中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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休日の本棚 ハーバードを読む

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おはようございます。

ハーバード式とかスタンフォード式とかアメリカの大学名を冠した本が流行っています。私もついつい書店で手に取ってみたり買ったりしてしまいます。日本人は未だに海外の大学へのあこがれがあるようです。東大式を冠する本より良く売れるようです。

今日は、ポール・ハマーネス&マーガレット・ムーア&ジョン・ハンク著「ハーバードメディカルスクール式人生を変える集中力」(文響社)、タン・ベン・シャハ‐著「ハーバードの人生を変える授業」(大和書房)、マイケル・ピュエット&クリスティーン・グロス=ロー著「ハーバードの人生が変わる東洋哲学」(早川書房)を取り上げます。

まずは、「ハーバードメディカルスクール式人生を変える集中力」です。著者の一人ハマーネスはハーバード大学医学部精神医学准教授です。やるべきことが目の前にあるのにスマホばかり見てしまう、3つのことを同時にやろうとして結局1つも終わらないということはよくあります。まさに集中力が欠如してしまっているのです。「頭が冴えれば仕事も私生活もうまくいく」と裏表紙に書かれているようにビジネスでも日々の生活でも集中力は重要です。本書では、「感情を上手く操ることができれば、脳内の様々な思考を司る部位を整理してひとつの仕事に集中させることが可能になり、全く新たな世界が目の前に開ける。ストレスがなく頭の中も身の回りもスッキリ整理された実りある人生への第一歩を踏み出せる。そして何より素晴らしいことに、脳に備わった自己統制の能力を、思考回路に組み込むことができる。こうした仕組みを学び、状況に応じて活用すれば、生活全体がスッキリ整理され自信を持つことができる。やり方さえ覚えればいい。本書ではそれをお教えしていく」として、思考を整理する6つの法則が説明されています。集中力が続かないのは思考が整理されていないからだということです.

その6つの法則とは

  1. 動揺を抑える…自分の感情を意識しコントロールする。湧き出る心の動揺を素早く手なずけられれば、早く仕事を終えられ気持ちよく過ごすことができる。
  2. 集中力を持続する…集中力を保ち、周りに潜む誘惑を無視する。
  3. ブレーキをかける…ブレーキを踏めば車が止まるように頭が整理されていれば行動や思考を抑制したり中断したりできる。
  4. 情報を再現する…脳には注意を向けた情報を蓄え、たとえその情報が完全に視界から消えても分析と処理を行って今後の行動に役立てる能力が備わっている。
  5. スイッチを切り替える…集中力も必要だが、他方で注意を引こうとする様々な刺激の優先順位を判断し、素早く柔軟にある作業から別の作業へ移る用意をしておかなければならない。
  6. スキルを総動員する…1から5の能力を総動員して、巧みに組み合わせて目の前の問題やチャンスに対応する。

以上の6つの法則について、具体的にどのようにすべきかが丁寧に説明されています。ハマーネスによれば、脳は高度な抑制と均衡の仕組みを持っていて整理整頓が得意だというのです。したがって、思考を整理することも本来得意で脳内の様々な部位を整理して集中力を高めることができるはずです。コーチングのプロであるムーアは変化を起こせるのは自分しかいないと言っています。本書の中から自分で自分に合ったアプローチに取り組むことが大切だということです。

次に、「ハーバードの人生を変える授業」を取り上げます。「4年で受講生が100倍、数々の学生の人生を変え、ハーバードで最大の履修者がつめよせた伝説の授業の完全書籍化」「あなたの人生に幸運を呼び込む本」と帯に書かれています。本書は、ポジティブ心理学に基づき、その理論を日常生活にどのように取り入れるかのガイドブックをして書かれた本です。本書のワークを実践することで「生産的知識」を育み、経験を増やし、自己の成長を助け、記憶力や理解力を高めることができると言うのです。本書には52のワークが挙げられていてそれを実践することが求められています。どれも簡単なワークですが、そのすべてを日々実践することは難しいと思います。

例えば①感謝する②習慣化する③思いやりの心を持つ④シンプルにする⑤プロセスを楽しむ⑥失敗から学ぶ⑦完璧主義を手放す⑧感情を味わう⑨ありがとうを言う⑩これまでを振り返る⑪内なる声を聴く⑫嫉妬から学ぶ⑬自分の感情を知る⑭ありがたい敵を作る⑮バランスをとる⑯本当の目的を知る⑰転職を見つける⑱気持ちを切り替える⑲心を開く⑳未来から今を眺める・・・その中からいくつかを実践していけばよいでしょう。私もできるだけ実践していこうと努力しています。

最後に「ハーバードの人生が変わる東洋哲学」です。この著者マイケル・ピュエットはハーバード大学東アジア言語文明学科の中国史の教授で、アメリカ人になじみの薄い東洋哲学の講座にもかかわらず、学内NO3の人気を誇る講座だというのです。近年、欧米において、禅やマインドフルネスなど東洋文化に対するあこがれが生まれ流行ってきています。自己中心的・物質主義的な欧米の価値観に対する疑問から神秘的な側面を有する東洋文化に対する興味が高まっているようです。

この本では、孔子孟子老子、内業、荘子荀子などの中国思想家を取り上げ、その思想を、毎日少しずつ自分を変えよ(孔子) 、心を耕して決断力を高めよ(孟子)、強くなるために弱くなれ(老子)、周りを引き付ける人になれ(内業)、自分中心から脱却せよ(荘子)、あるがままが良いとは限らない(荀子)などアメリカの学生向けに説明されています。われわれが、孔子老子などの考え・思想に重点を置くところと少しずれているようにも思いますが、分かりやすい説明で我々にも役立つ内容だと思います。われわれも、自己中心的・物質主義的になってきています。改めて東洋の文化・東洋哲学から学ぶべきところがあるはずです。

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