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緊急事態宣言 私たちにできること

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おはようございます。

昨日の新型コロナウイルス感染者は、東京181人、大阪92人、兵庫38人、全国で575人で過去最多となり、オーバーシュート(爆発的患者急増)が現実味を帯びつつあります。それだけはどんなことをしても避けねばなりません。東京都は今日にも休業要請を出すようですが、大阪も様子見ではなく早急に休業要請を考えねばならないようです。と言っても悩ましいのが休業補償の問題です。休業補償がなければ知事としても休業要請を出しにくいということは否めません。また店側としても死活問題になります。都は、もともと休業要請をしようとしていた百貨店・ホームセンター・屋外のスポーツ施設・理髪店については国の意向を入れて対象外とし、居酒屋も営業時間を午後8時までとすることで合意しました。これも補償問題が絡んでいるように思います。中途半端感が否めません。どれだけ効果が出るか疑問ですが、効果が出てほしいものです。

これまで新型コロナウイルスの感染者が確認されていなかった島根県で1人の感染者が確認されました。いま感染者がいないのが鳥取県岩手県の2県だけです。この2県についていえば、人口も少なく人口密度も低く、大都市圏に比べ交流人口も少ないことが理由として挙げられます。すなわち、もともと3つの密が守られているということでしょう。しかし、コロナ疎開で、大都市から地方へ人が流入すればこれらの地域でも感染リスクが高まるように思います。いったん感染が収まった北海道で再び感染者が増加し第2波が始まりつつあります。この原因として考えられるのが気の緩みと他府県からの転勤・流入者です。今は移動は極力避けるべきです。

今日は、ヤフーニュースから感染症専門医の忽那賢志氏の「緊急事態宣言 私たちにできること」を紹介します。緊急事態宣言が出され、私たちは、今まさにオーバーシュートの瀬戸際にいます。このような状況で私たちにできることは何かについて、感染症専門医の立場から説明しています。

まず、これまで日本はイタリア・スペイン・アメリカに比べると新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込んでいるように見えますが、ここにきて感染者数が急激に増加しており、特に東京・千葉・神奈川・大阪・兵庫・愛知などの都市部に顕著になっています。そして、都市部では患者の急激な増加に医療体制が追い付いておらず、受け入れる病床が不足してきています。東京では軽症者・無症状感染者のホテルでの経過観察を開始しましたが、患者数の増加に追い付いていない状況です。このまま新型コロナの拡大が続き患者数がオーバーシュートすると人工呼吸器の数が足りなくなって救えるはずの命も救えなくなるという事態になる可能性が指摘されています。

何も対策をとらなければ、爆発的に感染者数が増加し流行のピークを迎えることになりますが、「新型コロナ患者を診断し隔離する」「さらに家族も自宅療養する」「学校・大学の休校」「70歳以上の高齢者が社会的距離をとる」などの介入を組み合わせることで流行のピークを下げることができると試算されています。緊急事態宣言の狙いは流行のピークを抑えることです。これによりさらに人との接触の機会を減らすためにより積極的な介入がなされたのです。イギリスのImperial Collgeの論文によれば、「積極的な介入により、流行曲線の頭を積極的介入(ハンマー)で叩き新規患者数を抑え込み、持続的介入(ダンス)によって流行を防ぐ」と言う考えが提唱されています。このような考えは机上の空論に思われるかもしれませんが、既にこのそうなアプローチによって新型コロナを抑え込んでいる国があるとして、中国と韓国を挙げています。中国武漢市では新規症例数はほとんどなく、完全に抑え込んでいる状態で都市封鎖が解除されました(無症状感染者が1万人~2万人いるというニュースもあり、中国のデータの信ぴょう性に疑問が持たれていますが、ある程度抑え込まれたのは事実でしょう)。また、韓国でも新型コロナはある程度コントロールされています。積極的な検査、接触者の追跡、感染者の確実な隔離によって抑え込んでいます。

日本で唯一成功例とみられていたのが北海道ですが、下記ほど書いたように第2波に見舞われているように思います。

緊急事態宣言の目的は実効再生産数を1未満にすることだと言われています。実効再生算数とは、1人の患者から何人に新型コロナウイルスが移るということです。何も対策をとらなければ、1.7(東京)となっていますが、武漢などは都市封鎖で0.3まで抑えることができました。実効再生算数を1未満に抑えるのに手っ取り早い方法は都市封鎖をすることです。しかし、日本では現状不可能なので、3蜜を避ける、咳エチケット、手洗いなどの基本的な対策を各人がしっかりとることしかありません。また、ハンマーで流行のピークを抑え、ダンスで時間を稼ぐことで作戦を立てることができると言われます。その間に新型コロナウイルスを熟知し、ワクチン・治療法の開発が行えるとともに戦略が増えてきます。

今回の緊急事態宣言は「日本が持ちうる最大のハンマーである。これが失敗すれば後はない。ハンマーが空振りに終われば、待っているのはイタリアやアメリカのようなオーバーシュートと医療崩壊だ」「今まさにハンマーがハンマーたりうるかが私たちに試されている」と言われています。

しかし、このハンマーの中身を見ると他国に見られるような強制力はなく、自粛要請・休業要請にとどまり心もとないとしか言いようがありません。多くの国が一律の現金給付、休業補償を行っているのに全く不十分なハンマーです。それでもないよりはましと言ったところでしょうか。

最後に「私たちがすべきことはシンプル。新型コロナの流行が抑えられるかどうかは一人一人の心がけにかかっている」と言われています。政府が当てにできない以上、一人一人が真剣に新型コロナに向き合い、外出を控え・3蜜を守り・手洗いを行う・マスクをするなどして新型コロナに打ち勝つ以外に策はありません。これらの基本的動作を抑えれば、自分が感染するリスク・人に感染させるリスクは大幅に低下し、実効再生算数を1未満にすることができます。頑張りましょう。