中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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デジタル化・DX

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で491人、そのうち東京171人、神奈川65人、大阪57人、愛知36人、福岡9人、などとなっています。これまで休日の結果が火曜・水曜に出て少なく、木曜・金曜はその反動もあってか比較的感染者が多い曜日でしたが、昨日・今日と思ったほど増えていません。むしろ減っているようで良い傾向です。ただ、東京、神奈川、大阪の3都府県は更に警戒が必要です。

これから冬にかけて新型コロナと季節性インフルエンザの同時進行の時期がやってきます。発熱などを訴える多数の患者が出てくることが予想され、医療体制がひっ迫する懸念があります。菅新政権は、新型コロナ対策が第一と言いながら経済の回復に軸足を置いていくようですが、新型コロナへの対応を誤れば、新型コロナの第3波(再拡大)が襲来し、政権を直撃、足元をすくわれることにもなりかねません。新型コロナと季節性インフルエンザの双方を検査できる医療体制を早急に整備しなければなりません。大都市ではある程度対応できる体制が出来ているようですが、地方ではまだまだ不十分なようです。先ずは菅新政権がやるべき第一だと思います。

菅内閣が発足して2日が経ちました。昨日、適材適所に人材を配置したようだと書きましたが、はや「老害」が出ています。麻生財務相兼副総理が「菅(スガ)内閣」を「菅(カン)内閣」と2度にわたって言い間違えました。麻生と言えばこれまでも「未曽有(ミゾウ)」を「ミゾウウ」と読み、「踏襲(トウシュウ)」を「フシュウ」と読み間違えたことで有名ですが(これなら「教養のなさ」「バカだ」でいいのですが)、7年以上も一緒に安倍政権の下で仕事をしてきたそれも前官房長官の名前を間違えるというのはいかがなものでしょうか?痴呆の始まりと言われても仕方ありません。

菅首相は、組閣に当たり新たにデジタル相を置きました。これは安倍政権時のIT相に代わるものですが、日本においてデジタル化・DXは急務です。日本では、この分野で欧米のみならず中国・韓国に後れを取って大きく離されています。デジタル化・DXを推進し追いつかない限り日本の未来はありません。景気低迷からの復活も期待できません。日本の浮沈に関わる重要問題です。その意味ではデジタル相を設置し、平井氏を担当大臣としたのは適任だと思われます。お飾りだけの竹本直一前IT相とは違います(竹本氏は大阪都構想で「5年前に結果が出たものを5年でやるのは早すぎる」と発言し吉村知事らから批判され物議をかましていますが、あながち間違った発言ではないように思います。今、コロナ禍で住民投票をするタイミングかと言えば首を傾げたくなります)。政治の話はこれくらいにします。

DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略で「デジタルの変革」を意味するビジネス用語です。つまり、最新のデジタル技術を駆使したデジタル化時代に対応するための企業の変革のことです。「DX推進ガイドライン」では、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位を確立すること」と詳しく定義づけされています。

では、なぜ、いま企業はDXに取り組まなければならないのでしょうか?それには3つの理由があると言われています。

まず第1は、既存システムの老朽化です。企業の既存のITシステムが老朽化し、ブラックボックス化しています。カスタマイズを繰り返しプログラムが複雑化した結果システムの全貌が解明できなくなり、新しい事業の展開に対応できない、保守・運用のためのコストがかかるという問題が生じているのです。企業がこうした既存システムの問題を解決できない場合、日本経済は2025年以降最大12兆円もの損失をこうむり、これ以上の成長を望めなくなるとも言われています。これが「2025年の壁」と言われる問題ですが、すべての企業がシステムの刷新を含むDXに取り組まなければならない理由の一つになっています。

第2に、消費者のマインドや行動の変化です。消費者の多くが商品そのものよりも、商品やサービスから得られる体験の質を重視するようになってきていることが挙げられます。企業はこうした消費者行動の変化に応じて、単に商品を作って売るだけでなく、消費者に価値あることや魅力的な体験を提供できるようにビジネスモデルを変えなければなりません。そのためにはシステムだけでなく、組織や業務を変革しなければならなくなるのです。

第3に、デジタル化によるビジネス環境の激変が挙げられます。あらゆる分野で、デジタル技術を駆使した革新的なビジネスモデルが現れ、既存の産業を揺るがす「デジタルディスラプション」と呼ばれる現象が起こっています。これらは人々の価値観を覆し、新たな生活スタイルをもたらすような製品やサービスを次々と生み出し、ビジネス環境を大きく変えています。激変するビジネス環境の中で、既存企業が生き残るためにはDXの推進が不可欠となるのです。

このようにデジタル化、DXの推進は企業にとって極めて重要な課題となりますが、それともに多くの問題も出てきます。デジタル化やDXにはメリットも大きい分、リスクも大きくなります。その一つが情報の漏洩です。

このところ新聞やニュースを賑わしている「不正出金問題」があります。スマートフォンなどを使う電子決済サービスを通じた不正出金後を絶たない状況になっています。NTTドコモの「ドコモ口座」に端を発した提携銀行からの預金流出の被害は他の業者にも広がり拡大の一途をたどっています。銀行側と決済業者双方で本人確認の甘さが露呈した形になっています。このようなサイバー攻撃はますます巧妙になっていくことが予想されます。銀行や決済業者という比較的大きな企業においても、情報管理に甘さが見られました。中小企業においては更に甘い情報管理体制になっているように思います。中小企業だからと言ってサイバー攻撃が仕掛けられないということはありません。中小企業においても、しっかりとした情報管理が必要です。

また、DXの推進により、情報漏洩の危険は高まります。パソコンの誤操作、パソコンの紛失・置き忘れ、管理ミスなどヒューマンエラーが情報漏洩の要因の8割を占めています。DXが進むにつれてその被害も甚大なものになっていきます。こうならないために必要なのが、効果的なセキュリティ対策であり、ガバナンスの整備です。

情報に携わる社員に対して徹底した情報管理教育が必要です。これは正社員だけでなくアルバイトやパートも含めてすべての人に行う必要があります。そして、情報セキュリティの問題は日々変化していくので、定期的に社員教育を行い、すべての社員に高い意識を持たせるようにする必要があります。

そして重要なことは、情報を取り扱うためのルール作りです。情報漏洩の根本原因には情報を取り扱うためのルールが整備されていないということがあります。ルールを明確化し、それを教育することで多くの情報漏洩は防げます。

また、端末のセキュリティ機能をアップすること、暗号化ソフトを活用するなども挙げられます。

新型コロナ禍で、テレワークが推進されましたが、自宅での勤務において、自宅環境に十分なセキュリティが施されているかも重要になります。セキュリティーを考えたテレワークの体制を作ることが重要です。安易なテレワークは情報漏洩につながることを肝に銘じてしっかりとしたルール作り、体制づくりに取り組んでください。

平井デジタル相はデジタル省を作ると意気込んでいますが、箱を作っても実際に大した働きをしなければ意味がありません。箱を作るということはそこで働く官僚が必要になり、またしても官僚が自らの思惑で政策を行い、国民のため社会のためにはならないように思えてきます。むしろ、こうした新しい問題では、民間を積極的に活用していくことの方が効果を発揮するようにに思います。