中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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日本におけるブルシット・ジョブ論

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で6万1259人で、206人といまだ高い水準にあります。まん延防止等重点措置が20日で解除された山形と沖縄では、前週よりも感染者が増えており、再び増加傾向に転じる可能性があります。オミクロン株は、減少は緩慢で増加は急激で、ステルスオミクロン株の市中感染で、全国的に感染者が急増することが懸念されます。更に高齢者を中心に重症者・死者も増えるので、重症病床利用率を睨みながら医療体制をしっかりと建て直す必要があります。

さて、今日は、現代ビジネスの「日本人は”繊細で空気を読む”から『クソどうでもいい仕事』に苦しむのか、その危うい論理」という記事を取り上げます。

以前、ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)については書いていますが、日本ではこのブルシット・ジョブをどのように論じることができるのでしょうか。むしろ、タスクよりも時間重視の日本においてこそ、ブルシット・ジョブを論じる意味がありそうです。

1.世界中で酷似しているブルシット・ジョブ現象

 ブルシット・ジョブはデビット・グレーバー著「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」に由来します。この本では、主に欧米におけるブルシット・ジョブの絞殺がなされていますが、グレーバーは、中国について「ヨーロッパやアメリカで経験したことと大きく異なる点はありません。有給雇用、特に賃労働は、長い間、ライフサイクル現象の一部と考えられてきました。それは、大人になるための方法を学ぶやり方であり、そしてまた家族の面倒を見られる大人になるための手段を見につけることだったのです。自分の仕事は無意味だという人の話を聞いても、ほとんどの場合、家族のため、あるいは将来の家族のためにやっているという答えは返ってくるでしょう。しかし、同時に、子供たちに快適さや機会を確保する唯一の方法が、1日に100回も穴を掘って埋めることだと知って、それによって少しもおかしくならない人は、世界にはいないと思います」と言っています。

 ブルシット・ジョブ現象は世界中で非常に似通っているのです。

2.「日本は特別」なのか

 「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」が出版されるや「ブルシット・ジョブ」「クソどうでもいい仕事」という言葉が日本では流行ました。ブルシット・ジョブ論が日本においてどのような意味を持つのか?問われなければなりません。 

 一方で、「日本人は空気を読む民族だ」と言われますが、これをあまりにも強調することが日本におけるブルシット・ジョブ論に間違った影響を与えることにもなりかねません。確かに、「日本人は空気を読む民族」かも知れませんが、欧米人は全く空気を読まないのかというとそうでもありません。彼らも空気を読んでいますし、見事にそれを表情で表わしています。日本人の方こそ表情に表わさず、空気を読んでいるのかどうか端から見ていて分からないこともあるのです。

 『空気を読む』というのは日本独特であると考えるのは禁物です。『日本人は繊細である』というのもこれと同じです。

 ブルシット・ジョブ論を日本で展開するときに大切なのは「日本は特別」という意識を捨てることです。こうした意識を捨て去らないと、日本におけるブルシット・ジョブの本質が見えてこないように思います。

 「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」に挙げられている事例を見ても、さまざまな企業敢行や組織編成の差異があるにもかかわらず、どの企業でもブルシット・ジョブに関しては似通っています。日本においても基本的には同じでしょう。

 まずは、ブルシット・ジョブの存在を認め、描き出すことを可能にしている理論的な構えや歴史認識、さらにはこの分析の作業の土台にある世界の人々のおびただしい経験をくみ取ることです。その上で、日本においてはどうなのかを考えなければならないように思います。