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コロナ禍の危機管理のポイント

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で747人で、東京221人、大阪122人となっています。東京では、コロナ感染が疑われる患者を受け入れる指定医療機関クラスターが発生していますが、個室に入院していた患者がPCR検査で陰性だったため大部屋に移したところ集団感染が起きたということのようです。大阪では高齢者施設でクラスターが発生しています。政府分科会の専門家によれば「7月末がピークだった」とのことですが、まだまだ大都市を中心に警戒が必要です。

世界に目を向けると、死者が80万人を超えています。70万人から80万人に10万人増加するのにかかった日数は17日、1日当たり5883人、1時間当たり245人が亡くなっていることになります。特にアメリカ、ブラジル、インドでの死者が多いですが、まだまだ世界的には感染は拡大しています。専門家でないのでよく分かりませんが、ウイルスも強毒化しているものと弱毒化しているものの2種類があるように思えてきます。アメリカ、ブラジルやインドで流行っている強毒化してくるウイルスが国内に流入すれば大変なことになります。水際対策が重要です。まだまだ入国制限を維持していかなければならないでしょう。経済的には大きな痛手ですが国内で経済を回していくことと次元が異なります。先ずは感染防止対策と経済のバランスをとりながら国内経済を回していくことです。

今日は「コロナ禍で再認識すべき危機管理のポイント・・4人のリーダーに学ぶ」と言うヤフーニュースの記事を取り上げます。

新型コロナが組織や従業員、顧客に与えた影響を管理するために、事業継続計画の策定から柔軟な働き方の実現、ビジネスモデルの変革など様々な門内に対応する必要があります。この厳しい状況に正面から向き合ってきたリーダーたちは「新型コロナ危機から何を学んだのか」、この記事は4人のITリーダーが学んだ教訓について話を聞いたものです。この4人の名前・役職については挙げません(アメリカのIT企業で私も知らない人ばかりなので)。そこにあげられている教訓は日本においても役に立ちます。

1 計画を策定しておくこと、柔軟に実行すること

 あるITリーダーは、新型コロナウイルスのビジネスへの影響に対する対応から、危機管理について重要な2つのことがあると言います。その1つは事業継続計画をあらかじめ準備しておくことであり、もう1つはその計画に対応する際の柔軟性だというのです。

以前にもコンティンジェンシー・プラン(不測事象対応計画)、BCP(事業継続計画)については書いていますが、これらは経済環境のみならず経済外の環境を含めた予測外の不測事象に対応するための計画のことです。漠然としているものの起こる可能性がある問題ごとに、複数の計画を予め立てておき、それが生起した際に、それに対応した計画に切り替えることで、迅速な対応を果たし、企業の損害を最小限にすることを目的としています。特にBCPにおいては、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能にするために、中核事業を絞り込むとともに、緊急時においてどの程度復旧させることが可能なのか、また目標復旧時間をどのように設定することが可能か、それを実現するために必要となるバックアップ措置は何かなどを確認しておくことが重要です。予めこうした計画を策定するだけでなく、どのような基準でBCPを発動させるのか、BCP発動時にどのような体制で組織を動かすのか、平常時の体制からBCPの体制への切り替え方などを取り決めシミュレーションしておくことがコンティンジェンシー・プランやBCP「絵に描いた餅」にしない方策です。

また、予め計画を準備していたとしても、未曽有の危機や不測事態に際して計画通りに事が運ぶとは限りません。要は状況に応じて臨機応変に変えていくことが重要です。その意味で柔軟性が重要な要素となります。

2 あらゆることを分かりやすく

 あるITリーダーは、新型コロナウイルスへの対応から学んだ最大の教訓は簡単のことで「常に分かりやすくする、それだけだ」と語っています。具体的に言えば、幅広く問題を心配するより、優先事項を絞ってその優先事項の解決に集中し、それが解決してから他に進むということです。そのために、常に全員に優先事項を分かりやすく示して、自分たちがどこに向かっているかが明確に分かるようにするのです。そうすれば、いちいちどうすべきかを教えなくても、どうすれば優先事項を解決できるかそれぞれが考えることが出来ます。

「危機管理のアプローチとどうすればチームがリーダーを支えられるかを、チーム全員にとって分かりやすいものにすべきだ。そして、明確でない場合には質問できるようにしておく。これは軍隊が意思決定に使用している『OODA』ループのアプローチに似ている。観察(Observe)、方向づけ(Orient)、意志決定(Decide)、行動(Act)だ。目的が達成できたら、またそのループを最初から繰り返すようにすればいい」と言っています。これは、計画―組織化―執行―統制と言うマネジメント・サイクルやPDCA(計画(Plan)ー実行(Do)-点検(Check)-改善(Act))に似ています。これらも同じですが、業務改善の最も基本的なフレームワークで、成功させるためには定量化された目標設定が重要ですし、1回限りでなく繰り返しサイクルを回していくことが大事です。

3 ほかのITリーダーからアドバイスを得る

 また別のITリーダーはコミュニティによる支援の重要性を上げています。今回の新型コロナウイルスの影響は一企業・国内企業に留まらず、世界的規模で影響を与えています。新型コロナのような未曽有の危機においては、一意業だけで解決できる問題は少なく、トップリーダーが協力してベストプラクティスに関するそれぞれの話やアイデアを持ち寄って協力し合うことが重要だと言っています。

4 協力精神を盛り立ててチームを活性化させる

 あるITリーダーは2008年のリーマンショック金融危機に組織全体が団結してたと当時を思い出し、今回の新型コロナでも、成功している企業は一体感を生み出していると語っています。

「情報の分断はなくなり、誰もが突然協力し始める。全員が共通のビジョンや共通の問題に向かって働いており、危機によって、全員が協力して解決する必要がある、共通のビジョンや問題のようなものが生み出されているように見えてくる。誰もが現実的なソリューションを模索し、誰もがそのミッションを達成するために他の人を助けようとする』とも語っています。果たして、日本企業に社員全員がこうした共通のビジョンや問題意識をもって協力してこの危機を乗り切ろうとしている企業がどれだけいるか疑問です。このITリーダーが言うように、全員が共通のビジョンをもってワンチームとなって危機を乗り切ることは重要です。そのためには、各企業が、自分たちはコロナ禍でどのようなビジョンをもってどこへ進んでいくのかを社員にわかりやすく提示し、社員による共感が得られなければなりません。明るい未来を提示できなければ社員全員の共感は得られません。どうも日本企業を見ていると、ポジティヴ思考ではなくネガティブ思考のように思います。この未曽有の危機を乗り切らなければ企業の事業継続が危機に陥ります。以前書きましたが、コロナ禍では未来を見通すことはできません。しかし、未来は自分で作るものです。自らデザインした未来の展望を提示することはできます。自らデザインした未来に向けて、今できることをやり遂げていくしかありません。

この記事は、海外CBCの記事を日本向けに編集したものですが、日本企業にとっても役に立つ内容になっていると思います。ただ、タイトルに「危機管理のポイント」と言うには若干物足りなくいように思います。