中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

個の時代のリーダーシップ

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1万5109人、減少傾向は続いています。水際対策が緩和され今月10日から訪日外国人観光客の受け入れが再開され、1日の入国者制限も1万人から2万人に引き上げられます。更に来月からは3万人に引き上げることも検討されています。そうした中、実証実験として来日していた観光客にコロナ感染が見つかりました。政府は「訪日客の感染は予想内」としていますが、先日も書いたように海外で新たに発見された変異株(BA.4 BA.5 BA.2,12,1)の流入が懸念されます。すでに国内でもBa.4の流入は2例確認されており、いずれも従来のBA.2より感染力は強いようなので、今後一気に拡大するのではないかと懸念されます。

さて、今日は、Forbes JAPANの「『個の時代』のリーダーシップ 1on1でどこまで話すべきか?」という記事を取り上げます。

多様性が叫ばれる中、個人の価値観も大きく変わってきています。働き方についての考えも一昔前とは大きく変わりました。コロナ禍でリモートワークが普及したことで、ライフワークバランスを求める人も増えています。以前であるならば、異動や転勤は会社の一方的な指示でなされ、個人の意思はほとんど考慮されませんでした。ましてや家族の意思など論外でした。海外では、単身赴任することはほとんどなく、多くの場合、家族とともに引っ越してきます。その際、従業員個人の意向だけでなく家族の意向も重視されるのです。

価値観が多様化した「個の時代」においては、個と会社は対等であり、「個の人生や生活に至るまでの希望」と「会社の目指したい方向性とその方法」は常にお互いを確認しながら進む必要があるのです。日本においても、働き方改革が進む中、個の希望が重視されてきています。

多くの企業で、1on1ミーティングが行なわれていますが、その際に目の前の仕事の話だけでなく、個人の価値観や考え方を把握する必要があります。個の時代におけるリーダーには、それが求められるのです。

1.古い価値観を克服するには

 コロナ禍でテレワークが普及し、1on1ミーティングが行なわれ、それに慣れたとしても、「個と会社は対等」という意識を持つことはまだまだできていません。

 価値観というのは時代の流れに応じて変わっていくものですし、環境や世の中が変われば価値観も変えていかなければなりません。しかし、多くの人は「時代にそぐわないけれど、これまでの環境で植え付けられた価値観」を捨てきることができず、むしろ無意識にそれにしがみついているのです。

 リーダーは、自分がしがみついている古い価値観に意識的に気づかなければなりません。そのためには、自分の価値観と異なる価値観を持った人と話をすることです。人はどうしても自分と同じ価値観や考え方を持った人と交流し、異なる価値観や考え方の人を遠ざける傾向にあります。そうすることで、益々自分の価値観や考え方に縛られ、他の視点で物事を見ることができなくなるのです。

 今は多様性が重視される時代で、職場でも多様な人材が採用されています。一人ひとり異なる多様性を持ったチームメンバーと、仕事だけでなく雑談を含めさまざまな会話をすることで、個と会社の質の高いすりあわせができるようになるのです。

2.すりあわせの状態と、質の高いすりあわせをするためのポイント

 ここで、重要なことは、個の時代においては、いま働いている会社にいることがすべてではないということです。一昔前であれば、終身雇用・年功序列で、一つの会社に留まり、転職を考えるということはほとんどありませんでした。しかし、いまは転職が当たり前になってきています。それはリーダーについても言えることです。個と会社のすり合っている部分がなくなれば離れていくのは当然です。今はそういう時代なのです。個を抑え会社に滅私奉公するような時代ではなくなっているのです。むしろ健全な時代になってきています。

 この記事では、「ある同僚がカナダ法人に異動することになったが、リーダーとの対話の中で自分と家族の意向を伝え、会社は2年掛けて彼の意向に会う赴任先を探し、その間後任を育ててきた」という例を挙げています。このようなことは日本企業ではまだまだ難しいでしょうが、こうしたすりあわせができるのであれば、組織はうまく機能していくように思います。