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スピード命のビジネスの落とし穴

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2万8510人で、長野県以外の都道府県で先週同曜日を上回っていますが、先週はGW中だったので単純な比較はできません。しかし、沖縄を始め各地で感染拡大していることは紛れもない事実で、来週あたりから感染者数が急増し、第7波辺突き進むのではないかと懸念しています。政府は水際大作の緩和を来月あたりから実施したい意向ですが、それよりも第7波の徴候が見られた場合、どのような感染対策を行なうのか、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言発出の要件はどうするのか、といったことを先に決めておかなければなりません。相変わらず後手後手の対策では意味がありません。ブレーキを踏むタイミング、基準・条件を決めることです。アクセルを踏むことばかりを考えていては取り返しがつかない事態に陥ります。

さて、今日は、東洋経済オンラインの「仕事が遅い部下に必要なのは尻を叩く事ではない、スピード命のビジネスには落とし穴がある事も」という記事を取り上げます。

ものすごくスピーディに動いているのに成果が出ない人、いつも秒で動いているのに空回りしている人。こうした人があなたの周りにいませんか。

「仕事ができる人は仕事が速い」と言われ、「仕事はスピードが命」と思っている人は多いと思います。確かにビジネスにおいてスピードは大事です。激動の時代にはスピード感がなければ時代の流れについて行くことはできず取り残されてしまいます。だからといって、スピードさえ速ければすべてうまくいくかと言えば、そういうこともありません。残念ながら、スピードが速いだけでは仕事の成果に結びつかないことも多いのです。部下に対して、「とりあえず動け」とスピードばかり求めている上司の下では、部下は振り回されて疲弊し生産性が上がるどころか、低下させるだけです。時にはスピード重視でやったばかりに大きな失敗をしでかし取り返しのつかない事態に発展することもあります。

1.速さを意識する割に成果が出ない理由

 スピードを意識しているのに、チームが思うように動かない、成果が出ないというのは、スピード以前の問題、土台がしっかりとできていないと言うことです。仕事の土台がしっかりとできあがっていない段階でスピードだけを強調してもうまく回るはずはありません。

 原題のビジネスにスピード感が必要なのは硫黄までもありませんが、前提となる土台がしっかりしていることが大前提です。

 瞬発力だけでビジネスを進めていくのは危険です。スピーディーに動いている割に結果が伴わないのは、戦略がない、あるいは戦略が間違っているまま、戦術だけで動いているのです。戦略というのは、目的を達成するためのシナリオ作りや向かうべき方向を明確にすることです。戦術というのは、具体的な作戦、何をするかということです。

 戦略、つまり向かいべき方向がない、あるいは間違っている状態で、具体的な作戦を決めて動き回ったところで、目的地に着くことはありません。スピードを速めたところで、間違ったところにたどり着くだけです。

2.戦術も間違っていれば引き返せたのに

 特に、戦略は間違っているのに、戦術は間違っていないという場合は厄介です。気づいたときには手遅れで、取り返しのつかない事態に陥っているからです。戦略は悪いが戦術は良い場合、間違いに気づかず、あっという間に「今さら止められない」ところまで進んでしまうのです。

 仮に戦術も間違っていた場合、途中で「何か間違っているんじゃないか」「何か変だ」と気づくチャンスがあり、引き返すことができる余地がまだ残されます。戦略も戦術も間違っているというのは、最悪のように見えながら、やり直しがきく、引き返すことができるという意味では少しマシなように思います。

 中小企業や小さなチームでは、そもそも戦略を持っていないというところも少なくありません。戦略のない組織やチームでは、目先の数字だけを追い、今をどのように乗り切るかだけを考えています。未来の見通しを持たないまま、出てきた問題をしらみ潰しに、闇雲に当たり、手段先行になりがちです。これでは、毎日忙しく動き回っているのに成果が伴わず空回りで、肉体だけでなく精神の疲弊するだけです。

 中小企業や小さなチームでも、戦略と戦術は必要なのです。目標と現状を明確にして、そのギャップを埋めるための課題に対して立てられるのが戦略であり、それを実現するための具体的な作戦が戦術です。

3.戦略とは

 戦略というのは、元々は戦争用語です。少しとっつくにくい言葉ですが、簡単に言えば、「本質を洞察しそれを実践すること」です。コンボ記事では「見通しを持つこと」と言っていますが、そう認識しても間違いではないでしょう。

  • あるべき姿を思い浮かべる
  • 現状を把握する
  • 優先順位をつけ、課題を抽出する
  • 現状からあるべき姿までのシナリオを描く

 こうして、半年後、1年後の見通しを持ち、それを部下と共有することで、部下自身も動きやすくなります。闇雲に「走れ!動け!」と言われれば辛いだけですが、見えるゴールを目指し、そこに向かって走る・動くのであれば、部下は尻を叩かれなくても自発的に走り出します。自然とスピードも上がります。

 ここで、注意が必要なのは、変化の激しい現在、状況はコロコロ変わるということです。現状が変われば、課題も解決方法も変わります。変わったことに気づかず、これまで通り動いていたのでは、意味がないところで動いているだけになります。リーダーには、どれだけ現状を正確に把握できるかが問われます。

  • 現状の認識が変わる情報を収集する
  • あるべき姿(目指す方向性)が変わる情報を収集する
  • 新たな対策、より成果の出る対策を発見する
  • ①~③が見つかりそうな出会いを求め、行動を起こす

ことがりーだーには必要なのです。

 このように、スピードを求める前に、チームの戦略を立て、現状把握を欠かさず、部下にも見通しを共有することが重要なのです。これができてから、いよいよスピーディーに行動する段階に入るのです。まずは土台作りです。