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休日の本棚 最速の仕事術はプログラマーが知っている

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3538人で、そのうち東京868人、神奈川385人、埼玉256人、千葉339人、愛知164人、大阪346人、兵庫161人、京都89人、福岡159人、沖縄63人、北海道111人などとなっています。クラスターが発生し感染が急拡大している沖縄・宮古島では、自衛隊の看護官らが派遣されるなど医療体制が危機的状態にあります。大都市では感染者数が減少傾向にありますが、地方では感染者は少ないもののクラスターが発生し感染者が増えれば医療に与える影響は都市部の比ではなく大きくなります。まだまだ全国的に予断を許しません。

政府は、依然大都市での医療体制が厳しい状況にあることから、緊急事態宣言の期限を延長する方向で調整に入っています。期間は2月28日までとする案や3月7日までとする案などがありますが、感染状況が改善している栃木や愛知、岐阜については解除すること、感染拡大している沖縄を追加することなども検討されているようです。中途半端な解除では、再び感染拡大を引き起こさないとも限らないので、慎重に判断してもらいたいものです。

さて、今日は、清水亮著「最速の仕事術はプログラマーが知っている」(クロスメディア・パブリッシング)を紹介します。著者の清水氏は、独立行政法人情報処理推進機構から天才プログラマー、スーパークリエイターと認定され、株式会社ユビキタスエンターテイメントのCEO、経営者でもあります。

スティーブ・ジョブズは「アメリカ人は全員コンピュータのプログラミングを学ぶべきだと思うね。なぜなら、コンピュータ言語を学ぶことによって考え方を学ぶことができるからだ」と言っています。ビル・ゲイツMicrosoft)、ラリー・ペイジ(Goegle)、ジェフ・ベゾスAmazon)、マック・ザッカーバーグFacebook)といった経営者はみんなプログラマー出身です。プログラミングから学べる思考法こそが彼らのビジネスの原動力なのです。彼らのスピード感のあるビジネスには効率・高速を常に求めるプログラマー的思考が生かされているのです。著者は、「プログラマーだけが複雑な情報処理を最速に終わらせる方法を知っているのである。そして、現代、仕事といえば大半が情報処理だ。ミーティング、プレゼンテーション、リサーチ、それらはすべて情報処理の異なる側面に過ぎない。ホワイトカラーの仕事の中で、情報処理でないものを探す方が難しいほどだ。であれば、最速の仕事術をプログラマーだけが知っているというのは言い過ぎにはならないだろう」と言います。これが言い過ぎかどうかは判断できかねますが、プログラマーでないわれわれが、プログラマーの思考法を身につけ、それを日々の生活や仕事に活かすことは意義があるように思います。ただ、プログラマーを神聖化しすぎてこじつけ感がありますが。

第1章 速くてムダのないシンプルな仕事術

  • DRY原則=Don`t Repeat Yourself(同じことを繰り返すな)・・・自分の仕事を効率的に進めるために、仕事の上で典型的なことをすべて再利用可能な状態にしておく ①よく使う文章を作り署名を入れておく。➁辞書登録を使えば数秒でメールが作れる。③タイピングを見直し生産性3割アップ
  • PIE原則=Program Intently and Expressively(プログラムを書くときは何を意図しているか常に明確にせよ)・・・ビジネス文書の場合SVO、つまり主語・動詞・目的語を明確化しておくことが非常に重要
  • KISS原則=Keep It Simple,Stupid!(シンプルにしておけ、この間抜け!) ①シンプルこそが命、枚数で説得力は生まれない
  • YAGNI=You aren`t gonna need it(君が今必要だと思う機能を、君がいつか必要とする日は来ないだろう)・・・最初から大きく狙い過ぎた企画は実現すらしない 
  • プレゼン資料は直前に書け・・・アイデアを形にするときに、そのとき最先端の話題をきちんとフォローしておくかおかないかで、出来上がったプレゼン資料の効果がまるで違う

第2章 頭がクリアになる情報の整理法

  • ユビキタスキャプチャ・・・情報は覚えておく時代はもう終わった ①ピンときたその瞬間に保存する(Evernoteに保存) ➁心が動いたらメモする癖をつける
  • 情報の整理は見出しの付け方が9割・・・データ構造を考えてタグをつける
  • 目当てのファイルが瞬時に見つかるタイトル付け・・・ディレクトリとツリー構造
  • 書類と例の2つのモード・・・FIFO先入れ先出し)とLIFO(後入れ先出し)①FIFOで期限遅れと判断遅れをなくす ➁LOFOは更新日順 ③どちらも一長一短があり、時と場合によって使い分けることが重要
  • 最適化とループ処理・・・小さな手間でもこだわって減らす ①最適化の原則はループの内側から最適化しろ
  • Webに本当に大事な情報は載っていない・・・質の高い情報は有料になっている
  • きっかけ探しにWebを使う・・・Googleの機能を駆使して最短で情報にたどり着く ①ダブルクォーテーション(””)で囲み検索ツールを使用する 
  • 一次情報を集める最も効率のいい方法・・・情報が集まるポジションを創る ①インターネットに公開されている情報は受信者の為ではなく、発信者のために作られている=情報を積極的に発信することで情報が集まる ➁リアルでネットワークを作る=人的ネットワークと人的ネットワークをつなぐ
  • クリエイティビティは移動距離に比例する・・・①一見非効率、非合理的な行動をあえて積極的に選択することで、自分の視点を変化させる=とにかく移動する、しかもできるだけ泥臭い方法で、それこそが究極の情報収集だ。

