難・不良債権の累積・業界不振などが原因の倒産を言います。政府は「戦後最長の景気回復」といいますが、不況型倒産の増加を観れば、景気は悪化していると言わざるを得ません。

「人手不足倒産」ですが、従業員不足による収益悪化などが原因の倒産を言います。「人手不足倒産」は、次のような要因によって生まれます。

  1. 受注はあるが従業員やアルバイト・パートなど人手(マンパワー)が不足して仕事を受けられずに倒産する
  2. 受注が増えて売上が増加したが、人手が足りずに外部への発注・高額な派遣社員等外注費や人件費の増加により赤字となって倒産する
  3. 業務の中核を担っていた従業員が独立・転職することによって倒産する
  4. 後継者が見つからずに倒産する

「人手が集まらない」「転職する」原因は、①給与②仕事のやりがい③企業の将来性といったところです。中小企業においてはいずれも難しいところですが、労働力の確保のための中小企業が行う労働時間の短縮、職場環境の改善や福利厚生制度の充実など恋要管理の改善を行い労働力の確保を行おうとする中小企業者を支援する中小企業労働力確保法があります。この法律に基づき、労働時間の短縮や職場環境の改善を取り組んだ企業は助成金や低金利融資が受けられます。これ以外にも様々な助成金補助金その他支援制度があります。これらを利用して、「人手不足倒産」だけでなく「不況倒産」からも逃れるように努力しましょう。

また、「人手不足倒産」は中小企業にとってチャンスです。人手不足倒産の危機は、自社だけでなく他の中小企業をも襲います。低価格や過酷な労働環境で価格競争に勝っていた企業が人手不足倒産で市場から撤退すれば、この危機をうまく乗り切った企業は市場における競争力を獲得できるのです。

昨日も書きましたが、2020年東京オリンピック後の日本経済がどうなるのかは予断を許しません。五輪不況に巻き込まれないようにしっかりと足元を固めていきましょう。