中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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ファクターX

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おはようございます。

新型コロナウイルスの新規感染者は東京で15人、北九州市で21人、9日ぶりに山梨で4人、全国で63人と緊急事態宣言解除後少しずつ増えてきているように思います。北九州の北橋市長は「第2波の入り口」と表現しましたが、第2波の足音が徐々に近づいているのかと危惧します。韓国では、第2波の感染拡大で2度目の外出自粛要請がなされました。専門家は第2波は必ず来ると言います。100年前のスペイン風邪の時はその年の冬に猛威を振るい、第1波の10倍以上の死者を出しています。われわれも注意を怠らず気を引き締めなければなりません。

全世界が注目し絶賛するように「日本モデル」は成功し第1波は食い止めました。日本では諸外国と比べ、感染者数や死亡者数が少ないことにも関心が向いています。今後の対策のためにもその理由を明らかにしておくことは重要です。

日本の感染者数の少なさは日本の生活様式に起因しているという人もいます。これも一つの要因ですが、靴を脱ぐ、手洗いをする、マスクをするなど、日本に限らず、アジア圏ではこうした習慣があり日本特有ではありません。

京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授は、「日本人には感染を抑制する何らかの因子が存在する可能性があるのではないか」と指摘し、それを「ファクターX」と呼びました。山中教授は、「ファクターX」解明のためにウイルスに対する抗体を持っているかを調べる「抗体検査」の重要性を指摘しています。実際にどの層の人がどれくらいの割合で抗体を持っているかが分かれば「ファクターX」が見えてくる可能性があるというのです。また、抗体検査は院内感染対策にも活用できると言います。医師や看護師の抗体の有無が分かれば抗体を持っている人だけに現場に入ってもらうことが出来るからです。

また京都大学大学院・上久保特定教授らは、「中国・武漢から新型コロナウイルスが日本に到来する前に日本人はすでに感染し、集団免疫が出来ていた」との見解を示しています。また、BCGワクチン接種国では、新型コロナの感染者・死亡者数が少ない傾向にあるとのデータもありますが(日本のようなBCGの予防接種制度のないイタリア、アメリカなどで感染者数・死亡者数が多い)、必ずしも関連性が実証されているわけではありません。

日本での感染者数・死亡者数の少なさから、日本人には新型コロナウイルスに対する何らかの耐性(遺伝的なものかもしれません)があるように思えます。

さて、今日は、神戸新聞「企業は再流行を警戒 出社拡大に慎重」という記事を取り上げます。5月25日に緊急事態宣言は全面解除されましたが、兵庫県は大阪と同じく5月21日に解除されていました。兵庫県下では、在宅勤務を維持しながら、出勤拡大に向けて感染防止の徹底が要請されていましたが、県下の企業は、第2波への警戒から出社の全面解禁には慎重になっているというのです。ある会社では、4月から設計者も在宅勤務で、自宅からオンラインで会社のソフトウエアを操作しシミュレーションして在宅勤務を続けてきましたが、今後も在宅勤務を継続するようです。「経験の浅い人の在宅勤務は難しい」として、在宅勤務が可能な従業員かどうかを選別するということです。ダイタク勤務を継続させる社員と出社させる社員を選別するわけです。ただ、「同一業務・同一賃金」のルールから合理的な理由なく線引きすると違法ということになりかねませんので、注意が必要です。

また、他の企業では、5月末までは在宅勤務を続け、紙の伝票や会社固定の設備を使用する業務は出社しなければならないので6月以降は部署ごとに対応するとしています。ペーパーレスやハンコ文化からの変革が要請されるところです。

更に、「テレワークが意外とできることが分かった。仕事ぶりの評価など課題はあるが、働き方の選択肢として織り込まれてくる」と積極的に評価する企業もあります。

どの企業でも、出社する社員に対しては、玄関や入口にサーモグラフィーや非接触の体温計を置き検温を実施し、机のまわりに衝立を置いたり向かい合って座らないようにしたりと飛沫感染を防ぐ取り組みもなされています。

テレワークや時差出勤、テレビ会議や電話会議の利用で3密を回避するなど、企業においても「新しい生活様式」の取り組みが始まっています。

企業も個人もまだ試行錯誤の状態ですが、この「新しい日常」に慣れて第2波に打ち勝つように頑張っていきましょう。