第3章 致命的なミスを防ぐ賢いダンドリ

  • 危機を事前に察知するプログラマーの本能=プログラマー最大の敵『バグ』  ①プログラマーは自分の生み出したミス、バグとの闘いを余儀なくされる。重要なのは危機を事前に察知できるかどうかだ。危機を聞きと認識できぬまま、ミスをミスと認識できぬまま日々を過ごし、それが目前に迫った時にはすでに手遅れになっている。自分が無能であることを自覚し、小さな振り返りを積み重ねることが大事である。
  • 外部チェックを入れて大失敗を回避する・・・①戦略ミスは外部から直すしかない
  • 簡単なタスクをど忘れしないためのリマインダー・・・①集中するためにこそタスクは機械に覚えてもらう トイレに立つ時に携帯を確認するようにして、一定時間ごとにリマインドのメールを送るプログラム(アプリ)を利用しまだしていないDoToを確認する。
  • アーキテクチャとダンドリ・・・①仕事を設計して確認ミスを減らす。時ぢに合わせ、アーキテクチャに変更を加えながら、どんどん洗練させていくことで、長期的に見てケアレス・ミスをなくし仕事の効率を上げる最強の方法となる。
  • 匿名チャットで経営会議・・・匿名にすれば議論がアイデアの是非にフォーカスされる。社長も平社員もアルバイトも対等の立場で話が出来同じ目線で共有できる。
  • 問題解決は切り分けることから始まる・・・バグが再現できたら、あとは原因個所の特定をすることになる。プログラムの一部を無効化することでどこが問題になっているかを浮き彫りにする。①チームの不調も原因がわかれば対策が打てる。チームを2つの分けて別々の作業をさせ、原因を切り分けて特定する。
  • 「順調」は信じるな・・・「順調」という言葉のベールに隠されているのは触れられたくない厳しい現実である。
  • 想定外を想定しておく・・・フェイルセーフ(失敗への備え)とフールプルーフ(愚か者でも安心) ①「例外処理」により万が一起こる不測事態を未然に防ぐ。
  • 今日と明日は急な予定は入れない・・・1日が終わった後に翌日以降のスケジュールを確認し、行動計画を頭の中で構築する。突発的な予定を入れることでそれが崩れてします。突発的な予定をなくし、効率的なペースを保つことができる。
  • 電話には出ない・・・集中力が切れた状態では要望に応えられない。クライアントが「なるべく早く」という場合、24時間以内に対応すれば問題コミュニケーションをとることと同じくらい、取らないことも重要。情報を絞って的確に働く。

第4章 チームの成果を最大化する仕組み

  • 好かれるリーダ-よりやり切るリーダーになれ・・・好ましいリーダーと優れたリーダーは違う。好かれる必要はない、やりきる優れたリーダーになればいい。
  • 他人を思い通りに動かすスキル・・・アルゴリズム、データ構造などと言うプログラミングをするときの必須テクニックは、そのまま組織を率いることにも役に立つ。不確定な要素が絡み合い、結果的におかしくなっている。そうした事態を一つひとつ丁寧に対処し、とにかく結果をdす。トラブルは必ず解決できる。
  • リーダーは働いたら負け・・・リーダー主要な仕事はチームビルディング、ディレクショントラブルシューティングである。リーダーである人間が現場の仕事でテンパッていたらトラブルに対処できない。
  • 仕事は細分化してラインをつくれ・・・仕事全体を細かな単位(ステージ)に細分化し、それぞれのステージを専門的に行うことによって仕事を効率的に進めることができる。
  • 二択の賭けにはどちらにも張る・・・積極的に捨て駒を創ることで全体のスピードを上げる。戦略とはAかBどちらかに欠けるのではなく、どちらの場合でも生き残る為の方法論であるべきだ。
  • 褒める叱るも合理的にやれ・・・いい時に褒める、悪い時に叱るを徹底する。部下の教育においても評価を与えて考えされる。少しでも見るべき点があればその点は褒め、修正すべき点があればそこを指摘する。
  • ハッカソン=短いスパンで小規模なチームによるスプリントゲームのような試作プロジェクトを行うこと・・・極限状態が発想の転換を生む。あえて同じテーマで組み合わせだけを変えてハッカソンを繰り返すことで、互いのチームのアイデアが互いを刺激し合いより高度なアイデアへ昇華していくこともある。
  • 行動基準が分かりやすいリーダーが成功する・・・行動が予測可能であることは単ににも自分にも利得を生み出す。怒るときは迷わず怒れ。

第5章 視野を広げてビジネスを設計する

  • お金を多次元でとらえる・・・プログラマーの視点で見れば、借金と貯蓄は時間軸が逆になっているだけで等価である。借りてでもいいから稼ぐ。
  • 潔く選択肢を捨てる・・・選択を前向きに受け入れる。自分自身の決断によって選択すれば後悔はない。
  • ビジネスの構造を理解・設計する・・・ビジネスモデルをひたすら吸収する。①アーキテクチャを設計するためには他のアーキテクチャを学ぶ。
  • プログラマーは未来を予見する・・・①世界一のプログラマーと言えるビル・ゲイツでも時間軸を含めて未来を予見することは難しい。➁成功するために唯一必要なことは、失敗しても諦めないことだ。

プログラマーを神聖化し自分を美化し、思いあがった点やこじつけも多々ありますが、参考になるところも大いにあります。仕事の無駄をそぎ落とすためには役に立つかもしれません。

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