中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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メイド・イン・ジャパン 大阪産1万円Tシャツ

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おはようございます。

新型コロナウィルスの被害はSARSを超え毎日のごとく拡大し、世界経済、日本経済に暗雲が立ちこめています。中国・上海株式市場も大幅安となり日経平均株価も値を下げました。日本企業の業績も米中貿易摩擦の影響で下方修正が相次いでいますが、新型コロナウィルスでさらなる下方修正を余儀なくされる事態になりそうです。日本企業の中国事業への影響も広がり、多くの企業で臨時休業、工場再開のめどが立っていない状況です。

昨日は、節分でした。「鬼は外 福は内」「悪星退散 善星皆来」で、新型肺炎も落ち着き、経済も良くなってもらいたいものです。

予防のためマスクを買いに走りましたが、品薄でほとんどの薬局にありません。残っていたとしても高価なものしかなく、従前より値段が高くなっているように感じました。マスクの国内生産は約2割、約8割が中国などからの輸入ということです。日本で販売されている多くの物が日本企業の物でも中国・東南アジアなどの海外工場で作られているのが現状です。こうした緊急事態に陥った今、もう一度、メイド・イン・ジャパンを見直し考えるべき時かもしれません。

そこで、今日は、「いかが?大阪産1万円Tシャツ」(朝日新聞)という記事を取り上げます。「繊維のまち」として栄えた大阪で、地元7業者が提携し、各社が得意とする技術を持ち寄り、綿を厳選し、裁断はすべて手作業、こうしてできたTシャツですが、値段は1万円以上します。しかし、「着心地が良くて値段に見合う価値がある」「縫い目に適度な緩みがありほつれにくい」と好評だというのです。職人の丁寧な仕事ぶりが目に留まり阪神百貨店で限定販売すると東京や関西の専門店でも扱われるようになり、香港やロンドンの専門店からも引き合いが来たというのです。江戸時代から繊維のまちとして栄えた大阪ですが、機械化による廃業、海外への工場移転で、繊維製品の国内における国内産の割合は3%にも満たないという話です。

町工場などに高い技術を持った職人がいます。こうした高い技術を後世に残していく必要はあると思います。

この記事では大阪の繊維関係企業の結集によるTシャツ作りですが、他の分野でも同じように業者が提携し、各社の技術力を生かしてメイド・イン・ジャパンの製品を作ることができるはずです。確かに、国産にこだわれば値段は高くなりますが、それに見合った価値があればかえって割安となり需要が見込まれるはずです。

以前(1/30)、「ブランド戦略 無印良品」で書きましたが、ブランドイメージができて、日本国内での生産や規格に基づく安心・信頼できるブランドと認知されれば、「少し値は張るが使い心地がいい」「日本製の良いものを使っているという優越感」を醸成できるのです。ブランド戦略を行い、一つのブランドを築き上げられれば、国内だけでなく海外市場でも戦うことができるはずです。もしかしたらこうした戦略は硬直化している大企業よりも臨機応変に動ける中小企業に向いているかも知れません。