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マネージャーとリーダ-の違い

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1363人、そのうち東京371人、神奈川108人、埼玉131人、千葉108人、愛知77人、大阪98人、兵庫44人、京都20人、福岡69人、北海道52人などとなっています。大幅な減少ですが、相変わらず医療体制はひっ迫していて自宅療養中の死亡者が相次いでいます。軽症や無症状と診断され自宅や宿泊療養施設で容態が急変し亡くなるケースや患者本人や家族が気付かないまま病状が進行し亡くなった後で陽性が確認されるケースなどもあるようです。新型コロナウイルスを「単なる風邪だ」とか「インフルエンザよりも死者が少なく軽い病気だ」とか、甘く見るツイートなどが横行していますが、海外での死者数を見るとそんなことは言っておられません。日本医師会の中川会長が言われるように「コロナを舐めてはいけない。甘く見てはいけない」と思います。

大阪の吉村知事が、第3波が急拡大したのは日本人の行動様式にあるとの仮説を述べました。年末の忘年会やクリスマスで人との接触が増えたことで1月以降急激に感染者が増加したというのです。GoToトラベルやGoToイートで徐々に感染が増えていた中で年末を迎えたことから急激な増加につながったというのはあながち間違ってはいないと思います。「感染者数が激減した」とここで気を緩めると、3月中旬から4月上旬は卒業、入学、就職、転勤などとまた大きく人の移動が見られる時期に感染者数が増加し、第4波到来となってしまいます。まだまだ気を緩めることなく注意していきましょう。

さて、昨日は、休日の本棚で「ドラッカー・スクールで学んだ本当のマネジメント」という本を紹介しました。それとも関連しますが、今日は、Forbes Japanの「マネージャーとリーダーの違い 後者に近づく3つの方法」という記事を取り上げます。

昨日も書きましたが、マネジメントという言葉は曖昧で、日本では「管理」と同義に使われています。しかし、ドラッカー教授によれば、マネジメントは「人と組織の強みや創造性を最大限に引き出して経済的・社会的に価値ある成果を上げること」を意味します。「管理」というのはマネジメントの一面にしかすぎないのです。

ドラッカー教授のようにマネジメントを捉えると、マネージャーはリーダーに近づくように思います。マネージャーとリーダーとを同義に使う人はいますが、厳密にいえば、両者は違います。

マネージャーは、特定の目的を達成するためにあらゆる要素を制御することが主たる仕事になります。プロジェクトや領域、予算、時間枠、プロセスなどの物事や、チームメンバーや顧客、業者、パートナーなどの人をマネージし、司令などを遵守させ効果的に物事を実行することです。

一方で、リーダーは、コントロールよりも他者に影響を与えて鼓舞し、会社の成功に貢献できるようにすることが主たる仕事です。そのためには、ビジョンを立ててそれを効果的に伝え、部下たちからの信頼を得ることが必要になります。

この記事では、「リーダー志望者が素晴らしいマネージャーの特長を身につても役に立たない」と言っていますが、これは違うように思います。マネジメントの捉え方にもよるのでしょうが、昨日書いたようにマネジメントを「自由で生き生きと躍動する人と組織を創り、成果につなげること」と捉えると、「組織運営と顧客創造のマーケティングとは密接の繋がっている」ことになります。したがって、リーダーにもマネジメントのスキルや能力は必要です。

しかし、マネージャーとリーダーとは厳密にはその役割が違いますので、リーダーになるためにはマネージャーの考え方を一歩前進させ、さらに新たなスキルを身につけることが要求されます。

この記事では、マネージャーからリーダーになるための3つの方法が紹介されています。

1.コントロール欲を捨てる。

 多くのマネージャーが、目的を達成するためにすべての物や人を制御しなければならないと考え、これが逆に部下の士気を殺ぐことになっています。マネージャーが部下を言いなりにさせようと躍起になればなるほど、生産的でなく忙しいだけになり、マネージャーの不安はさらに増加し、部下の信頼はさらに低下します。

 優秀なリーダーは、他者をコントロールするのをやめ、代わりに力を与えます。リーダーの仕事は部下が仕事をこなせるように邪魔しないことです。優れたリーダーは、チームのメンバーに対して、必要な時にはいつでも相談に乗ると伝えつつも、チームにはそれをこなす力があると伝えて部下の地震と信頼を培うものです。

 したがって、マネージャーからリーダーになるためには、部下や物をコントロールしたいという欲求を捨て去ることが必要になるのです。

2.プロセスや自分よりも部下を優先する。

 目的達成は重要ですが、チームを犠牲にしてはいけません。人との関係性よりも取引や自尊心に大きな価値を置くとリーダーシップは遠ざかります。優れたリーダーは、事業の中核を担う原動力が人であることを理解して佾ために他者を優先し、共感を通じて他者の視点をより深く理解しようとします。リーダーは、話すよりも聞くことを重視します。情報を得るために質問し、他者が自由に意見を共有できる環境を提供します。またリーダーは発言しなくても心では次に何を言うかを考え、発信者が止まる瞬間に思慮深い返答を与えます。

 リーダーは、自分の話を聞いてもらっている、存在を意識してもらっていると他者に感じさせ、集団への帰属意識を与えます。リーダーは共通のビジョンを基に人を集め、賛同を得て、こうした人が最高の自分になれるように鼓舞してやる気を与えます。

3.リーダーシップの模範を示す。

 高い業績を収める優秀な人材であることと他者が高い業績を収めるように支援することとには、大きな違いがあり、両者は全く異なるスキルです。

 リーダーは役職が与えられてリーダーになるのではなく、行動を通じてリーダーであることを示さなければなりません。ソフトスキルや心の知能指数(EQ)など、これまでの自分にとっての成功要因では必ずしもなかったものも意図的に受け入れ、注目されるロールモデルになろうとする必要があります。

 特に重要なのが自己認識です。自分の立ち居振る舞いだけでなく、自分のエネルギーが他者にどのような影響を与えるかを理解することです。自己認識を通じて、他者との交わりや相手のあなたに対する認識、相手に対するその瞬間のあなたな反応などがすべてつながっていることに気づくことができます。

昨日書きましたが、マネジメントは「管理」よりも「創造」に近い概念ですが、日本では「管理」ととらえられる傾向にあります。そうすると、マネージャーは方法論やツールによって機械的に効率を追求することになってしまいます。これではマネージャーからリーダーは育ちません。マネージャーにとってもリーダーにとっても重要なことは、「顧客がどのような人で、顧客は何を価値として、わが社からどのようなサービスや製品を購入したいのだろうか?」という問いに真摯に向き合うこと、つまり企業の目的は「顧客の創造」ということです。これはマネージャーもリーダーも変わりません。このことを頭に入れたうえで、上の3つを意識しながらマネージャーから優れたリーダーへの道を歩むことが大切です。