中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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リーダーを目指す人の心得

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で410人、そのうち東京102人、神奈川22人、埼玉34人、千葉24人、愛知37人、大阪43人、沖縄29人、北海道50人などとなっています。休日で検査件数が少ない時のデータのはずですが、北海道と愛知がやはり増えています。どちらも一旦は収束に向かい落ち着いていたのに再び感染者数が増加しています。第三波が近づいていないことを願います。

ヨーロッパでは新型コロナの感染が再び拡大し、スペイン、イタリア、フランスでは夜間の外出禁止や飲食店に営業時間短縮要請の措置を取り始めています。WHOによると、24日の世界の新規感染者数は約47万人にのぼり、3日連続で過去最多を更新しています。アメリカでも、23日、新規感染者が過去最多の約8万4000人に達しました。

新型コロナの再拡大は世界的な流れとなっているようなので、日本でも、経済を回すことを優先している現状では再拡大は避けて取れそうにありません。問題はいかにそれを最小限に食い止めるかです。

昨日の菅首相所信表明演説で、新型コロナウイルス対策は第一番目の課題として挙げられましたが、これと言った目新しい具体的な対策はありませんでした。誰か他人(政策ライターか政策秘書官か)が作った原稿の棒読みで心に訴えてくるものもありませんでした。出口の見えない少子化問題やコロナ禍にどのように立ち向かい、ピンチをチャンスに変えで、コロナ後にどのような国家や社会を目指すのかといったビジュンがありません。ただ一つあったとすれば、「グリーン社会の実現」(2050年に温室ガスゼロ)だけです。と言っても世界情勢からすれば一周以上の遅れです。「2050年までに80%削減」と言っていた段階よりは進んでいますが、そのためにどうすればよいのかといった具体的な話はありません。

蓮舫氏も「各省庁からそれぞれ2,3行ずつのアピール原稿を集め短冊状に束ねた永田町で言う『短冊原稿』そのもの」「何をなされたいのか、国家観や国民のためにどんな働きを目指すのかが伝わっておない」と苦言を呈しています。

以前コロナ禍のリーダーシップについて書きましたが、その際、リーダーに求められるものとして、①緊急に行動する。②透明性をもってメッセージを伝える。③過ちには生産的に対応する。④常にアップデートする。という4点を挙げました。

所信表明演説との関係で言えば、②透明性を持ってメッセージを伝えることが出来ていたかです。透明性のあるメッセージとは、現実を正確な説明によって伝えることですが、それは、何を予測しているのか、それが人々にとって何を意味するのかについて、可能な限り説明することです。人々が理解できる形でメッセージを伝えなければなりません。希望のないメッセージは、人々を自暴自棄にさせるので、メッセージのどこかに人々が今後エネルギーを注ぐ対象となる希望が持てるような将来展望を含むべきなのです。これまで日本の首相や政治家は嘘にウソを重ねるような発言を繰り返し、透明性のある発言とは言えません。

菅首相は国民に寄り添う内閣との触れ込みですが、日本学術会議問題、中曽根元首相の葬儀に約1億円もの税金投入問題、中曽根元総理の葬儀に際し弔意を表す半旗を挙げることを国立大学に強制問題、などについて明確な説明もなされず、ご自身の「政治家の覚悟」という本の改訂版で都合の悪い部分(公文書に関する部分)を削除するという態度など、正直さとは裏腹で、透明性のあるメッセージとは到底考えられません。

都合の悪いところは蓋をするという姿勢は、これまでの首相と何ら変わっていません。安倍首相を承継するというのはそういうところも含めて承継するということだったのでしょうか?

他の3点についても、首を傾げたくなります。

菅首相は、コリン・パウエル著「リーダーを目指す人の心得」(飛鳥新社が愛読書のようです。コリン・パウエルは米国の統合参謀本部長、国務大臣などを歴任し、オバマ大統領誕生前には黒人初の大統領になるとまで言われた人物です。

愛読書というなら、今一度、しっかりと読み込んで、パウエル氏の言葉を噛みしめてもらいたいものです。

パルエルのルール(自戒13か条)

  1. 何事も思うほどに悪くない。翌朝には状況が改善されているはずだ。
  2. まず怒れ。そのうえで怒りを乗り越えろ。
  3. 自分の人格と意見を混同してはいけない。さもないと意見が却下されたとき、自分持ちに落ちてしまう。
  4. やればできる。
  5. 選択には細心の注意を払え。思わぬ結果になることもあるので注意すべし。
  6. 優れた決断を問題で曇らせてはならない。
  7. 他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。
  8. 小さなことをチェックすべし。
  9. 功績は分け合う。
  10. 冷静であれ。親切であれ。
  11. ビジョンを持て。一歩先を要求しろ。
  12. 恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。
  13. 楽観的でありつづければ力が倍増する。

この本は、目標達成、対人術、組織づくり、危機対応など、リーダーだけではなく組織で働くあらゆる人の役に立つ本です。菅首相の愛読書だけにとどめておくのはもったいない本です。

今日は休日ではないのに、最後には本の紹介になってしまいました。