部下のモチベーションを高める5つの職場特性
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で2030人、そのうち東京372人、神奈川158人、埼玉108人、千葉74人、愛知197人、大阪318人、兵庫123人、北海道206人などとなっています。重症者数も483人と9日連続で過去最多を更新し、死者数も41人で過去最多(31人)を大幅に更新しました。医療体制もひっ迫し、危機的状況にあります。こうした中、菅首相と小池都知事が会談、東京都のGoToトラベルにつき「65歳以上の高齢者と基礎疾患を有する人の利用自粛」が決定されました。大阪や札幌と同じ「一時停止」ではなく、年齢制限等だけでしかも「利用自粛」と極めて中途半端な措置です。高齢者や基礎疾患を有している人は、この時期自ら自粛しています。感染を広めているのは若者です。若者のGoTo利用を制限しない限り感染拡大は止まりません。こんな基本的なところも分からないというのは嘆かわしいことです。それでも、小池都知事は「利用自粛」ではなく「一時停止」を求めたようですが、経済優先の菅首相に押し切られ、最後は「利用自粛」に収まったということのようです。いまだに危機感なく経済優先ばかりの菅首相にも困ったものです。
ドイツの新聞が菅首相について「輝きのない首相」と酷評していますが、頑固なだけで、覇気もなく気概も感じられず、安倍前首相よりもひどいと言わざるを得ません。
GoToキャンペーンについて「自治体・知事の判断」と言うのもよいでしょう。「各都道府県の実情を把握しているのは知事ですから、知事の判断で行ってください。最終的な責任はすべて国が取りますから」と言えばいいのです。「国の事業だから国が責任を持つ。判断は事情をよく知っている知事が行う」それでいいのです。ところが今の菅政権は、知事や自治体に責任転嫁を行っているようにしか見えません。見苦しい限りです。
一方、春の緊急事態宣言時には全国に先駆けて行った大阪モデルで評価を上げた吉村大阪府知事も、今回の第3波を抑え込むことが出来ないばかりか東京以上に危機的状況・瀬戸際に追い込まれています。医療体制がひっ迫し医療崩壊の一歩手前という状況で極めて深刻です。こうした状況を招いたのは、菅首相と同じく経済を優先させることに力を入れすぎたことと都構想に躍起となり感染対策がおろそかになったことが挙げられます。吉村知事に対する批判が高まり評価も低下しています。
菅首相にも、吉村知事をはじめ各都道府県知事にも、感染防止対策に向けてしっかりとしたリーダーシップを発揮してもらいたいところです。
さて、今日は、NIKKEI STYLE の「『言ったとおりにやれ』は禁句 若手のやる気をそぐ上司の一言 意欲を高める5要素とは?」という記事を取り上げます。
「人柄は良い従業員ばかりですが、どういうわけかモチベーションが低く、ダラダラした感じがしている」という会社は多いです。「もっと活気のある職場にしたい」「従業員のモチベーションを高めたい」と考えている経営者や管理職は多いです。一方、従業員も「活気のある職場で働きたい」「やりがいのある仕事がしたい」と考えています。
この記事では、「従業員のモチベーションを高めるにはどうすればよいか」が書かれています。経営者や管理職・従業員の双方が活気ある職場を望んでいるのに、なぜ現実にはそうした会社にならず沈滞ムードが漂うのでしょう。それには、若手・部下のモチベーションを下げる上司の態度が影響しているというのです。
例えば、①上司に頼まれた書類を作成し、上司の元に行くと「今忙しいからそこに置いておいて」と言われる、その後もその書類について上司から一言もない ②自分の担当している業務を上司に報告に行くと、手短にと言われ、説明するも生返事で関心がない様子 などです。
上司が忙しいことも事実ですし、部下の仕事が上司の仕事より重要度・緊急性が低いということもあります。しかし、部下にとっては重要な仕事です。そうした心理面への配慮が足りないと従業員のモチベーションは低下します。
モチベーションを高める職場特性として次の5つが挙げられています。
- 多様性・・・単調でなく、多様な操作やスキルが必要だったり、変化があったりすること
- 完結性・・・部分的な作業をするのみではなく、仕事全体を見渡せ、自分の仕事の位置づけが出来ること
- 重要性・・・社会的意義が分かるなど、やっている仕事の重要性や有意味性が感じられること
- 自律性・・・命じられるままに作業をするというのではなく、自ら計画を立てたり、方法を工夫したりして、自律的に取り組めること
- フィードバック・・・自分の仕事の結果が分かり、今後の改善のための有益な情報が得られること
仕事が余りにも単調ではモチベーションは上がりません。何の役に立っているのかわからない場合もモチベーションは上がりません。言われたとおりにやる仕事もモチベーションは上がりません。
最近、デビッド・グレーバー著「ブル̪̪シット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」(岩波書店)という本が出版されています。
「ブルシット・ジョブ」というのは「あまりにも意味を欠いたものであるために、もしくは有害ですらあるために、その仕事に当たる当人でさえ、そんな仕事は存在しない方がマシだと考えてしまうような仕事」のことです。簡単に言えば「こんな仕事なんか意味がないと、それをやっている人間も多かれ少なかれ感じているが、それを言ってはいけないことになっている仕事」ということです。
この「ブルシット・ジョブ」は、労働条件の悪いキツい仕事(シット・ジョブ)とは違います。「ブルシット・ジョブ」は地位が高く、他者からは敬意を持たれ高収入が得られているにもかかわらず、当人は内心では無意味な仕事だと感じているものです。
リモートワークで問題となった印鑑を押すためだけに出社するというのも「ブルシット・ジョブ」です。そのほかにも日本社会では、独特の空疎な儀礼的慣行や人間関係のヒエラルキーを確認するための慣例的な儀式や官僚制的儀式が見受けられます。
現在、益々こうした「クソどうでもいい仕事」が増加し、われわれはそれに忙殺されているのです。それではモチベーションは上がるはずはありません。ワクワクするような仕事でなければモチベーションは上がりません。
上記5つの要素を満たす仕事だとモチベーションが高くなります。これらの要素を満たす仕事ではチャレンジ精神が刺激され困難な目標に立ち向かう気力が増し、パーフォーマンスが向上します。これらの要素を満たす仕事であればあるほど従業員の満足度やパーフォーマンスが高く欠勤率も低いようです。
上記の5つの要素を念頭において現状を振り返ることで、職場に活気がないことの理由が分かるのではないでしょうか。5つの要素をすべて満たすというのは困難ですが、活気のある職場は、これらのいくつかの要素を満たしています。
今の職場に欠けている要素、あるいはモチベーションの低い従業員の仕事に欠けている要素を見つけ、そこを改善することで職場の雰囲気を変え、従業員のモチベーションを高めることが出来ます。
職種や担当する仕事によって満たされやすい要素と満たされにくい要素がありますが、各自の仕事の特性を考慮しながら、どうすれば少しでもモチベーションを高めることが出来るかを考え、仕事の与え方にも工夫することが大切です。